このコーナーは筆者がほそぼそと飲んだポムロールワインを紹介するコーナーです。

最近飲んだポムロールワイン(70)
Chateau Fayat 2009
Chateau Pierhem 2008
Chateau Trotanoy 2009
Le Carillon du Chateau Rouget 2007


シャトー・ファヤ 2009 2012年4月26日

新しいポムロールです。
パリからボルドーへ向かうTGVでリブルヌ駅に近付くと、進行方向の右側に「Chateau Fayat」と書いた大きな看板が見えます。
大企業クレマン・ファヤが所有するシャトーですのでPRもしっかり行っているようですね。

さて、このシャトー・ファヤは少しややこしいですが、是非念頭に置いてください。

シャトー・トロタノワ近くのヴィユー・シャトー・ブールヌフが売りに出され、購入したのが
シャトー・ラ・ドミニク等を所有するクレマン・ファヤとシャトー・ド・ヴァランドローのジャン・リュック・テュヌバンです。
この2つのコラボで誕生したのがドメーヌ・ファヤ・テュヌバンです。2006年がファースト・ヴィンテージです。

ところが2社は決裂してしまい、ドメーヌ・ファヤ・テュヌヴァンは僅か3ヴィンテージ(2006年、2007年、2008年)で幕を閉じてしまったのです。
2006年はティスティングして素晴らしいワインだったのでちょっと残念です。

このエステートはクレマン・ファヤが単独で所有することになり、すでに所有しているシャトー・ラ・コマンドリー・ド・マゼイル(2000年所有9.5ha)と
シャトー・プリウール・ド・ラ・コマンドリー(1984年所有3.3ha)とそして旧名ヴィユー・シャトー・ブールヌフの3つのシャトーは一つとなり
シャトー・ファヤが新しく誕生しました。2009年が初ヴィンテージです。

プロフィール
面積:16.23ha
品種:メルロ80%、カベルネ・フラン20%
平均樹齢:50年
植樹密度:6.000本/ha
栽培:ギヨ・サンプル
土壌:深い砂利と褐色の砂(コマンドリー・ド・マゼイルの区画)
    粘土層の上にシルト(砂より小さく粘土より粗い砕屑物)(ヴィユー・シャトー・ブールヌフの区画)
    粘土層の上に砂利と古い砂(プリルール・ド・ラ・コマンドリー)
選別:選別は2度。収穫時とそのあと微振動の選果台を使用する。
醸造:温度管理されたステンレス製と木製タンクを使用。
    フルーツのフレーヴァーとアロマを引き出すために低温発酵。
    ルモンタージュは3-4回/日
    マセラシオンの期間は25-30日間。
    熟成:70%バリックを使用(そのうち新樽は50%使用)12ヶ月間



黒に近い暗いルビー。
期待できそうな豊富な香りは、ベリー・ジャム、ブラック・ペッパー、パプリカなど様々な要素が感じられます。
タールも少し感じられ、香りから酸のバランスも良さそうな事が伺えます。
口に含んで「GOOD!」
色が黒っぽくて心配でしたが、わざとらしさが少なく、果実味と酸のバランスが良くとれています。



旨みのある酸味。
樽の風味は控えめ。フルよりミディアム・ボディ寄り。
パーカーさんはバレル・サンプルよりもボトル・サンプルの評価を下げておりましたが、
十分に美味いです。

ma note : 91-92


シャトー・ピエレム 2008 2012年5月4日

もともと、このシャトーはカチュソーから真南に下がったところにあるシャトー・グラン・シロン・ガバショが2000年に改名したエステートです。
そしてもともとのシャトー・グラン・シロン・ガバショはセカンドワイン的な存在となっています。

所有者:ピエール・エマニュエル・ジャヌエックス Pierre Emmanuel Janoueix
面積:1.8ha
品種:メルロ100%
平均樹齢:45年
土壌:粘土、砂利、砂
収穫:手作業
栽培:葡萄の木1本当たり8房になるように芽を摘み取ったり、
    グリーン・ハーヴェストする。エフォイヤージュ手作業で入念に。
    リュット・レゾネ
醗酵:温度調整機能付のステンレスタンク使用。
    マセラシオンは4〜5週間。
熟成:新樽100%にて15ヶ月間



コルクを嗅ぐと、バニラ香満載そしてカンゾウの香り。
色=暗いルビー
樽の香りが強く、甘い果実味。
マイルドで心地よい酸もしっかりと感じられ、バランス良い。
バリバリの攻撃的なワインではなく上手にまとまった味です。
女性的なワイン。ポムロールのシャトー・マルゴー的なワイン。

ポムロールの組合で32ユーロで購入。

ma note : 90-92


シャトー・トロタノワ 2009 2012年5月5日

2008年と2009年と連続で高い評価を得ているシャトー・トロタノワです。
シャトー・ラフルールのような恐ろしい価格帯になっておりませんので、
なんとかまだデギュスタシオンできるポムロールです。(21,000円で購入。)





この年にトロタノワのセカンド・ワイン、エスペランス・ド・トロタノワ(メルロ100%)が500ケースリリースされたようです。

紫がかった暗いルビー・
香りは控えめですが、果実類の香りよりコーヒー類の香りが前面に現れています。
ムエックスの特徴である「抽出し過ぎず、黒くない。」ポムロールです。
まだ当然若く、強いタンニン、果実味がありますが、しなやかさも感じられます。
今飲んでも違和感はありません。
予想通り完成度の高いトロタノワです。

ma note : 97


ル・カリヨン・デュ・シャトー・ルジェ 2007 2012年5月6日

このポムロールは名前から解ると思いますがシャトー・ルジェと関係しているようです。
カチュソー付近にシャトー・ル・カリヨンというエステートがあったのですが、
シャトー・ルジェによって買収されたようです。


所有者はS.A.S. S.G.V.P. (S.A.SはSociete par Action Simplifiee=単純型株式資本会社の略。
S.G.V.P. はSociété des Grands Vins de Pomerolの略です。



暗いルビー。
新鮮でピュアなブルーベリージャムの香り。
樽から由来する香りはなし。
このクラスのワインは樽を使わないと果実味が生々しく、くどくどしく感じられてしまいます。

ma note : 70


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