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イングリドのアカデミー

〜ザールブルグのグレートティーチャー〜

作:マサシリョウさん


第二話 人形は発条羊(ゼンマイひつじ)の夢を見るか?の巻(その4)

王国暦301年 6月7日
メディアの森・廃棄物投棄場所

メディアの森にある廃棄物投棄場所。
ザールブルグから出るごみはここに棄てられる。
最近、錬金術が発展したためか、錬金術関係のゴミが増えている。
ここに一体何があるのか・・・・
意外な事だが、ここに来るまでの間、彼女達は
生ける死者達に出会わなかった。
だが・・・

「ぷにぷに玉に産業廃棄物B・・・まだ使えるのに・・・」

イングリドが棄てられた物を見て呟いた。
その時マイヒルはゴミの一角を見て・・・

「・・・・ロザリー!!」

その声を聞きマイヒルの視線の先を見る。
見るとそこには
女の子が横になっていた。
足を切り落とされた状態で。

「おい!!しっかりしろ!!」

ゴミの山に登って、マイヒルが彼女を抱き上げると
ボトリ・・
彼女の左腕が落ちた。
そしてその腕はヴァネッサの足元へと転がった。

「あ。この腕・・・木で出来てる。」

「なんだ人形か。人間の子供かと思ったよ。」

ほっとした様子のハレッシュ。

「この男、お人形とおしゃべりする趣味を持っていたのか・・・
ここにあるってことは、自分で棄てた人形だろうに。」

「マイヒル・・今はそんな事をしている時じゃ無いでしょう?」

全員が彼に注目していると、
彼の持っていた人形に変化があった。

「・・・おい、今人形が瞬きをしなかったか?」

「き、気のせいですよきっと。」

「!!ロザリー!!」

マイヒルが声をかけると人形の口が動いた。

「マ・・・マイヒル・・・?
・・・・!!
マイヒル・・ずっと・・待って・・」

「ああ、長い間待たせてわるかった。」

「うわああ!!人形が喋った!!」

「せ、先生・・何ですかアレは!!」

「たぶん妖精さん人形ね。ちょっと形は違うけど・・・」

「じゃああの形は奴の趣味か・・・」

「・・・・おまえらなぁ・・・・
・・・・ロザリー。一体何があった?
誰がお前をこんな目に・・・・」

その時。

ガサッ

投棄場所のまわりを覆っていた茂みから

ガサッ

ガサッ

次々と騎士が現れた・・

「・・・そうかこいつらか。
くそっ・・・こんな事になっていたなら
一人で採集に向かわせなかったものを!!
・・・・全員消し炭にしてやる。」

「まって・・・攻撃しないで・・・」

「なぜだ!!仲間を痛い目にあわされて見逃すなんて
そんな慈悲の心俺には無いぞ!!」

「・・・この子達は・・・私を護ってくれたの・・・」

「・・・なんだって?」

「それに・・・攻撃をうけたり・・仲間が・・・攻撃されるのを・・・見ると 攻撃する・・・ように・・・命令してあるから・・・」

「ちょっとまて。まさかあれは・・・
バカな!!お前には戦闘能力を与えていなかったはずだ!!
じゃあだれが騎士隊を殺したというのだ!!」

「どういうことなのマイヒル?
あれは一体何なの!!?まさか・・・まさか!!!」

「まさか・・ってどういう事ですか先生。心当たりでもあるんですか?」

「・・・・さすがはイングリドセンセ。お察しの通りだ。
あれは・・・・錬金術によってかりそめの命を吹き込まれた者。
・・・・錬金生命体だ。」

「な!!!!!!!!」

そう。
生ける死者はメディアの呪いにより発生したのではなかった。
この人形が・・ロザリーが錬金術を使い
騎士隊の死体に命を吹き込んだ物であった。
材料はここに棄ててあった物で事足りた。

「私がここで採集をしていた時、ごみを棄てに来ていた騎士隊と
バッタリ出会ったの。その時・・・」

「私の事なんか・・ほっとけば良かったのに・・みんな・・・
逃げれば良かったのに・・・」

「私は木で出来ていたから・・・食べられなかったけど・・
でもみんなは・・・。私は近くにあった死体を・・・
採集したアイテムであれを作れたから・・・あれを死体に・・・
それで何とか追い払ったの。」

「・・・怖かった・・目をつぶったら・・もう・・二度と会えないかもって・・
マイヒル・・・怖かったよ・・・」

「ああああああ、俺はお前がのんきに採集してるのかと思っていた!!
もっと早く気づいていれば!!!」

ヴァネッサは思い出した。
「・・全く。俺のかわいい錬金生命体ちゃんが行方不明にさえならなきゃあ
自ら出向くこともなかったのに。」
というマイヒルの言葉を。

「先輩の本当の目的はこれだったんですね。」

「みんなありがとう・・・みんなのおかげで・・マイヒルにまた会えたよ・・・
もう・・眠っていいよ・・・」

ロザリーがそう言うと、
生ける死者は次々と倒れて行った。
元の死体に戻ったのだ。

「マイヒル。今度の事件はその人形が起こしたのね。」

「・・・らしいな。」

「その人形。壊すけどいいわよね?」

その言葉を聞いたマイヒルは

「なぜだ!!この子は特に悪い事をしてないじゃないか!!
武器に命を吹き込んだわけでもないのに!!」

「同じよ!!」

「き・・貴様!!騎士隊が武器と同じだと!!
フン!!人を武器扱いとはな!!」

「人を材料扱いするよりはマシよ!!」

「仕方無かったんだよ!!
この子は・・ロザリーは生き残る為にその手を汚したんだ!!
それしか手段を知らなかったんだよ!!
・・・俺が教えなかったからだ・・・・
イングリド!!お前は必死に生きようとしている者の命を
大した理由も無く殺せるほど偉いのか!!!」

「でもこの子のした事は許せるはずは無いわ!!
死体だからってそんな・・・死んだ人が喜ぶわけが無いわ!!
それに、その子はたかが人形でしょ?かりそめの命じゃない!!

その言葉を聞いたマイヒルの様子が変わった。

「人形だとッ!?かりそめの命だとッ!?」

「死んだ奴が喜ぶ事って何だよ・・・・」

「喜びも・・悲しみも・・愛も!!ケンカも!!
何もかも生きているからこそだ!!死んだら何も残らないんだ!!
全部終わりだ!!
人形でも・・・かりそめの命でも・・ロザリーは生きてるんだ!!
こいつを殺したら死んだ奴が喜ぶとでも思っているのか!!
死んだやつにできる事なんか何も無い!!無いんだ!!!」

「・・・・騎士隊を殺した罪はどう償うのよ。」

「みんなも・・・私も・・・人間は一人も殺してない・・・」

「殺すつもりだったら・・・綺麗な部品だけをつなげて・・・
ちゃんと人間に見えるようにするもの・・・マイヒル以外の人間が
入ってこない様に・・わざと死体に見える様に・・・」

「ちょっと待て!!俺達はあいつらに襲われたぞ!!」

「クーゲルさんの言う通りだ!!危うく俺達は殺されかけたんだぞ!!」

「それは・・みんなを攻撃したから・・・普通の人間だったら・・
驚いてこの森からすぐ逃げ出す・・・みんなただ脅かしただけ。
あいつに餌を与えない様にする為に・・・でもこの前みんなが持って来た死体は・・
みんなあいつに殺されてた・・・死体を見たらわかる・・」

「あいつ・・・?」

「両手に・・・大きな鎌をもった・・・」

・・・その時
大きな影が、産業廃棄物投棄場所に迫っていた。

「ものすごく大きい・・・」

「・・・・・カマキリ。」

「カマキリ?そんな奴に我が王国の騎士隊が全滅だと?下っ端とは言え・・・」

「クーゲルさん・・・・そのカマキリって・・・もしかしてあれじゃないですか?」

「あれ?」

ヴァネッサが指差した方向に顔を向ける。

「なんなんだ、あのでかさは!!」

地面から頭の高さが3〜4メートルはある。
鎌を一振りすると目の前の木が簡単に切断された。
その切断面はとても綺麗だった。
そしてその巨体に似合わないすばやさで広場に踊り出て
そこいらに散乱している死体を廃棄物ごとかじり出した。

「なぁロザリー、お前を痛い目に会わせたのはあいつか?」

「そうです。」

「そうか・・・疲れただろ、ロザリー。眠っていいぞ。
目が開いた時、俺がいないなんて事は無いから安心しろ。」

「・・・ごめんなさい。・・・結局・・・採集・・・出来なかった・・」

「いいよ。頑張ったごほうびに俺が工房についたら好きな物をやるよ。」

「わたし・・・毒の爪か・・・毒のキバが欲しい・・・・」

「・・・ヘビの髪の毛もつけてやるよ。」

「・・・うれしい・・・」

そう言うと、人形は再び瞳を閉じた。
マイヒルは笠をはずしその中に人形を入れた。
笠の裏にはフェーリング陣がし込んであり
その先はマイヒルの工房に通じている。

「ヴァネッサ君。後ろに下がってくれないか。」

「・・・戦うんですか?騎士隊を全滅させた相手ですよ?」

「ああ、そして俺のかわいい仲間を痛い目に会わせた相手だ。」

「・・・仲間の為・・・ですか・・・。」

なぜか元気が無いヴァネッサ。

「・・・それにキミの命の代金分(銀貨180枚)は働かないとな。」

その言葉を聞くと、パッとして

「!!はい!!頑張ってください!!」

「なに明るい顔してるんだこの女。こっちは必死なのに。
・・・おい公僕ども。その能天気な女連れてこの広場から退避しろ。
・・・・センセも一緒にな。」

「なんだと!!俺達だって仲間やられてるんだ!!このまま黙って引き下がれるか!!」

「ずいぶんな自信ね、マイヒル。」

「聖騎士の力をただの騎士と比べてもらっては困る。」

「・・・あのねえ、昆虫を解剖した事のある奴なら知っているけど
あいつら生命力が高いの。首を切り落としてもしばらくは生きているの。
下手に手を出して、あのすばやさ、あの力で暴れられたら厄介だ。
手順を踏んで、すばやく弱点を突かなきゃならない。
貴様らは知ってるのか?その手順。」

「そこまで言うのなら見せてもらおうかしら。」

講釈を終えたマイヒルは背中の杖に手をかけ
その先端をカマキリに向ける。

「食事に集中している今がチャンス!!
・・・これでしとめることが出来ればいいが・・・」

「魔力(まりき)ッ!!地獄の業火(じごくのごうか)ッ!!」

杖から出た炎がカマキリを焦がす!!
だが・・・

「ちっ・・思った通りだ・・効き目が悪い。
この雨のせいか・・・それとも・・・」

カマキリはいきなり炎に包まれ
動きが止まった。

「・・・まずは魔法で相手を気絶させる!!そしてッ!!」

外套から竹やりを取り出して構える。

「中枢神経を突く!!これで終わりだぁぁぁぁ!!」

ガン!!

「!!何!?魔法で強化した竹を弾いただと!!
・・・くそっ、もっと貫通力の強い攻撃じゃないとだめか!!

昨日から降っている雨が
カマキリがまとった炎を消す。
そして・・マイヒルのすぐ目の前で・・・
カマキリは意識を取り戻した。

「・・・しまった!!!」

一瞬で鋭い鎌がマイヒルの胴に突き刺さる。

「イヤァァァッ!!!!」

その光景にヴァネッサは悲鳴を上げた。
しかしマイヒル、吐血しながらも
杖の先端を震える手で、相手に向ける。
そして血を飲み込んで

「・・・魔力(まりき)・・・地獄の業火(じごくのごうか)。」

最後に振り絞った魔力で放った炎がゼロ距離で炸裂した
爆発の推進力で両者は吹っ飛んだ。

「ごふっ・・・やったか?」

腹から血を流しながら相手の様子を確認する・・

「くそ・・・やはり大したダメージを与えられないかッ!!」

ショックで気絶をしているみたいだが、大した外傷は与えていない

「・・・ヴァネッサ君すまん。仕事・・達成できそうにない。」

「先輩!!!逃げましょう!!!」

「無理だ・・あの鎌・・・遅効性のマヒ毒が・・・し込んであったらしい。・・動けない。」

そうでなくとも彼が流した血液は(普通の人間ならば)致死量に達しようとしている。

「あらあら。ずいぶん偉そうな事を言った割には簡単にやられたわね。」

「しかも、下手に手を出してくれたおかげでこっちも危なくなったじゃないか」

「やれやれ。逃げるのは難しそうだな。」

意識を取り戻したカマキリは一足飛びでイングリド達の元に駆け寄った。
動けないマイヒルよりも、まだ元気のある者を始末することにしたようだ。
すばやい回転で連続攻撃をするカマキリ

「くそっ!!この動きを止めないと中枢神経を撃てない!!」

ハレッシュが必死で鎌を受け流しながら叫んだ

「ハレッシュ!!」

クーゲルが巨大カマキリに切りかかる。
だが硬い装甲のせいか、聖騎士の剣を持ってしても
有効なダメージを与えられない。

「く・・・どうすれば!!」

その時イングリドが呟いた。

「・・・まずは魔法で動きを止める・・・」

「・・・!!そして、動きが止まったところを貫通力がある攻撃で中枢神経を撃つ!!
クーゲルさん!!」

「だったら俺はお前らのCPが・・・気合がたまるまで時間を稼ぐ!!!」

イングリドは杖、
ハレッシュはズフタフ槍を構えそれぞれ気合をためる。

「うおおおおおおおお!!」

怒涛の連続攻撃をしかけるクーゲル。
カマキリの注意をひきつける。

「・・・先輩。しっかりして下さい。」

「俺を置いて・・にげろ・・俺を運ぶのは無理だ・・」

「大丈夫ですよ。グラビ結晶ありますし。それにこの雨じゃ
どこへも逃げられませんよ・・いえ。多分逃げる必要もないですよ。」

ドサクサにまぎれてマイヒルの手当てをするヴァネッサ。

「あの人達がいますし。」

「クーゲルさん!!離れて!!!」

その声を聞いたクーゲル、
大ぶりの太刀を放ちカマキリを引きはがす

「シュタイフブリィィィィィゼッッッッッッ!!」

召喚された雷がカマキリを襲う。
マイヒルの魔法と違い、イングリドの魔法は雷である。
すばやい動きを持ってしても避けることは出来ない。
そして標的は水に濡れている。

「ぐぎゃああああああああ!!!!」

通常時よりも強力な電流が体内を駆け巡る!!
それでもなお、カマキリの息の根を止める事が出来なかった。
しかしこの時点で・・・この昆虫の敗北は決定していた。

「ハレッシュ!!今だぁぁぁぁっ!!」

ハレッシュ、標的に向かって駆ける!!!!

ガキン!!!

ズフタフ槍が中枢神経のある胴にあたる!!!
しかし硬い装甲は槍を通さなかった。

「うおおおおおおおおおおおおおお!!!」

しかし勢いを止めないハレッシュ。
カマキリを後ろへ押し返しながら突進を続ける

「止めて見やがれぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!!」

カマキリの装甲にヒビが入った。そして・・・

ザッシュッッッ

ハレッシュの槍は遂に胴を貫通した。その間には中枢神経があった。
・・・こうして、騎士隊を次々と葬っていた本当の犯人は
この世を去った。

王国暦301年 6月8日
メディアの森・廃棄物投棄場所

一昨日から降っている雨はまだ止んでいなかった。
おかげでイングリド、クーゲル、ハレッシュ、
そしてヴァネッサとマイヒルの5人は
この場所とキャンプ跡地から動けないでいた。
なぜキャンプ跡地ではなくて廃棄物投棄場所にいるかと言うと・・・

「ああ・・首痛い腹痛い・・・」

「大丈夫ですか?先輩。」

「・・・俺は不死身だ。」

「あっ、産業廃棄物B発見〜♪」

「キミ、俺の事大して心配してないだろ。」

「・・・全く・・のんきねぇ。あなた達。」

「仕方ないですよ。この雨じゃあ下手に動けないですし。
先生も採集したらどうですか?」

「残念だけど、今日はカゴを持ってないわ。」

「結局、今回の事件は何だったんでしょうか・・・」

「・・・意外な展開を見せたな。一体何だったんだあのカマキリは?」

「・・・変なもの食って異常成長したんだろ。」

「マイヒル、何だ?その変なものと言うのは?」

「ここの廃棄物は栄養剤などの薬効成分を含んだ物も在ったんだろう。
・・・もし、廃棄物に汚染された食べ物を主食としていたならば・・・
それにここにあるアイテムは魔力を帯びたものが多い。
あの異常なまでの魔法抵抗も、それで説明できないか?」

「・・・そして、生ける死者はここの廃棄物を利用して作った錬金生命体・・・
なんてこと!!錬金術が人に害を与えてしまうなんて・・・」

「魔女の呪いじゃなかったって事だ。
魔女メディアか・・・うっかり歴史に名を残したために
後世になってなおも疑われつづけるとは・・・・
俺なら歴史に名を残すようなヘマはしないぞ!!」

それを聞いたヴァネッサは・・・

「・・・それ、イングリド先生が大事件になる前に処理しているからでしょ。」

「む。ぬうううううううう」

「・・・・ちょっとまて。
呪いが無かったとしたら、この森で磁石が効かないのはなぜだ。」

「それも産業廃棄のせいだろ。
ドナー石を大量に含んだ廃棄物があったんじゃないかな。」

ナレーション
ドナー石とは電気を帯びた石である
電流のまわりには磁界ができる。
その磁界のせいで磁石が効かなくなったというのがマイヒルの説だが・・
・・・はっきりいってかなり苦しい。
(この事についてはあまり触れないで欲しいby作者)

「じゃあタイミング良く降ったこの雨は?」

「この雨は・・・(チラリとイングリドを見る)」

「あ!!!」

ヴァネッサもイングリドを見る。

「なっ、何よ!!私のせいだと言うの!!?」

事情を知らないハレッシュとクーゲルは訳がわからない。

「ま、呪いじゃなければ今すぐこの雨を止めることは出来るよ。
ヴァネッサ君、フラム、持ってるよね。」

「はい、在りますよ。」

ポケットからフラムを取り出す

「うわっ、俺に爆弾を近づけるんじゃない!!
というかポケットに爆弾入れるな!!転んだらどうするんだ!!」

「フラムなんかどうするのよ。」

ナイフを取り出したマイヒル、震える手を押さえながら
フラムを削って行く。

「これを分解してロウ燃える砂に分ける。
・・・次にイングリドセンセ。」

「何よ。」

「服を脱げ。」

それを聞いたイングリドは
杖でマイヒルの頭を殴った。
その拍子に手元が狂い手にナイフが当たった。

「イッテェェェェェェェェェ!!!!
なにをするイングリド!!」

「なんで私が服を脱がなきゃいけないのよ!!!」

「貴様の服をばらして国宝虫の糸を手に入れる為だよ!!特にエロい意味は無い!!
それと、中和剤(赤)とさっきのアイテムを使って何が出来る?
イングリド文書に載っていたアイテムだぞ!!」

「あ!!!晴天の炎(エリアトのみに登場するアイテムだ。天候を晴れにするアイテム。)
でもちょっと待って。中和剤はどうやって入手するのよ?」

「この辺の地層ならちょっと掘ればカノーネ岩くらいすぐに手に入るだろ
それを材料に調合すればいい。」

「・・・なぜあなたがドルニエ先生秘蔵の書の内容を知っているのかしら?」

「知っているだろ、俺がドルニエ先生の末席の弟子と言う事を。」

「ドルニエ先生って誰ですか?先輩。」

「キミなんて恐ろしい事を・・・その事は置いといて、
とにかくイングドセンセ。
事情は解かりましたよね・・・・
ンヒィ――ヒヒヒヒヒヒヒ―――!!
さぁ、服を脱ぐのだぁぁぁぁっっ!!!!」

「む、仕方ないわね。」

「ちょっと待ってください。」

3人のやり取りを見ていたハレッシュが口を挟む。

「国宝虫の糸が欲しいなら俺のマントを使ってもいいぞ。
このマントもそれで出来ているから。」

それを聞いたマイヒルはハレッシュに詰め寄って

「貴様!!!なんという事を!!!自分のした事が分かっているのか!!」

「もう少しでグリ子のセミヌードが見れたのに!!!
この大馬鹿野郎ォォォォォォッ!!!!!!!!!!」

ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・

「バカはどっちよ。」

「・・・・ハッ。」

「マイヒィィィィル!!!」

「セェェンンンパァァァァイイィィィ?」

ナレーション
この後、マイヒル君はイングリド先生とヴァネッサと二人がかりで
ボコボコにされるのですが
それを書くとページが増えるので今回はここまでとさせて頂きます。

王国暦301年 6月8日
メディアの森
雨の後晴れ、ところにより血の雨。(チーン)


<あとがき>
FC版スイートホームをプレイした・・・
やばい。夢に出てきそうだ・・・の巻。

マイヒル「・・・ゾンビゾンビしてるね。」
ヴァネッサ「・・・はい。」
マイヒル「これ、苦情がいっぱい来るだろうな・・・」
ヴァネッサ「はい、・・・あの、読者の皆様にお願いがあるのですが。」
マイヒル「この小説の苦情は○にさんのBBSに書き込まずにこちら(zat83130@lion.zero.ad.jp)にメールで送ってくれるようお願い致します。」
ヴァネッサ「まぁこの小説読む人って少ないでしょうけど」
マイヒル「それはそれで凄く悲しいぞ。」
ヴァネッサ「ところで最初のヴァンパイアの話はどうなったんですか?」
マイヒル「・・・ただのヒントだよ(汗)。すぐ後の質問の答の」
ヴァネッサ「お金持ちになった錬金術師が次に望む物ですね。」
マイヒル「エリーのアトリエでは、別の物を望んだがね。
知りたい人は金持ちエンドを見るべし。」
ヴァネッサ「その次は?」
マイヒル「ここで言おうかなとも思ったが、ふたりのアトリエのエンディング1に触れるので内緒。
それを手に入れたものの運命は・・・・・
これもWSCで発売予定のRPG「魔界塔士 Sa・Ga」のラスボスの運命によって描かれている。
・・・賢明な判断だったなマルローネ。そしてエルフィール。
さすがはイングリドセンセのお弟子さんよ・・・・」
ヴァネッサ「・・・結局内緒ずくしじゃないですか!!」
マイヒル「夢と言えばゲマイナーを思い出す。」
ヴァネッサ「何故に?」
マイヒル「公式設定資料ではあの後ヘートヴィッヒさんと結婚したそうだ。
ある意味リリーより好感が持てる人物だ。」
ヴァネッサ「はぁ?」
マイヒル「夢と恋人をー秤にかけりゃー♪
恋人を取るのがー♪
って所が
夢の為に恋人を切り捨てるリリーよりも人間味がある。
高い理想を持つ事はたしかに素晴らしい。
しかしそれを他人に強制するのは
ただのエゴイズムに他ならない。リリーは自分の理想の為に自分の恋人に犠牲を強いたと言えなくは無いか?
それよりも愛する家族や恋人を守って、ささやかな幸せを育てて行く方が、はるかに人間らしく素晴らしいと思うのだがどうか?」
ヴァネッサ「ゲマイナーさんの夢は貴族になる事じゃなくて
ヘートヴィッヒさんと一緒になる事です!!
それにそんな先輩だって自分の論理を強制しようとしているじゃないですか!!」
マイヒル「力だ!!力が唯一の正義となるのだぁぁ!!」
ヴァネッサ「・・・リリーさんの悪口をいうとイングリド先生に怒られますよ。」
マイヒル「ぎゃあああああ、イングリド怖いよう。」

<おまけ>
錬金結社マイヒル商会の商品
−<錬金玩具竹鉄砲>−
竹(筒状アイテム)×1
研磨剤×1
中和剤(緑)×1

−<うに弾>−
うに(弾頭アイテム)×1
クラフト(炸薬アイテム)×1
中和剤(緑)×1
マイヒル先輩が開発した学習用玩具。
これで遊びながら銃の仕組みを勉強する事が出来る。
在る意味うにクラフトと言えない事も在りませんが、
炸薬の力を一点に集中するので子供の玩具にしては危険。
ラフ調合ヒントアイテム。
ちなみに私はこの冒険中に起こった事故でケガをした先輩が
帰り道、私の護衛が出来なくなったので違約金代わりに貰いました。
その時は私が先輩の護衛をしたんですよ。(ヴァネッサ)

ロザリーが使ったアイテム
−<簡易魔法生命体の元>−
祝福のワイン×1
ぷにぷに玉×1
産業廃棄物B×1
魂が無いものに振りかける事によって
忠実なしもべを作り出すアイテム。
・・・もしも人を仮死状態にできるアイテムや
ものすごく高い効力の猛毒があれば、
組み合わせることによって
人を思いどうりに出来るアイテムが作れるかもしれない。
・・・それを人と呼ぶには抵抗があるが。(マイヒル)


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