このコーナーは筆者がほそぼそと飲んだポムロールワインを紹介するコーナーです。

最近飲んだポムロールワイン(66)
Chateau Gazin 2008
Clemence 2008
Clos Saint Anne 1998
Clemence 1996


シャトー・ガザン 2008 2011年11月5日

元はエルサレムの聖ヨハネ騎士団の領地であったシャトー・ガザンは、この地区で最大級の敷地を持つ。
ひと続きの葡萄畑は、名高いポムロールの上方にある段丘に位置する。
ガザンは現在バイイアンクール家の所有となっている。ランダ(フランス北部の町)の上流階級出身で、
クールコルの異名を持つバイイアンクール一族は、アルトワの名家の中でも最古の部類に属する。
「クールコル」(「短い襟首」の意)という名は、1214年にその武勲をたたえてフランス王フィリップ・オーギュストが一族のひとりに与えたものである。
20世紀初頭に現当主の曽祖父であるルイ・スアルがシャトー・ガザンを取得し、後継者たちが入念な管理を行っている。
収穫された葡萄はコンクリート・タンクで発酵され、樽内でマロラクティック発酵が行われた後、オーク樽で熟成される。
ワインは瓶詰めされる前に卵白で清澄されるか、場合によって軽くろ過される。
生産量は年間10万本(3万本のセカンドワインを含む)に達し、その80%が輸出される。
また、シャトー・ガザンはボルドー・ワイン・アカデミーとフランス・ワイン・アカデミーの会員でもある。

作付面積:24.24ヘクタール
生産量:100,000本
土壌:ギュンツ氷期起源の砂礫土壌、粘土・砂礫土壌
栽培品種:メルロ90%、カベルネ・ソーヴィニヨン7%、カベルネ・フラン3%
熟成:18ヶ月
新樽使用率:50%
セカンドワイン:L'Hopitalet de Gazin
オーナー:G.F.A.Chateau Gazin
経営者:Chrisophe et Nicolas de Bailliencourt dit Courcol クリストフとニコラ・ド・バイイアンクール・ディ・クールコル
マネージャー:Mickaël Obert ミカエル・オベール

(Union de Grands Crus de Bordeaux 2012-2013 Editionより)



2008年の品種割合は。
メルロ92%、カベルネ・ソーヴィニヨン6%、カベルネ・フラン2%です。

黒っぽい紫がかったルビー。
黒いフルーツ。樽の香り。鉛筆、ミネラル。
ドライなタンニンを予想しましたが、口の中に含んだ瞬間クリーミーな舌触り。
アルコール分が強く感じますが、エキス分もしっかりありますので
違和感はありません。
14%Volを感じるマッスルなポムロールです。

ma note : 93


シャトー・ラ・クレマンス 2008 2011年11月13日

1996年がファースト・ヴィンテージ。
最新設備、最新技術で醸造されるクレマンス。
オーナーは異業種からの参入とあって、販売ルートが狭いためか、
近年、価格が下がっています。
が、ポムロール・ファンにとってはこの丹念に造られたワインが非常にお買い得になって嬉しい限りです。
関連記事 → http://www.petrist.com/private/clemence/ch-la-clemence.html


暗いルビー色。
燻した香り、ブラックベリー、ブルーベリーなどの果実香。
そして、なめし革、グラファイト、ミネラルを感じます。
しっかりとした酸が歯茎にまとわりつきます。
将来性が感じられます。
ボディはフルではなくミディアム・ボディ

ma note : 89


クロ・サン・タンヌ 1998 2011年11月23日

シャトー・ムリネのセカンド・ワインです。
シャトー・ムリネと言えば、2004年よりあのレグリーズ・クリネのオーナーである
ドニ・デュラントー氏がコンサルタントに起用されてからは品質が一段と向上し、
私が思う最もコストパフォーマンスの高いポムロールの一つであります。

しかし、残念ながらこの1998年はまだドニ・デュラントー氏の手は加わっておりません。
早熟で早飲みタイプの平凡な時代のシャトー・ムリネのセカンド・ワインです。

予断ですが、
10年程前、ボルドーのビストロでネゴシアンの方と食事することになって、
このClos Sainte-Anneがリスト・オンされていて、飲んだことが無かったのでオーダーしました。

そのネゴシアンの方に「何故、これを選んだの?」って聞かれ、
「・・・実は、Clos Saint Andreと間違ったのです・・・」と答えると、
「ギャルソン! ブショネ!」と言って、違うワインに交換してもらった記憶があります。
フランスではブショネの場合、すぐにボトルを交換してくれるようですね。

さて、このセカンド・ワインの品種割合などは不明ですが、
現在では以下のようになっています。
メルロ60%、カベルネ・フラン30%、カベルネ・ソーヴィニヨン10%
平均樹齢35年 栽培密度7,000本/ha 熟成:1年樽で12ヶ月

コルクを抜いて驚きました。
側面への染み込みは全くありません。完璧な状態で輸入されています。(輸入元:モトックスさん)

ガーネット色。
香りは弱く植物的な香り。
少し揮発酸が感じられますが、程良い飲み頃です。

ma note : 80


シャトー・ラ・クレマンス 1996 2011年12月21日

ファースト・ヴィンテージの1996年のクレマンスです。



ガーネット。
焦がした樽の香り。タール。
ドライでタールのような味。
重油のような油っぽさと、線路の枕木のようなニュアンス。
今、飲んでも中途半端で面白くないですね。
くたくたになるまで熟成させた方がいいかもしれません。

ma note : 83


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