家庭の窓
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明けましておめでとうございます
皆様にとって 新しい年が素晴らしいものでありますように お祈りします。
のんびりとした元日が終わろうとする時刻,テレビが緊急地震速報を伝えてきました。能登半島で震度7の地震が発生し津波警報が発せられて,テレビを見ないで直ぐに高所に避難をと女性が叫んでいました。遠く離れているので時間には余裕があるため,テレビを見続けていました。しばらくは地震を示す映像ではなくて,津波が届く地図ばかりを見ていました。地震で揺れる建物で不安の思いをしているであろう方々の無事を祈るばかりで,状況がはっきりしないもどかしさを感じていました。
次の日もテレビでは能登半島地震の情報が流れていましたが,羽田空港での日本航空機の衝突事故と炎上が追いかけてきました。乗客と乗員は全員無事ということでよかったと思いましたが,衝突相手の海上保安庁の飛行機の方でなくなった人がいたとのことで,ご冥福を祈るばかりでした。後で知らされたのですが,保安庁の飛行機は能登半島の地震被害の支援に出かけようとしていたとのことです。地震がもたらした事故であったのです。
4日は御用始めです。年始めの挨拶をしなければなりません。冒頭で賀詞を述べた後,遠い地ではありながらの災害と事故に触れることになりました。地震の放送を見聞きしながら,もしこの地で起こった地震だったら自分たちは何をしているか,何をしなければならないかを,皆の顔を一人一人思い浮かべながら考えていたことを伝えました。そうだからどうなのということですが,地域に寄り添う役割を担っている機関として,他人事ではなく,先ずは自分事として受け止めることから,関わってほしいと思ったからです。
台風の襲来は来るよ来るよという予告の時間があるので,準備をして対応に備えることができます。ところが,地震はいきなり不確かな形で襲いかかってきます。何をどのように対応するか,行き当たりばったりになります。おそらくは直後はパニック状況になるはずですが,直ぐにどうにかしなければと動き始めようとするはずです。始めに手を付けることは何か,それは状況の把握です。自分が置かれている状況が分からなければ,頭の動きようがありません。地震の報道を耳にしながら,具体的な状況が知らされないもどかしさを感じたのは,そういうことだったのです。直後には,報道の目や耳が現場に届いていなかったためなのです。
このささやかな体験をすることが予習になります。日が経つにつれて,地震の状況が被害の拡大していく様子として明らかになってきました。現状を知ることによって,いろいろな対応が実行されていきます。その進行を見聞きすれば経験知として学習することができます。学びは予習があってこそ始まるのです。人が前に向かって行動するためには、地図上の現在地という確認が必須です。人が考察を進める場合も,状況という情報の中で自分の現状を認識することが大切です。
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