このコーナーは筆者がほそぼそと飲んだポムロールワインを紹介するコーナーです。

最近飲んだポムロールワイン(75)
clos des Litanies 2010
Pomerol Reserve Christian Moueix 2009
Chateau le Bon Pasteur 2008
le Benjamin de Beauregard 2007


クロ・デ・リタニ 2010 2012年10月6日

いよいよ2010年の登場です。
エチケットの左下のアルコール度数を見るとなんと、15%vol.
強烈ですね。
2010年は乾燥した年。地球温暖化の影響もあってか、非常にアルコール度数の高い銘柄が多いことに驚かされる事でしょう。

生産者のコメントです。
春の天候条件がとても良かったので、健全で美しい葡萄の房が実りました。
雨が降り注いだ6月から8月は暖かく太陽に恵まれた好都合な季節となりました。
実が熟し始めるのに最適なスタートとなりました。
夜間は涼しかったので果実にはフレッシュ感を得て、葡萄の香りのポテンシャルが非常に高くなりました。
9月に雨の影響を受けましたが、それでも2010年は凝縮された小さな果実となり、
ここ10年間で一番リッチな年となりました。

品種はメルロ100%。
収量は30hl/ha。
乾燥した天候の年だったので、エファイヤージュ(摘葉)やエクレルシサージュ(摘房)は行わなず。
収穫は手作業で、カジェットを用い9月30日に開始。

醗酵はコーティングされたセメントタンクで温度管理の下で行われた。
低温前醗酵は5日間。
アルコール発酵は最大限のアルコール度数のためゆっくり行った。
果皮浸漬期間は3週間。

エクラージュ(ワインの引き抜き作業)は慎重に行いマロラクティック醗酵は新樽にて。
この年のスティラージュは2度行われた。
熟成期間15ヵ月。
瓶詰めの日にfiltration tangentielleを行った以外は特別な処理は行わず。



ルビーがかった黒。(思わず笑ってしまいます。)
黒系のベリーのコンフィ。タール。ヨード。
まだまだ新樽で熟成中のワインを飲むような感じです。
ソーセージのような風味も感じられれます。
到着し立てですのでもう一度改めて飲まねばなりません。

アルコール度数15%Vol.の割にはツンツンしたところがありません。
これはエキス分が非常に高いのでしょう。
インポーターさんに分析表を見せてもらったところ、
エキストラクトは35.4g/Lです。ちなみにアンヌ・グロのブルゴーニュ・ルージュで22.9g/L
フロンサックのシャトー・ド・カルルマニュ2010(15.5%Vol.)で28.8g/Lですから、
いかにこのクロ・デ・リタニのエキス分が高いのがお解かりになられるかと思います。)

ma note : 87-90


ポムロール・レゼルヴ 2009 2012年10月20日

1999年に発売されたこのポムロール・レゼルヴ/クリスチャン・ムエックスはのラベルは、
古いペトリュスのラベルをイメージして作られました。

非常に期待して飲んだのですが、コルクは合成、味もペトリュスを想像するどころか、
ムエックスが造るポムロールとしてのレベルにもちょっと及ばない代物でした。(笑)

http://www.petrist.com/pomeroldiary8.html



現在はこんな小さなラベルになっています。
実寸縦6cmx横8cm



フツーにルビー色。少しガーネットを帯びたような。
香りにtちょっと疑問。海草の香り・・というか少し生臭さのような、磯のような。
グラスのせいかなっと思いましたがそうでもなさそうです。
これはポムロールでは普段感じられない香りですね。
最初の一口目はざらつきを感じましたが、アルコールや酸を最初に感じるよりも
このエキス分の重みを感じることはいい兆候です。
しかし、そのあとにアルコールがキーンと押し寄せてきます。
アルコール度数を確認すると14%Vol.です。
全体的なバランスとしては良くできています。
ファースト・ヴィンテージよりは随分良くなった気がします。
価格は2,000円台ですから、いいと思います。

ma note : 83


シャトー・ル・ボン・パストゥール 2008 2012年11月11日

このル・ボン・パストゥール2008年は最初にバリック発酵を試みた記念すべき年です。
新鮮な果実味が得られる製法でミッシェル・ロランは過去20年間で最大の発明だと語っています。

2008年の収穫は遅く、10月7日に始まり20日に終了しました。
収穫量165hl 収量25hl/ha

2008年は1988年に似た年。
4月は非常に寒く、7日に雹が降る。
5月も思わしくなく雨が多く寒い日が続いた。
6月上旬の開花時期は気温は低く過ぎて、この季節としては雨が多く、適さなかった。
結果として少ない収穫量となった。
7月は2007年よりは良好だったが8月の訪れは遅く、
曇りが多く一定の少量の雨量が湿度を保った。
気温は例年並み。
ヴェレゾンは遅れ、8月後半までかかった。
収穫は遅く、10月7日〜20日。



赤みを帯びたルビー色。無理な抽出を行ってなさそうないい感じの色合いです。
燻した香り、タール、ビーフジャーキー、ソーセージ、スパイス、カンゾウなど色々な要素が感じられます。
甘すぎず、しっかりとした骨格。
ちゃらちゃらしてなくて、これは威厳のあるポムロール。
昔のロラン・スタイルではないですね。
素晴らしいポムロールです。

ma note : 95

シャトー・ル・ボン・パストゥールは2013年6月に香港の金融企業ゴールディン・グループに売却されました。


ベンジャマン・ド・ボールガール 2007 2012年12月




ガーネット色。少しくすんだような色調。
シナモン、ミナラル、カルキ、シュークリーム。
わくわくさせられる。
口中では酸が支配的。
ちょっとブショネっぽい感じがします。
時間と共にビーフジャーキーそして木の味が増してきます。

ma note : --


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