*** 子育て羅針盤 ***

〜 《Ver.11 from No.131》 〜

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「子育て羅針盤」:第140号
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[2003/06/09]
【子 育 て 羅 針 盤】
(第140号)
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 疲れた人は,暫し路傍の草に腰をおろして,道行く人を眺めるがよい。人は決してそう遠くへは行くまい。

・・・・・ツルゲーネフ

 疲れた親は,暫し路傍の草に腰を下ろして,育つ子どもを眺めるがよい。子どもは決してそう急には育たない。

・・・・・H.モリのクマさん

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★ママの?★
『友だちと遊べない?』
(第10号)
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 ひとり遊びが主になり,友だちと遊ぶ機会が少なくなっています。近所の子どもたちも,幼稚園組と保育園組に分かれたり,それぞれがまた違った園で区分けされていきます。お稽古ごとによるすれ違いもあります。子ども社会がズタズタに引き裂かれています。

 幼い子どもを公園に連れて行っても,ママのそばから離れずにじっと見ているだけの子どももいます。ママとしてはじれったくもあり気がかりにもなります。どういう風に働きかけたらいいのか,迷ってしまいます。子どもの背中を押していると,やがて公園に行くのを渋るようになります。家がいいということになります。

 いつでも誰とも仲良くなれるものではありません。ちょっとしたきっかけがあり,徐々に馴染んでいくのを待ってやってください。仲良く遊ばなくても,関心を持って眺めているはずです。見ていることで一緒に遊んでいるつもりになれます。野球のネクストバッターボックスで素振りをして練習しているのと同じです。

 子どもだけを遊ばせようとしないで,まずママが他のママたちと友だちになってください。何日か一緒に通うと何となく顔見知りになれます。飛んできたボールを拾ってあげるというチャンスも訪れるはずです。焦らないで自然の流れに任せた方がいいでしょう。急いで遊ばなくてはならないというものではないからです。

 友だち遊びでは自分の思い通りにはならないというマイナス面がありますが,楽しさはひとり遊びをはるかにしのぎます。大人との遊びでは得られないものです。楽しさを少しずつ味わえたらいいですね。友だち遊びの形も十人十色ですから,決めつけないで見守ってやってください。


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★親の役割12講★
『逃げないで ちょっと向き合う 意気地持つ』
《第11-10講》
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■つれづれ・・・

 神奈川県にある小学校で男子トイレの一部の大便器をリニューアルし,個室型にしたという報道がありました。恥ずかしがっていた生徒の利用が増えて,評判もよいようです。それまでは大便をすることがわかるので,出てきたときに臭いといってからかわれるのがいやという子どもが多かったそうです。

 学校で大便をしない子どもたちということが前々から言われていました。特に女性は気を遣い便秘気味になるという健康上の問題が表れてもいました。大変荒っぽい言い方をすれば,トイレに行くまでは体の中に抱えているのですから,その方が汚いはずです。

 うんちを汚いものと思いこんでいるのは致し方ないとしても,程があります。生きることに関わることを忌避していては,生きることが窮屈になります。誰だって腹の中に持っているものとしてそっと見過ごしておく余裕が必要です。ことさらに消臭というごまかしばかりしているから,臭いという侮蔑語ができてしまいます。

 ちょっとぐらい臭くたっていいではないですか。生身の人間としてつきあいをするなら,それを許し合わなければやっていけません。そんなことを理由に責めるようなつきあいは他人行儀以上に冷たい関係です。身だしなみという人の目を気にする気持ちがエスカレートすると,人を責める目に裏返ります。

 ちょっとしたことでも行き過ぎは怖いのです。低温火傷という現象があります。明らかに怖い危険な状態ではなくても,長く続くと人は痛むのです。清潔という状態も無理に続けることで,心をジワジワと痛めていきます。過敏症に罹患していることさえ分からないというのはこわいことです。生きている実態に背を向けて逃げるのは程々にしましょう。

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 【質問11-10:お子さんの逃げを抑えていますね?】

・・・・・「逃げを抑える」という意味を確かめておきましょう。

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 ○背を向ける?

 ちょっとひねくれた若者は,大人が「そんなことしちゃまずいよ」と語りかけると,「どうだっていいじゃないか!」と投げやりに応対します。「どうしてそんなことをしたの?」と理由を尋ねられた場合には,「意味なんかねえよ!」と開き直ります。終いには「関係ねえだろ,ほっといてくれ」と背を向けます。

 世間に背を向けるという言い方があります。いっぱしのアウトロー気取りは昔から若者の罹る気の病でした。世間の不条理に反抗するという青年らしい正義感があったので,大人も大目に見ていました。いまはかなり様変わりしています。情熱の向かいどころを見つけられずに,ただふてくされているように見えます。

 何のために勉強しなければならないのか? そんな問いはかつてはありませんでした。勉強するのは生きる上で大事なことであるという信仰があったからです。当然のこととして勉強していました。昔の子どもは無知であったと感じることでしょう。いまの子どもは賢くなりました。勉強するわけを知らなければなりません。

 子どもたちに挨拶しましょう。そんなかけ声が聞こえてくると,「そんなことをして,どんな意味があるの? 意味無いじゃん」とあっさり却下されます。生兵法は大けがの元なのです。自分が分からないことを棚に上げて,意味を切り捨てようとします。勉強や挨拶をするわけなど分かる必要はありません。何かいいことがあるかもしれない,それが実際の根拠です。

 大人になって,「子どもの時,もっと勉強しておけばよかった」と後悔することがあります。そのときになってちゃんとわけが分かりますが,すでに手遅れです。人の営みの意味は人生を振り返るときにしか分からないものです。だからこそ,年寄りが語る言葉を大事にして信じていけばいいのです。

 情報の渦の中で子どもたちが自分はもう何でも分かると思い上がり,意味がないとあっさり断じてしまう性急さは,結果的に逃げていることになります。これまで若い世代が親世代を越えてきたのは,親世代がたどり着いた後悔をしなくて済むように導かれてきたからです。分からないことがまだまだたくさんある,あっていいんだという自分への謙虚さを持つことが,世間が提示してくれる意味を受け入れる素直さであり,逃げないための心得です。

・・・《今はわけが分からなくても,大切なことは信じることです》

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 ○二歩下がる?

 危険から逃げるのは当然です。危険を予感して身を引くのも大切な用心です。それは「三十六計逃げるにしかず」という古来からの知恵です。それはいいのですが,逃げてばかりでは閉じこもるしかなくなります。育つとは前向きなものですから,一歩を踏みだし一手を差さなければなりません。

 学校に行きたくないという不登校を心配する親の思いは,勉強についていけなくなるという危惧が表にありますが,裏では育ちの停止という不安があります。このままではいけないという感じです。皆がしているのに我が子だけがと思うと情けなくなります。逃げているのが悔しく,親として何とかしてやらなければと焦ります。

 無理にでも引っ張っていきたくなりますが,それは無茶だと考えられています。無理強いすればかえって逆効果になるということです。無理しなくていいと受け止めて待ってやりましょう,と勧められます。待つのはいいのですが,じっとしているだけでは何も変わらないように見えてしまいます。何かしなければ・・・?

 二の足を踏んで先に進めないときは,どんな状態なのでしょう。判断がつきかねていたり,不安にとらわれていたり,何かのショックで痛めつけられていたり,思考回路がフリーズしています。パソコンのように簡単にリセットができればいいのですが,人はご破算で願いましてはとはいきません。再インストールをしなければなりません。それは一時的な後退に見えますが,不可欠な作業です。

 人はいろんな体験をインストールして育っていきます。温かい体験や辛い体験を綾としてリンクし織り込んでいきます。そのときちょっとしたバグが生じます。少々のバグなら乗り越えられますが,相性が悪い場合には引っかかってしまいます。そんなときはほどいて織り直せばいいのです。回り道になりますが,着実な歩みなのです。

・・・《無理だと感じたら逃げずにちょっと回り道をしましょう》

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 ○時間資産?

 後で,昼から,明日からと,先送りするのが人の弱さです。面倒なこと,気が進まないことは後回しにしたくなります。ところがいざそのときが来ると,別の用件が飛び込んできて,結局はし残しになります。切実なケースでは,給料が出たら返すという算段で借金をするくせがつくと,雪だるま式に膨らんでいきます。給料はすでに予約済みだから余分な使途が組み込めるはずもありません。

 堅実さは,今日できることを明日に延ばさないということです。明日を今日に持ち込んだら,明日が消えてしまいます。「明日は明日の風が吹く」というのは,今日をいい加減にする意味ではありません。文字通り,明日は明日の風があり,決して今日の風は吹かないのです。今日は遊んで明日から勉強,そんな夏休みを何度経験したことでしょうか。

 時間とは誰にも分け隔てなく同じように与えられています。時間を貴重な財産と考えたらいいでしょう。ただ無為に使い捨てするか,それとも何かを産み出す時間にするか,その運用は一人ひとりに任されています。今日という時間を精一杯に使い切るようにしなければ,それは自分の時間から逃げることになります。80年として,お一人様70万時間しかないのです。

 目の前にある貴重な時間を大事にしないのは,大いなる逃げです。だからといって,四六時中がんばらなければというのではありません。人には睡眠というリフレッシュに要する時間があります。睡眠時間を削るのは,危険な時間運用です。子どもにとって夜更かし程無駄なものはありません。ちゃんと寝ることで,明日という時間がすっきりと手にはいるのです。寝ぼけていると,さわやかな朝を台無しにします。

 がんばるとは,今日を明日につなげることです。今日はこれで終わりという気になったところで,もうちょっと続けておきます。そのちょっとのやりかけがあるかないかで,明日の価値に差が生じます。やれやれ今日はこれで終わった,そんなその日暮らしではおそらく幸せにはなれないでしょう。

 子どもの勉強でいえば,簡単でいいから予習をしておくのです。授業が復習になります。勉強のコツは,学ぼうという意欲です。予習をすればよく理解できないところが出てくるはずです。分からないところを持っていれば,授業に集中して取り組めます。分からないところだけ聞けばいいので楽ですし,そうかという納得も楽しくなります。予習ではなく復習をするということもあるでしょうが,それでは授業を受ける立場になり,どこが大事なところか分からないまま全部に注意をしなくてはならず疲れます。

・・・《今日を粗末にし明日を当てにするのは,時間からの逃げです》

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 《逃げを抑えるとは,今ある自分を大切にすることです。》

※あれがないから遊べない,これがないから勉強できない,そんな泣き言をいっているうちは逃げています。無い物ねだりは負け犬の愚痴です。今あるものでできるところまでやっていくことが努力するということです。そして人は努力している人を助けてくれます。助けとは待つものではなくて呼び込むものです。

 条件がそろっていないと始めない,それが逃げになるということです。人が想定する条件は念のためにという余計なものまで含めますから,結局は見送ろうという結論に至ります。実際にやってみれば意外にうまくいくことが多いのです。考えるのはいい加減にした方がいいようです。

 【質問11-10:お子さんの逃げを抑えていますね?】

   ●答は?・・・もちろん,「イエス」ですよね!

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★編集後記★
 お届けした「子育て羅針盤」第140号は,いかがでしたか?

 逃げることにちょっぴり厳しい目を向けてみました。いつもこうでなければというのではなくて,そうできたらいいなと思ってください。願っていれば少しはかなうはずです。無理をせずにできる範囲で気長に実践すれば十分です。

 ところで,子育てからは決して逃げないでくださいね。お休みはいいですが,子どもに気持ちの上で背を見せてはなりません。ママがいつでもそこにいてくれる,そのことがどんなに心強いか,逃げたくなる弱気を癒してくれるか,忘れないでくださいね。

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☆予告☆
 次号では,

 【質問11-11:お子さんの冒険を認めていますね?】

について考えます。どうぞお楽しみに!

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○タイトル:『子育て羅針盤』 [Kosodaterasinban]
○発行期日:2000年09月25日より,毎週月曜日正午
〇発行責任:モリのクマさん(詳細はHP「徒然窓」〜プロフィールに)
○著者連絡: mori-bear@mvd.biglobe.ne.jp 
〇転載許可:必ず事前に,モリのクマさんまでメールのご一報を下さい。

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