《楽しみは 支合わせつかむ 知恵を知り》

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 It is more blessed to give than to receive. 聖書由来の言葉で,「受けるより与える方が幸いである」と訳されます。個人としては,持ち物が増えることになる受けるの方が,減ることになる与えるよりもうれしいことです。なのに,与える方を神様は祝福し推奨しているというのです。支え合うことを「支合わせ」とした方が,社会の選択として必須であるということです。
 社会的な理念を表現している言葉に依ると,例えば,呼吸は息を吐いて吸う,出入・出納は出して入れるなど,減ることが先になっています。暮らしの中でも,ギブアンドテイクと言われて,ギブが先になっています。江戸時代の鼠小僧が大名屋敷からお金をテイクして貧民に分け与えるギブして,義賊と言われたそうですが,それでもテイクアンドギブの逆順なので,窃盗という不正になります。
 少し状況を移して人間関係をみると,それぞれが損得を背景に意見が食い違って膠着することがあります。そのときの解決には,お互いに少し折れて折り合うという策がとられます。ギブを持ち出すことで,そこそこのテイクを実現できます。0か1にこだわらないで0.5で妥協する,それが現実的な対応になります。取ることだけにこだわれば膠着するしかありませんが,まず与えることを持ち込めば,そこそこの取り分が手に入り,WInWinになることができます。損して得取れということです。
 アンパンマンは逆転しない正義を求めて誕生したということです。正義をするには負担という与えることがあるという状況を示すために,顔を食べられるというアンパンマンが正義となりました。完全無欠という状況は実現不能であり,そこにこだわることにより行き着く危険性を想起しなければなりません。
 似た状況を表す言葉に,何事もほどほどに,中庸のすすめがあります。それは結果としての目標を表しているだけです。その実現に向けては,本能としての損得勘定に対して,社会性としてのギブアンドテイクの実践を優先する知恵を,受け継ぎ広めて来たのです。

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(2025年10月19日:No.1334)