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「第 100-13 章」 |
『子育ちは 自他に救いを し合わせて』

■子育ち12賢愚■
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『子育ち第13賢愚』
【救:救援を与えること】
《まえがき(毎号掲載)》
子育て羅針盤では,こどもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
この第100版でも,これまでの流れに沿って,子ども自身や親が育ちの確認をしていくときに,状況を特徴付けるキーワードとなる語を選んで育ちを展望していきます。ただ構成上に変化を繰り入れます。奇数号では賢い育ち,偶数号では愚かな育ちという配置をします。育ちが望ましくない向きにずれていかないためには,避けるべきことにも目配りをしておくべきです。予め推奨すべきことと同時に注意すべきことを知っておくと,安心することができるはずです。
《救について考える?》
子どもの将来の夢としての職業は,小学校卒業時の男の子では,スポーツ選手,研究者,医師,ゲームクリエーター,エンジニアであり,女の子では,教員,医師,ケーキ屋パン屋,看護師,漫画家イラストレーターということです。女子では保育士や薬剤師などもあがっています。医師や看護師のほか,レスキュー隊員,消防士,警察官などの,人を救う職業を目指す子どもは,長男長女に多いというデータを見たことがあります。弟妹の世話をしている日頃の暮らしが救いの心を育て上げたと思われます。
無縁社会と呼ばれた状態は,人と人が関わろうとしない結果です。困ったことに陥った際に助けてと言える社会,ちょっとだけなら助け合おうとする社会,お互いに信じて頼り合える社会,信頼社会が子どもから高齢者までが望むものであるはずです。安心できる社会とは救いがあるということです。完璧な人間でなければならない社会ではなく,中途半端な人間であってもそれなりに生きていける余裕のある社会,自らの至らなさを責めながらも,お互いのお陰で救われる社会を作り上げていきたいものです。
人は常にいろいろな苦労を背負いながらも生きていこうとします。自然な成り行きとして魂の救いが求められます。どのような救いを求めるかは自由ですが,少なくとも誰もが懐いている夫婦愛や親子愛,隣人愛,人間愛などを発揮することによって,お互いに救われているはずです。愛とは奪うものではなく与えるものと気付いたとき,その無償さという形に救いが込められていきます。見返りを求めない愛であるからこそ,子どもは親の側にいて魂の救いを得ているのです。笑顔になってほしい,それが愛の救いなのです。
本号で第100版が完結しました。3ヶ月で1版ですから,1年に4版,25年が過ぎたことになります。その間,羅針盤の構成は変わらずに,多くの先人の知恵を事例として拝借しながら,毎週お届けしてきました。変わらずご購読いただいている方がおられることは,何よりの励みとなっております。心より感謝申し上げます。
次号から,恒例のように第101版に入ります。100版という一区切りを超えたことを節目とするために,初心に返るという故事に倣って,初版等を改変した形でしばらく振り返っていくことにして,101版では羅針盤の構成がどういう内容になっているのかについて,各号でお話しすることになります。よろしくお願いいたします。
★落書き★
虫歯ができる原因は,ミュータンス菌やソブリヌス菌です。この菌は生まれたての赤ちゃんの口の中には,こうした虫歯菌はいません。虫歯が発生し始めるのは2〜3歳頃といわれていて,その原因はほとんどの場合,母親にあるそうです。そのルートの一つとして考えられるのがキスです。唾液1ccあたりに含まれる細菌の数は1億〜100億とも言われます。キスだけではなく,口移しに食事を与えたり,スプーンを使い回したりするのは要注意です。スキンシップもほどほどに。
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