《しあわせは ことの限界 見極めて》

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 昨年たばこの料金が上がったことを契機に,禁煙に挑戦した人がいたようです。喫煙している人の3人に1人ということです。ところが,禁煙に成功した人は4割弱に止まったそうです。記事を読んでいて,4割弱にとどまったという判定に,少しばかり不服がありました。かねてより,ほとんどの挑戦が成功する割合は3割程度と考えるべきと思っているからです。その基準に従えば,4割の成功はとどまったという期待はずれではなく,期待以上の成功であるとみなされていいはずです。
 禁煙に挑戦した理由として複数回答で「たばこの価格が上がったから」が75%選ばれていることを勘案すれば,この10月の値上がりによる価格が禁煙という扉を開ける閾値であったと判断できます。これ以上値上がりすれば,雪崩的な禁煙が起こることが予想できます。
 3割の壁について,少し補足をしておきましょう。ライオンが獲物を捕獲する割合は,2割5分程度といわれます。野球の打者の打率もほぼ3割が上限です。発電した電気が有効に使用される割合も3割程度です。3人に1人,3割強の人が選んだら流行といわれます。過半数の出席で成立する会議で過半数の賛成による議決は,現実的には全体の3割程度とみなされるでしょう。(例えば,7割出席の過半数は36%です)。
 物事は徐々に進むものというのが常識ですが,現象には,ある値を境目に劇的に進行するものもあります。我慢の限界を越えると,爆発するようなものもあるのです。3割だから,4割だから,次は5割,6割,7割と少しずつ進むとは限りません。物事が3割で収まっているうちは平常ですが,その割合を超えると異常事態となり暴走になると考えるべきでしょう。確率的な事象を判定する場合には,安定点が3割付近にあると想定することを勧めます。
 昨年の10月,たばこの値段が上がるというので,皆がしている買いだめというのをしてみました。そこで,ふっと,買いだめ分がなくなったら,補充するのは止めてみようかと思い立ちました。それ以来,たばこは吸っていません。何となくたばこを止めてしまいました。特段に禁煙するぞと決心をしたつもりはなかったのですが,気がつけば喫煙をしなくなって,禁煙に成功した4割の側に入っているようです。

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(2011年10月09日号:No.602)