家庭の窓
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ガラス戸の前に咲く花街道が今年も咲いてくれました。そばにある田んぼが田植えに向けて鋤かれると,二番穂の籾がまき散らされたのでしょうか,雀の群れがやってきて啄んでいます。田んぼと花街道の枝を行き来しています。この季節の風景です。
日曜日定例の掃除の一環として,たまった新聞の廃棄準備があります。新聞とチラシを一つに,カタログなど文書類はもう一つに,振り分けていきます。その際に,小冊子が出てきました。何だろうと表紙を見ると,「○○○○○のことば〜入賞作品集 ○○市」とあります。全くご縁の無い都市なので,どういう経路で紛れ込んだのか不思議に思い,廃棄するにしてもちょっと手がかり探しでページを開いてみました。
分野別になっており,はじめに最優秀賞のことばが1編,続いて優秀賞のことばが2編,ページに一つずつ掲載されていました。2編目の優秀賞の作品は
「お母さんがゆっくりしている姿を見たことがない。
みんなでお母さんの時間を使っていたんだね。」
とありました。その作者名を見て驚きました。見慣れた自分の名前だったのです。
小冊子の発行年は平成十四年二月と記されていたので,20年以上前のものです。挟まれていた文書によると,数年分をまとめて冊子にして,入賞者に配布されたもののようです。表紙裏の隅に受け取った日付のスタンプが押されていましたが,すっかり忘れていました。
作品を読み返しながら,目の付け所が今とも大して変わっていないことに,成長していないことを思い知らされました。ただ,衰えていないことをよしとすべきかもしれません。
名指しでいただいた小冊子であると分かった以上,簡単に廃棄するというわけにいきません。本棚の隅に,記憶を新たにして,納めておくことにしました。廃棄作業をさっさと済ませなくて,ちょっと手間をかけて良かったです。
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