*** 子育て羅針盤 ***

〜 《Ver.94 from No.1213》 〜

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「子育て羅針盤」:第1213号
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[2024/01/01]
【子 育 て 羅 針 盤】
(第1213号)
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★子育ち12態様★
【第1態様:子育ちは,もう一人の子どもの誕生から始まる】
《V94:WHO-01》
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《子育ちは 育てる自分 育つ我》

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《まえがき(毎号掲載)》
 子育て羅針盤では,こどもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
 この第94版では,こどもが育っている態様を説明しようとするとどうなるかを考えます。こどもには健全に育っていってほしいと願いますし,幸せに生きていくことができるように育ってほしいものです。何となく育っているように見えても,生きる喜びを掴まえられる脳力を身につけて欲しいのです。健全な育ちを実現する羅針盤として具体的な育ちの全方位を見届けることができるように確認していただけたらと思います。

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《誰が育つのか?》
 物事を理解するために有効な方法は,適切な問を設けることです。自信という言葉が自分を信じることであるとして,「自分を信じるのは誰か」という問が想定できます。「自分が自分を信じる」という答えになります。信じる自分を,「もう一人の自分」と呼ぶことにします。このもう一人の自分というイメージが,他のケースでも有効であるかを確認できれば,人間理解のキーワードとして使えることになります。
 我を忘れることがあります。我に返るということもあります。我を忘れるのは誰か? 我に返るのは誰か? もう一人の自分が自分を忘れ,自分を取り戻すのです。自暴自棄ということも,自分を捨てるのは,もう一人の自分であると言うことができます。自殺というのも,自分を殺すのは,もう一人の自分です。もう一人の自分は確かに存在していると考えてよいようです。そこで,次の問を想定することになります。子どもの育ちを考えるとき,もう一人の子どもはどこに現れてくるのでしょうか?

 父親の出番ということが求められます。母親を補完するという意味ではありません。生まれたばかりの子どもにとって,母親は一心同体です。ところがやがて,自分の一部と思っている母親が離れていくことに気がつきます。母親が自分とは違う人と関わることが気になります。自分から母親を引き離すライバル,父親が子どもの前に現れます。母親に対する自分と父親の関係が意識されるようになります。母離れによって,自分を客観視するもう一人の子どもが誕生します。物心がつくといわれてきたことです。
 父親が夫としての魅力を発揮することが出番ですが,そのためには,父親の保証書を妻が発行しなければなりません。もう一人の子どもが,父親と自分を比べ,密着している母子以外の人間を意識させられ,自分意識が誕生します。これが育ちの始まりであり,母子間の第二の臍の緒を断つ「第二の出産」が起こります。
 子どもたちの読書量が話題になるのはなぜでしょう? 読解力や言葉の豊かさという国語力を判定しているのですが,背景に大事なことがあります。読書をするとき,もう一人の子どもが主人公に同化して,疑似体験をしているということです。本を持って読んでいる自分ではなく,もう一人の自分が物語の世界に入り込んでいます。もう一人の子どもが眠りを覚ますことができるのです。日記を書くという行為も,自分を振り返っているのはもう一人の自分なのです。もう一人の自分が目覚めることで,育ちができるのです。

 教育といえば授業を思い浮かべるかもしれません。少し違います。1時間の授業に対して,2時間の予習と1時間の復習が重なって1セットです。授業の前にもう一人の自分が自分の力を見計らい教わる課題を見つけておく準備がなければ,授業は効果を発揮できません。さらに,復習で定着化を図るのです。教えることは,大人が子どもに詰め込むことではなく,もう一人の子どもが子ども自身に教えることであり,任せるつもりで待つことが大事です。立場を代えて,学ぶとはもう一人の自分が自分を鍛えることなのです。
 「宿題は済んだの?」,「しようと思っていたのに,言われるとしたくなくなる」。子どもも,自分のことはもう一人の自分が決めたいのです。ところが,もう一人の子どもを育てていないと,「何となく」,「皆がするから」といった形で,もう一人の子どもが決めることができません。大人が決めて指図しているからです。操り人形になっていると,もう一人の子どもはいつまでも出番を迎えられません。もう一人の子どもが決めなければならない状況を作ってやってください。育つことを決めるのはもう一人の子どもなのです。

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☆次号予告☆
【子育ち第2態様:子育ちは,他者との関係を通して導かれていく】
どうぞお楽しみに!

《誰と育つのか?》
 もう一人の子どもが誕生すると,人見知りをするようになります。もう一人の自分が,他者と違う自分を意識することができるからです。共同生活の場にいる家族の一員という自覚は,自分を身近な者と結び付けるもう一人の自分が育つからです。自分の幼い頃のことを何歳から思い出すことができますか? 自分を見ているはずのもう一人の自分が生まれたときからです。自分と他人の区別が付けられるのは,共同生活を営む人間関係を通した経験によります。

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★落書き★

 冬になると寒さ対策でセーターを使用します。セーターは11世紀のイギリスで漁師の作業着として使われていたものが起源だそうですが,セーターとは呼ばれていませんでした。1891年,アメリカのフットボール選手が減量トレーニングを行う際,汗をかきやすくするために上着に着用したのがセーターの始まりと言われています。セーターは汗をかくことを意味するスウェターsweaterからきています。今でいうスウェットの意味合いが強く,日本でも20世紀初頭にかけてセーターの名が認知され始めました。

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●タイトル:『子育て羅針盤』 [Kosodaterasinban]
●発行期日:毎週月曜日正午(2000年09月25日より)
●発行責任:モリのクマさん(HP「徒然窓」〜プロフィール参照)
  「徒然窓」= http://www5a.biglobe.ne.jp/~mbear 
  「連絡先」= mori-bear※mvd.biglobe.ne.jp (※を@に変更)
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