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クライス空白の時間 Vol.1

作:マサシリョウさん


プレ・プロローグ : 妄想対談 クライスVSマサシリョウ(その1)

注:この「プレ・プロローグ」は、「アカデミーの怪事件:中編」が掲載された直後に書かれたものです。

マサシリョウ
(以下マサシ)
「クライスさん、はじめまして。マイスター(修士課程)どころか進学さえ危ういマサシリョウです。」
クライス 「私は忙しいのですが。私のように優秀な頭脳の持ち主は、あなたのような進学さえ危うい人の為に時間を多くさくことは出来ないのです。用件は手短にお願いします。」
マサシ「(初対面の人にいきなりこれかいっ!!)はい、アカデミーの盗難事件を解決したと小耳に挟んだので、お話をお伺いに来ました。」
クライス「ふっ、そんなくだらない事で私を尋ねたのですか?アポイントもなしに。」
マサシ「あの・・・駄目ですか?ならばまた日を改めて・・・」
クライス「いえいえ、その必要はありません。暇つぶ・・・・いえ、研究の小休止にあなたに付き合ってあげましょう。」
マサシ「(あんた今暇つぶしって言おうとしただろ)あっ、ありがとうございます。」

(中略)

クライス「・・・で、そこで私は、”犯人の見当はつきました”と言ったんです。」
マサシ「もう分かったんですか!!」
クライス「ヒントはかなり出てましたよ。」
マサシ「ヒント?ヒントになりそうなものは・・・
1.ルーウェンさんの発言:“犯人は金銭目的じゃない。”
2.犯人は内部犯らしい?
3.盗まれたのは『魔法の草』『ズユース草』『へーベル湖の水』『フェスト』『カノーネ岩』
4.アウラさんは売店に鍵をかけ、さらにその鍵をアカデミー職員に預けた。
5.犯人はクライストラップに引っかからなかった。
6.クライスさんの発言:“犯人の見当はつきました。”
ぐらいしか思い浮かばないんですが・・・」
クライス「まだ足りない気もしますが・・・あなたの頭では、まぁこんなものでしょう。」
マサシ「(ぬう)じゃあ僕にも推理させてください。まずは・・・」
クライス「動機から考えた方がいいんじゃないですか?」
マサシ「3.からですね。これらのアイテムから出来るアイテムは・・・(イングリド調に)
無いがなぁー!!まさかすごいオリジナルレシピ!!!?」
クライス「そんな話は1行たりともでてません。だいたいオリジナル調合できる人がそんな初等錬金術材料を盗む必要はないでしょう? 動機が無いです。」
マサシ「冗談ですよ(ナイスつっこみありがとう!!)」
クライス「まじめにやる気が無いのでしたら・・・・・・」
マサシ「は、はい・・・(しゃれが分からんひとやなぁ) やっぱり作れるのは『中和剤(緑)』とか『蒸留水』とか『研磨剤』・・・まあそんなものしか無いですね。
『錬金術の壷』や参考書が盗まれてない・・・。
盗めなかった?棚の上のほうにあったから。つまり犯人は子供!!!」
クライス「そんな話は1(以下略)」
マサシ「す、すいません。えーと、採集で採れるアイテムを盗んで高価な物には目もくれない。採集で採れるアイテムを盗んだのは・・・近くで採れると言う事を知らなかった。つまり犯人は独力で錬金術を勉強している人物。それなら高価なアイテムに目をつけなかった事を説明できる。そのアイテムの価値が分からなかったんだ!」
クライス「(・・・おもしろいから続けましょう)で?」
マサシ「つまり犯人は奇人カテゴリオ!!!」
クライス「違います。誰ですかその人は? 時空を無視した発言は止めて下さい。」
クライス「そう言えば、
6.私の発言“犯人の見当はつきました。”
とは?」
マサシ「ああ、それは、
犯人は今までに出てきた人物の中にいる、もしくは
クライスさんの知っている人物(イングリド先生など)
と言う意味です。」
クライス「つまり先ほどの発言はわざと・・・」
マサシ「わっ、すいません、いやほんとにっ、もうしませんから!!」
クライス「・・・次はありませんよ。」
マサシ「えーと登場人物(敬称略)は・・・
マリー、ルーウェン、クライス、(主役)
ディオ、フレア、(チョイ役)
アウラ、(最有力容疑者)
・・もとい(クライアントみたいな役)
子猫、(猫)
ピッコロ(妖精)
アカデミー職員(台詞なし)
碧眼の少女(たぶんアイゼ・・ゲフンッゲフン・・・ワイマール家の御令嬢)
こんなもんですか。」
クライス「調べたんですか?ワイマール家の御令嬢の事。」
マサシ「いいえ。」
クライス「また適当なことを・・・いいですか?そんな話は・・」
マサシ「違うんやったら誰や言うねん!!!」
クライス「・・・まぁいいでしょう。真実はあとで分かります。」
マサシ「いえ、こちらこそ失礼致しました・・・
えーと、登場人物は置いといて、5.のクライストラップの件を検証させていただきます。
クライス氏が思いついたトラップ。しかし犯人はトラップに引っかからなかった。
なぜか。
1.犯人にはトラップが見えていた。
2.犯人はあんなトラップにはひっかからない人物。
3.犯行は夜中ではなく9時前に行われた。
このどれかだと思うんですが。」
クライス「・・・“あんなトラップ”とは聞き捨てなりませんね」
マサシ「いえ、そう言う意味ではなくて、犯人は背の低い人物と言う意味です。
該当者は、子猫、ピッコロ。ワイマール嬢(仮)は・・・身長のデータが無いので却下。
・・・あっ、すっかり忘れてたけどアカデミーには猫の勝手口が出来たそうですね」
クライス「施錠されたアカデミー構内に侵入するにはそこしかないと言うわけですか。しかし・・・」
マサシ「猫に売店の鍵は開けられない、そしてピッコロには動機はあるが盗みをする必要が無い。採集すればいいからだ。」
クライス「・・・あんなに調合失敗をつづけては材料がいくらあっても足りませんからねェ」
マサシ「この話は置いといて、“犯人はトラップが見えていた”を検証したいと思います。
が・・・
このトラップって意味あったんですか。
『国宝虫の糸』ってめちゃくちゃ光を反射しそうなんですが。
ランプとか明かりがあれば一発で・・・」
クライス「話を聞いてなかったのですか?“細い糸”と言ったでしょう?
だいたいあなたみたいな人がマイスターランク首席のこの私に意見しようなどと(略)」

・・・クライスの嫌味が続く中

マサシ「(すぐ学歴を鼻に掛けやがって・・・この鼻持ちならない鼻メガネがっ
俺はこういう学歴を鼻にかける奴は大嫌いなんだよ!!
いつか博士課程にいって貴様を見返してやる!!)←矛盾してる。
クライス「・・・まったく・・・あなたのメガネは伊達メガネですか?」
マサシ「えっ?(心読めるの?)」
クライス「・・・途中から人の話聞いてませんでしたね。」
マサシ「えーと、ああそうだ。つまり、あらかじめ仕掛けを知らないと見つける事は困難だと。
つまり内部犯だということですね。」
クライス「いえ、この罠を知っているのは限られた人・・・
あなた・・・何をいいたいんですか?
まさか・・・」
マサシ「いいえ、その可能性はありません。だって罠を知っているのはあの時点では3人だけですから。
主役が犯人ってことは無いです。たぶん。」
クライス「・・・では最後の可能性ですが、検証するまでもありませんんね。あの時点で犯行が行われてた場合、姉さんが気が付くはずですから。」
マサシ「・・・・彼女が事件と関係が無かった場合はね。」
クライス「・・はぁ?」
マサシ「もちろん彼女にはアイテムを盗む動機がない。
だが犯人をかばっているとしたら?
今までの人物の中で動機がはっきりしているのが、一人だけいる。
ワイマール嬢だ。
仮に彼女の身長が成人の腰の高さに満たないとしましょう。しかし、猫の勝手口以外に侵入路はない。
仮に勝手口が通れたとして(勝手口のデータなし)、職員の鍵という壁がある。
どこにあるのか彼女に分かるわけがない・・・
いや彼女はアカデミーの下見をしていたな・・・
だが鍵は厳重に管理されてたはずだ。盗めない。
それに昼間でも保護者がいる身で夜間に外出が出来るはずが・・・ない。彼女には昼間しか犯行に及ぶ時が無い。」
クライス「何を馬鹿なことを・・だいたい私の姉には彼女をかばう動機が・・・」
マサシ「ワイマール家に泥棒が入った事は知っていますね?」
クライス「ええ、話の中ほどで言いましたね。」
マサシ「その時に、盗まれたのは“精霊の涙”なんです。
彼女はその時、自分のお婆さんに“錬金術師になって精霊の涙を作る”と約束したそうです。
だがお婆さんはあと何年生きられるか・・・
“精霊の涙”を作るには錬金術師としてかなりのレベルがいる。
彼女にはアカデミー入学を待つ時間は無かった・・・」
クライス「そんな彼女の境遇に、私の姉は同情したと・・・フフフ」
マサシ「あ・・やっぱ何か問題あります?」
クライス1.姉さんは彼女の事を知っているという話は言っていない
2.彼女は令嬢だ。盗みを働く動機は無い
3.“犯人の見当はつきました”あの時点で私のワイマール嬢の知ってる属性0もしくは1(『夜明けのアイゼル』参照)
4.極めつけ、碧眼の少女がワイマール嬢とは限らない。」
マサシ「だめかーー名探偵にはなれなかったー(TT)」
クライス「それに一つ忘れてます。私は最後にカウンターの床を見て、犯人の見当がついたのです。」
マサシ「いったい何を見つけたんですか!!?
そして犯人は!!!??」
クライス「それは・・・」
マサシ「ちょっ、ちょっとまってください!!!」
クライス「・・・まだ探偵ゴッコがしたいんですか?(うんざり)」
マサシ真犯人は誰かッ!!!?
そしてそのトリックはッ!!!!?
『名探偵クライス(後編)』
2000年9月末UP予定!!!!
活目して待て!!!
クライス「誰に宣伝してるんですか?○にさんに渡すのですよ、この対談の内容は。」
マサシ「(この人は○にさん家のクライスじゃないから真相は・・)ゲフッ」

・・・クライスは解答を語り始める・・・

クライス「やはり、あなたでは無理でしたね。犯人は・・・」
マサシ「チョット待ってください!
犯人わかりました!!犯人はピッコロですね!!
クライス「遅いですが正解です。では理由は?」
マサシ「重要な手がかりを見逃したわ・・・
1. クライスさんの発言、“マルローネさん、月の粉か星の砂を作ってください”
2.今回盗まれていたのは『魔法の草』。ちなみにピッコロが『中和剤(緑)』の調合に失敗していたことは、見逃してませんでしたが・・・
クライス「彼の調合の失敗を知っていて、なぜ彼を容疑者からはずしたのですか?」
マサシ「彼が持っている能力のせいだ・・・
カスターニェへも一日で移動する能力・・・
そんな能力があれば泥棒をする必要は無い。
だが忘れていた・・・
移動は速くとも採集に時間がかかると言う事を・・・
それを思い出した時、犯人がわかったんですよ。」
クライス「なるほど・・あなたにしては上出来です。1.を見つけたと言う事は、床に何があったかはもうお分かりですね。」
マサシ「足跡を見つけるための道具ですね?
しかしちょっと自信がないんです。
それに“施錠されている売店への侵入方法”が分からない。
アカデミーへの侵入方法は前回言ったとおりであってるとおもいますが・・・。」
クライス「まぁ、これ以上は無理みたいですね。せっかくですから順を追って整理しつつ、事件の顛末を話しましょう」


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