家庭の窓
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この10月から赤い羽根共同募金が始まりました。福祉活動の資金を援助していただくための恒例の事業です。福祉活動では地域福祉という目標を持って事業を進めています。地域という言葉を「ちかくの いのちを きにかけて」と読み解いて,身近な人の事情を「我が事」と「丸ごと」受け止めていく助け合い行動を啓発しています。
その互助・共助の一環として募金という支援の仕方があります。地域の皆様の温かい心遣いを受け止め生かしていくためには,募金活動をする人がいなければなりません。募金という入口が確かに開くことで,地域福祉という出口の活動が実現されます。我が町をよくする活動を,我が地域をよくする活動につなぐ大勢が必要になります。
互助の思いを募金に込めてドウゾと提供して頂き,それをアリガトウと受け取り預かる人が募金の組織に納めます。その渡し受け取るという時間と手間を加えた行為の連鎖によって募金は集約されていきます。さらに組織から,募金会から配分としてドウゾと地域への助成が行われ,受け取られた方のアリガトウによって,長いつながりの気配りが完成します。
互助は助け合いですが,その行動が実行されるためには,それなりの合図が必要になります。公助のように助けの窓口が存在すると,相談という形で動き出すことができます。ところが,互助のような形のない助け合いは問題があります。何かの不具合が起こったとき,地域の人は思っています。「言ってくれたら助けてあげたのに」。助ける人は普通の人で任務とは思っていないので,勝手に助けるわけにはいきません。一方で,助けを必要にする人も,普通の人に助けてとは言いがたいはずです。互助はその始まりにハードルがあります。そこで,そばにいる人が代わりに助けようと言ってあげることが必要です。募金という寄付を募る人がいなければ,互助は実現できないのです。強制のように感じている人もいるようですが,助けての声を届けているのが募金なのです。
寄付をする人は,誰かの役に立つならと思っています。そこで募金を受け取る人が代わりに受け取りますが,その後きちんと必要な人まで届けますという信頼を得なければなりません。見ず知らずの人が募金を受け取る場合は不信感を返してしまいます。それなりの身元の保証が大事になります。共同募金会は各地域の信頼できる組織体制によって構築されていることを,明確に示して活動を進めています。だからこそ,募金を受け取り集めている人は,募金をする方の近くに居る子ども,高齢者や障害者,その他の人とつながっていることを認識して伝えることが大事になります。そうすれば,誰かの役に立つという曖昧な状況ではなく,身近な人の役に立つという確信を持って頂けるはずです。
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