*** 子育ち12章 ***
 

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「第 101-03 章」


『子育ちは 安心できて 歩み出す』


■子育ち12試問■

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『子育ち第3試問』

【お子さんは,自分の居場所を持っていますか?】

《まえがき(毎号掲載)》
 子育て羅針盤では,こどもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という5W1Hの問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
 この第101版では,子ども自身や親が育ちの確認をしていくときに,状況を分析するキーワードとなる12の試問を選んで育ちを検討していくことにします。その構成は,奇数号では「私の育ち」を,偶数号では「私たちの育ち」という配置をします。私の育ちだけに意識が向くと,私たちという社会性に基づく仕合わせな育ちが疎かになります。あちらこちらで人のつながりに欠陥が見られる現状は,私たちという育ちから得られる「私たち」という意識が未熟だからです。そのことに注目して,羅針盤を手元に設定していただくようにお願いいたします。

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 《「居場所」という言葉について説明が必要ですね!》

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 ○「やっと手が掛からなくなった!」・・・母親の禁句!

 母親らしさを担わされてがんばり,やがてわが子が入園・入学を迎えます。ママはつい「やっと子離れできた」とほっとします。子どもが留守の間,それまで我慢してきた自分のしたいことができるので当然ですね。ママの気持ちも分かりますが,やはりそれは感づかれたくないですね。

 子どもは新しい環境に向けて不安がいっぱいです。それなのにもし出かけるときに母親がほっとしていると気付いたら,余計に不安になります。帰ることを願われていないのですから,追放されているような気持ちになります。大好きなママが自分の帰りを心待ちにしてくれていると思えるから,がんばって登園・登校できるのです。

 ・・・母親とのつながりに居場所があって,子どもは前向きに育ちます。

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 ○「つらかったね!」・・・大人の思いやり!

 どういう訳か分かりませんが,父親に疎まれた娘さんがいました。顔を会わせると露骨に嫌な顔をされました。やがて娘さんは拒食症に罹って,病院に診察を受けに行きました。検査をしても格別悪いところはないということで,薬をもらって帰りました。いっこうに改善しないので,娘さんは別のお医者さんを訪ねました。

 「どうしたの?」と問われるままに,それまでの悩みを話しました。すっかり聞き終わった後で,お医者さんが「つらかったね」と言うと,娘さんは泣き出しました。検査や薬ではなくて,その言葉がほしかったというのです。ありのままをしっかりと受け止めてくれれば,そこに人との温かなつながりが生まれ,休息できる寄る辺が見つかります。それが救いの始まりになります。

 人は人とのつながりに居場所がなくて不安になれば,守りに入ります。守りにエネルギーを使い果たして,育つどころではなくなります。閉じこもっている間は,育ちが停止します。種は大地にあってこそ芽吹きます。

 ・・・子育ちは人とのつながりに安心してこそ,伸びていきます。

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 ○「お母さん!」・・・子どもの命綱!

 いじめで自殺した男子中学生が書き残した遺書は,「家の人へ」という書き出しでした。なぜ「お母さん!」ではなかったのでしょうか。それが第一印象でした。子どもにとって最後の居場所(逃げ場所)はやはり母親の懐でしょう。パパとすればさみしいのですが,負けても悔い無しです。

 子どもはママの都合などお構いなしにまとわりつき,「お母さん」と話しかけてきます。忙しいママはつい「何か用?,忙しいんだから早く言いなさい」とせき立てます。子どもは「用がなければ話しかけたらいけないの?」と思っています。格別の用が無くても,子どもはママそのものを求めたくなるときがあるものです。

 ここ一番という相談をするときは,大人でも迷います。ましてや子どもは,思い切って「お母さん」と呼びかけても,次を言い出すのに逡巡します。そのとき,ママがちゃんと迎えてくれなければ,「もういい」ということになります。たった一度の大切な「お母さん」を聞き逃したら,子どもの命綱は切れます。ママにとって子どもが言う「お母さん」は,目に入らぬ印籠です。恐れ入って聞いてやってください。

 ・・・母親が鬼の顔に見えるという子どもがいるそうですが,とても残念です。そこまでママを追いつめているのは,パパにも責任があるのでしょう。ママをママにするのが,パパの出番なんですが・・。

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 《居場所とは,自分はパパとママの大事な子どもなんだという自覚です》

 ○子どもたちは,今ここにいていいんだよという安心できる場所にいて,育ちに向かうことができます。居場所とは,人のつながりが感じられるところです。ぬくもりに包まれる安心感,それは寄り添っていると信じられる人がいることです。

 【質問3:あなたのお子さんは,自分の居場所を持っていますか?】

   ●答は?・・・どちらかと言えば「イエス」ですね!?



 もう一人の自分が自分をどう見ていけばいいのか,それは親が自分をどう見ているのかということを見習います。親が良い子とみていると,もう一人の子どもも自分を良い子とみていくようになります。そのためには,信頼される親でなければなりません。

★落書き★

 世界の国々の中ではあまりなじみのない中央アジアや西アジアには,ウズベキスタン,カザフスタン,アフガニスタン,パキスタンなど,スタンが付く国が多くあります。このスタンは,国や地域を現すペルシャ語の接尾語で,正確には「イスタン」で,○○の土地,○○の国といった意味になります。今ペルシャ語は一部でしか使用されていませんが,昔広大な領土を有したペルシャ帝国の支配下であった歴史があるのです。

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