《喜びは 3分間に 心込め》

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 9月は敬老の祝いがあります。土曜日・日曜日の会場となっている施設との関係で,来賓としてお招きを受けます。祝賀会ですので研修などと違って気持ちは楽なのですが,挨拶の依頼は気をつかいます。式典前に,祝辞は3分以内でという要請が耳打ちされます。
 敬老祝賀会に限らず,主催者や来賓のお言葉は,進行の任に当たるものにとっては悩みの種です。ご来賓の方々はあれやこれやを話されますが,まとまりがつかずに長くなるからです。一つのセッセージであれば,少し説明がされても長くはならずに,聞く方も長い話とは感じないはずです。話を聞いている方々が何の話を聞いたのか,印象に残すことができないとき,聞く徒労が残って時間が長く感じられます。
 そつなく会場にいる主賓,参加者,スタッフ,来賓などに敬意を表し,国内情勢との関係といった壮大なスケールから話が始まってくると,聞いている方は自分のところまで何時辿り着くのやらと気が滅入ります。挨拶は短い方が良いといわれるのは,挨拶から大切な情報を得ようというものではなく,一応の敬意が表されれば良いといった挨拶観があるからです。まとまった内容は期待されていません。無くても良いとまではいいませんが,儀礼として受け止められています。
 とはいえ,来賓の挨拶を依頼される方としては,通り一遍の話で済ませてしまうのではなく,折角の時間を内容のあるものにしたいという欲が湧いてきます。3分の壁はしっかりと守りながら。敬意を表する部分は前後に最小限に押し込めて,真ん中の2分間に,会場にいる方へのメッセージを置くようにしています。来賓としてお呼びいただいているのは,それなりの関わりがあるということです。その関わりを確認し共に前に進んでいく願いを具体的な形としてお伝えすることが来賓挨拶の意味だと思慮しています。
 テレビ番組に「慰留捜査」というドラマがあり,その中で「3分間だけお時間をください」という決まり台詞があります。大事なメッセージを3分間で伝えるという設定です。ドラマではとても3分間に収まってはいませんが,来賓挨拶は3分厳守です。伝えようとすれば,きっちりと3分の分量に限られても,伝えられると努力し,その機会を心から喜んでいます。話す方がよろこばないと,聞かされる方はよろこぶことができないのでは思っています。

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(2018年09月16号:No.964)