《本当の 知りたいことに 向き合わず》

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 住んでいる地域は,この自治体の中で最も選挙の投票率が低い地域です。年齢構成の若さを誇っている自治体のなかで,特に若い人の流入する地域であることから,選挙に対する関心が薄いようです。選挙とは地盤がものをいうのでしょうが,その地盤へのつながりが薄くてはどうしようもないと,選挙推進活動も滞りがちです。
 ところで,選挙に行かないという方の言葉が,報道などを通じて耳に伝わってきます。その言に対して,虫の居所が悪いと,訳の分からない小言を言いたくなります。
 曰く「投票しても変わらないから」。
 自分の1票で世の中が変わるほどの強大な1票をお持ちになりたいのですか? 1票で目に見えるほどの変化が起こっては,過敏すぎて世の中は不安定この上なくなります。ほどほどの影響が出てくる1票でいいのです。自分の世の中という神にもなったかのような大言壮語を語られる幼さには呆れます。世の中の一人の自分という謙虚さが,大人の感覚でしょう。
 曰く「投票する政党がない」。
 政党の中味をどれほど吟味された上での言葉であるかはかりかねますが,既存政党の中でできるだけ自分の考えと一致する部分が多い政党を,とりあえず選択することが選挙でしょう。もしそれ程自分の考えに固執したいのであれば,自ら政党を興すべきです。その気もなくて,人任せにするのであれば,妥協は必要でしょう。ディジタル選択ではなくてアナログ選択を採用することを大人は誰も教えてこなかったのでしょう。
 曰く「争点がない」。
 争点がないといいながら,実のところ,争点を見つけるほどの考察をしていないことを吹聴しているようです。政党同士の争点を第三者として眺めるのではなく,政党それぞれの主張と選挙民である自らの考えとの争点を見極めることが,投票者としての論争であるはずです。
 戯言に対して戯言を述べても,有意義な運びになるはずもありません。ただの年寄りの愚痴として,見捨てられるのが落ちです。ただ,少なくとも,選挙に行かない理由を表明するとか,報道するということは,無しにしてほしいものです。世の中に不必要なバグ情報でしかありません。この辺で,消えた方がいいようです。

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(2015年01月11日号:No.772)