*** 子育ち12章 ***
 

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「第 26-10 章」


『子育ちは 笑顔で明日を 待ち望み』


 ■子育てショートメモ■
『笑いにも品質あり』

 何気なく傍にいる連れ合いの方を向くと,微笑みが返ってきます。
  何の言葉を交わすつもりはなくても,それだけで通じ合えます。
   そんな関係が持てるようになれたら,落ち着いていられますね。

 子どもを連れて歩いているときに,周りの人から笑顔が向けられます。
  子どもはその笑顔を仰ぎ見て,どうしてだろうといぶかる素振りです。
   やがてそれが安心のメッセージであることに気がついていきます。

 泣き疲れて眠ってしまった赤ちゃんが,声を上げて笑っています。
  ママは驚きながらも,楽しい夢を見ていると信じてほっとします。
   でも泣いた後の夢がどんな夢なのかちょっぴり気になってしまいます。

 ママはどうして笑わないのと突然尋ねられて返事に困ってしまいます。
  忙しくて笑ってなんかいられませんと答えるわけにもいきません。
   笑ってほしいと願っている子どもの気持ちが痛く伝わるからです。

 人が失敗すると周りの人は笑ったりはやし立てたりします。
  失敗した人は何もなかったような素振りを装おうとします。
   笑うことは楽しいでしょうが笑われることは苦痛になります。

 笑いには和やかさを醸す笑いや嘲笑の馬鹿笑いなどいろいろあります。
  何を感じて笑顔を表に出すかによって人の器量が現れます。
   仕掛けられる世間の笑いに迂闊に引きずられないようにすることです。



【指針26-10:明るく笑顔を見せる子どもに育てたいならば!】


 ○笑顔を見せるとは?

 テレビ番組の中で不思議な笑いが聞こえてくることがあります。観衆がいるはずもない場面で,登場人物のふざけた言動に大きな笑い声がバックから流れてきます。よく聞いていると,同じ笑い声がきちんと時間を計ったように間を取って聞こえてきます。笑い声を挿入することで笑うところですと誘っているのでしょう。何気なく見ているとつられて笑ってしまいます。テレビを見て笑うことでストレスを発散できるのであればそれもいいのでしょうが・・・。

 通りを歩いているとき,何が楽しいのかニタニタとしている人とすれ違います。さりげなく距離を置きたくなります。周りと無関係に一人で笑っている姿は奇妙です。笑いは共有するものです。笑いは人と人を温かく結びつけることで価値を発揮するものです。仲良しの間にはいつも笑顔があり,笑顔の交わされない間柄は冷たい空気が張り詰めます。笑顔は気を許しあうという了解の印になります。

 講演の最初にひと言自己紹介をします。「私はこれまで,連れ合い以外の女性をキスをしたことがありません」。聞いている方は突然の告白で驚かれながら,その後笑顔を見せられます。これは後に続く話の伏線なのですが,この一言で笑いを取るという目標もあります。講演の中でも所々で冗談を言います。笑って貰うのは飽きさせないためばかりではなく,実は聴衆が聴いているかを確認する手でもあります。講演は話し手と聞き手の共同作業だからです。

 子どもは他愛のないことでよく笑います。思い通りになったとき,思いもよらないことが起こったとき,小動物が何かしくじったときなど,気持ちを揺さぶられたときその感情を笑顔として表します。傍にいる親も一緒に笑顔を見せてやることで,共感する楽しさを笑顔から学び取ることができます。笑顔を抑え込まれたり,無視され続けると,感情の発露が滞るようになります。大人は周りのことに慣れて気持ちが動きにくくなっていることを知っておいて下さい。

 不安や心配やわだかまりがあるときには,笑顔は現れません。笑顔のある子どもは負の気持ちがないか,たとえあったとしてもそれ以上の楽しみを抱えている子どもです。楽しみとは明日に期待や希望を見つけていることです。今これをしておかないと明日はひどい目に遭うと明日を怖がらせてはいませんか。歯を磨かないと虫歯になるとか。歯を磨けば歯が長持ちすると,よいことに結びつけて,明日を楽しみにできるようにしつけることの方が素敵です。



 長子は用心深く,次子は冒険好きといった傾向があるようです。長子はいろんなことをしてしくじると叱られるので,やがて新しいことに臆病になります。次子は長子を真似して育つので,同じことをしても大丈夫と背伸びして取り組むことができます。いきおい能力以上のことに挑むことになります。できると思いこむことが力を発揮するスイッチになります。前向きという心情が子育ちには大事です。次号のテーマです。

 中国地方という地域がありますが,どうして中国なのでしょう? 京都や奈良が近国,北九州が遠国で,その間にあるから中国なのです。上総・下総の上下,越前・越後の前後,どのように決まっているのでしょう? 京都に近い方から決まっているそうです。全体の位置関係を頭に描かないと意味が見えてこないようです。子育ても広く周りを見ることが大事です。わが子だけではなく周りの子ども,自分の家庭だけではなく周りの家庭や地域,見えてくることがあります。


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