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[2025/07/14] 
【子 育 て 羅 針 盤】 
(第1293号) 
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★子育ち12賢愚 
【第2賢愚:慢:他者を侮ること】 
《V100:WHO-02》 
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《子育ちは 自慢怠慢 回避して》 
 
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《まえがき(毎号掲載)》 
 子育て羅針盤では,こどもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。 
 この第100版でも,これまでの流れに沿って,子ども自身や親が育ちの確認をしていくときに,状況を特徴付けるキーワードとなる語を選んで育ちを展望していきます。ただ構成上に変化を繰り入れます。奇数号では賢い育ち,偶数号では愚かな育ちという配置をします。育ちが望ましくない向きにずれていかないためには,避けるべきことにも目配りをしておくべきです。予め推奨すべきことと同時に注意すべきことを知っておくと,安心することができるはずです。 
 
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《慢について考える?》 
 慢といえば,自慢という語を思い浮かべられることでしょう。自分をもう一人の自分がおごり高めることです。それが実情に一致しているなら自尊という状態になりますが,思い違いであれば,人との関係の中で自分を見失うことになります。自分は○○ができるという自分らしさの主張は,米国では当たり前でしょうが,日本では自慢ということであまり歓迎されません。これ見よがしな物言いは○○できない友への気配りに反するからです。慢心はもう一人の自分が自分を過大評価することであり,時として他者を過小評価もしてしまいます。 
 
 怠慢な人は嫌われます。皆が共同して生活をしている社会では,怠ける人は迷惑です。PTAの会合で,事業を計画して皆でやろうと決めても,うまくいきません。皆ですることは私がすることではないからです。自分以外の皆がするだろうと怠惰の逃げ口上を持ち出すからです。交通違反をして警官に捕捉されたとき,皆もしている,という浅はかな言い逃れを持ち出す愚かな大人もいます。もう一人の自分が自分を甘やかすとき,他者の目には怠慢と見えます。他者の立場からの冷静な視線を身につけるようにしましょう。 
 
 慢心して,周りの友達をあなどると,良好な関係を築くことはできません。対人関係に止まらず,もう一人の自分が自分をあなどるようになると,育ちを偽るようになります。子どもの成長の進み方には個人差があります。あなどっていた友が,数年後には,自分があなどられるようになります。まさにウサギとカメの競争の教訓が現実に起こります。子どもはほめて育てる方がよいのですが,ほめすぎては逆効果になります。年齢が積み重なるにつれて,ほめることから認めることに移行していくとよいでしょう。 
 
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☆次号予告☆        
【子育ち第3賢愚:忍:不遇を認めること】 
どうぞお楽しみに! 
 
 「10歳にして菓子に動かされ,20歳にしては恋人に,30歳にしては野心に,50歳にしては貪欲に動かされる。いつになったら人間はただ英知のみを追って進むようになるのであろう」。ルソーの言葉です。母親が丹精込めて育て上げた男の子は,成人すると見ず知らずのよその若い娘を追って行ってしまう,と言う人もいました。母親は嫁の存在が嫌になるものだそうです。子どもはやがて巣立っていきます。今のうちにしてやれることをいっぱいに・・・。忙しさにかまけて手抜きをしたら,後悔します。親OBの反省です。 
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★落書き★ 
 
 黄熱病研究で有名な細菌学者の野口英世は,元々は野口清作といっていました。北里柴三郎の伝染病研究所に入ってまもなくの頃,坪内逍遙の著作「当世書生気質」を手にして,その本の主人公が「野々口精作」であることを知り驚きました。名前がそっくりなばかりか,地方出身者で医学部に進学し自堕落な生活を送るという面でも共通しており,自分がモデルだと勘違いされると心配をしました。そこで,よその村の「清作」さんに頼み,野口と同じ村の別の「野口」という人の籍に入ってもらい,強引に「野口清作」を作り,役場に行き「同じ村にもう一人野口清作がいるから」と,自分は「英世」に改名しました。 
 
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●タイトル:『子育て羅針盤』 [Kosodaterasinban] 
●発行期日:毎週月曜日正午(2000年09月25日より) 
●発行責任:モリのクマさん(HP「徒然窓」〜プロフィール参照) 
  「徒然窓」= http://www5a.biglobe.ne.jp/~mbear  
  「連絡先」=  mori-bear※mvd.biglobe.ne.jp (※を@に変更) 
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