*** 子育ち12章 ***
 

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「第 3-01 章」


『手のかかる 子ども育てて 親育ち』


 ■はじめに

 幼児には「お年は幾つですか」と尋ねます。
 やがて「年長さん?」とか「何年生?」と聞くようになります。
 子どもの成長が4月始まりの年度制に切り替わります。

 「子育て羅針盤」は3ヶ月を周期として生まれ変わっていきます。
 過去半年は「子育ち12章」をお届けしてまいりました。
 子どもの育ちを中心に,親としての役割を見てきました。

 この号からは「パパ・ママ12章」を主とする第3版に進みます。
 子どもを育てるから親になれると考えて,親育ちに目を転じます。
 とは言っても,内容がガラリと変わることもありません。

 少しだけ親が親として先に育っていなければ,育てられません。
 誰も親育てなどしてくれませんから,自分で育つしかありません。
 その親としての苦しみをご一緒してみようと思います。

 事業畑に「焦らず,慌てず,当てにせず」という指導訓があります。
 統率する上の注意事項ですが,一方で指導者自身の安らぎでもあります。
 子育ても同じで,親と子が共に無理をしないことが大切です。



【質問3-01:あなたは,お子さんが邪魔だと思うことはありませんか?】

 《「邪魔」という内容について,説明が必要ですね!》


 〇ゆっくり眠らせて?

 子どもが眠っているすきに自分の用事を済ませたいのですが,思い通りには眠ってくれません。やっと眠ったと思ってそばを離れようとすると目を覚まします。あやし疲れて添い寝をしているママの方が眠り込んでしまったり!

 夜は眠りを覚ましてしまう夜泣きに見舞われることもあります。暗い中に気分転換のおんぶをしたり,あやしたりすることが毎晩続くと,「どうして?」と腹立たしくなります。その思いがのんびりと寝ている連れ合いに向かうと,「たまには交代してもいいのでは?」と,怒りに逸れていきます。

 幼子はママの都合などには頓着しません。実のところ,ママを困らせようという気は全くなくて,自分のことで精一杯なだけです。幼子にとってはママは自分の一部になっているのです。自分の手足の都合を考える人はいませんね。それと同じ状況なのです。だからといって「親をバカにしている」と立腹はしないでください。それが自然な育ちですから。

・・・眠っているときが可愛いというのは,親の覚悟がまだまだです。・・・


 〇忙しいときに?

 夕食前の忙しないときに限って,子どもがまつわりついてきます。「邪魔しないで。あっちでおとなしく遊んでいなさい!」と,つい邪険に突き放します。火のそばですから危ないという気持ちもあるでしょうが,パッパと済ませたくて動き回るのに邪魔になりますし,子どもの相手をする余裕もありません。ママには子どもに構うゆとりが持てません。

 ママは忙しいのです。子どももそのことは分かってくれているでしょう。ところで,忙という字は「心を亡くす」と書きます。親が多忙であるとき,子どもは親から自分に向けられるはずの心が見えなくなるので不安になります。だから,自分に心を向けて欲しいとちょっかいを出してしまいます。

 用事が済んでママが暇になり子どもに目を向けると,子どもはママのそばに寄ってきます。でもすぐにママから離れて一人で遊びはじめます。ママはゆっくり相手をしてあげる積もりですが,今度はママが突き放されてしまいます。子どもはママの目が自分に向けられていることを知れば安心し,遊びに夢中になれるのです。

・・・ママは子どもと第二のへその緒でつながっています。・・・


 〇もう帰らなくちゃ?

 勤めに出ているママは,やりかけた仕事が残っても,5時になれば帰らなくてはなりません。預けた子どもを迎えに行かなくてはなりません。小学生になれば留守番もできるので,少しは楽になります。でも,遅くなればやはり子どものことが気がかりです。パパは仕事優先で家庭のことは二の次ですから,どうしてもママが二者択一の辛い選択を背負っているのが現状でしょう。

 子どもの具合が悪いという時もあります。寝かせて出かける後ろ髪は仕事先までつながっています。仕事に没頭できない中途半端な気分で一日を過ごします。仕事を終えて急いで帰るとき,不安が一気にあふれてきます。いつもの通勤時間が妙に長く感じられることでしょう。

 子どもの学校行事などで早引けや欠勤などを余儀なくされて,同僚に迷惑を掛けたり,仕事の遂行上も不利になることばっかりと思えます。仕方がないと明るくあきらめるしかありません。勤め先の雰囲気が温かければいいのですが,まだまだ少数でしょう。

・・・ママというのは,損な役回りですね。・・・


 〇ママのこと好き?

 パパはママに「私のこと愛してる?」と聞かれて,どぎまぎします。そんなこと軽々と口にするものではないと言いたげです。そのしこりが残っていて,やがて年を重ね熟してきたときに,パパが「愛してるよ」と言うと,「いまさら何をバカなことを言ってるの!」と軽くあしらわれてしまいます。

 ママはパパから子どもに矛先を向けます。子どもを抱っこしているとき,「ママのこと好き?」と迫ります。子どもはパパがいないときならあっさり「好き」とご機嫌をとりますが,実のところ「変なことを聞くママ」と困っています。

 ママはどうして我が子に好かれたいのでしょうか? これだけあなたのために犠牲を払っているのだから,世話のし甲斐が欲しいのでしょうか,それとも好かれて当たり前だと自信満々なのでしょうか?

 親子は好きという間柄ではないはずです。好きなら嫌いもあり得ることになります。嫌いと言われたら親子の縁は切れるのでしょうか? 子どもに好かれたいと思うとき,親の心はまだ眠っていることになります。逆にきょうだいのどちらかだけを好きという親も,親に育つ途上です。

・・・親とは無心に子どもが可愛いだけです。・・・


 〇週休二日制?

 春・夏・冬の休みが来ると,ママの気分はちょっぴり滅入ります。朝から晩まで面倒を見なければなりません。来年から学校週五日制になります。親の勤めはそうはなっていません。土曜日が問題になります。かつて土曜日の学校の休みが導入されるとき,全国的に親は揺れました。

 休みになると,子どもをどこかに連れて行ってやらなければならないという世情からの圧迫も親を責めます。海外旅行に家族で出かけるという風情がテレビに登場するたびに,それを横目で見ている情けなさもあります。よそはよそ,うちはうちなのですが。一人なら旅費は何とかなりますが,家族となると出費はバカになりません。懐との相談は決裂気味です。

 子どもの昼食は親の責任と考えて,毎日学校から連れて帰って家で昼食を与える国もあります。日本では,給食を止めるとなったら,多分親は大騒ぎでしょう。大切な子どもの栄養を人任せにして,それを何とも思わない,かえって助かるとさえ思う親心とは?(ちょっぴり辛口で,お口に合いかねたらごめんなさい)。

・・・子どもが家にいない方が,ママは好きですか?・・・


 〇夫婦げんかの種?

 生まれも育ちも違った二人が縁あって結ばれ,子どもが授かり家族になります。阿吽(あうん)の呼吸は微妙にすれ違い,気持ちがかみ合いません。つい余計な一言で連れ合いを挑発してしまいます。ゆとりがないと売り言葉を買い言葉で迎え撃ちます。そして夫婦げんか!

 多くの家庭では,子どものことでママからパパへ仕掛けられるようです。「半分はあなたにも責任があるのですから!」とパパの方が守勢にまわります。そんな両親を見て,「自分がいるばっかりに,パパとママはケンカしている」と悲しくなります。「自分はこの幸せな家庭には邪魔な存在に違いない」と自分を責めます。

 いじめられても親にだけはうち明けない子どもは,そのことで平安な家庭に波風が立つのを恐れています。苦楽を共にするとは良い言葉ですが,実のところ半分しか実行できません。苦の分担が難しいのです。夫婦でも家族でも,苦を持ち込むことは自分を邪魔な存在にすると同時に,仲間割れを引き起こすことにつながります。「お前のせいで」ということです。

・・・こともなげに苦を引き受けられたら,それが家族なのですが?・・・



《邪魔とは,降りかかる損や苦を拒否する頑なさから生まれます。》

 ○「子どもがいるとは思えない若さ」と言われたらうれしいですか? 子どもを育てるから人は「許す度量」を会得して,一回り大きくなれます。親にとっては子どもはいろんな意味でお荷物です。その荷物を担ぎきるからこそ心の育ちが可能になります。身体を鍛えるバーベルのようなものです。

 親の苦労を子どもから感謝されたいとはじめのうちは思うでしょうが,それは逆です。親が子どもを育てる機会を得たことを感謝すべきでしょう。嘘だと思われるなら,ご自身のご両親にお尋ねになってみてください。子どもを育てて分かる親の恩とはそういう喜びへの入場券なのです。


 【質問3-01:あなたは,お子さんが邪魔だと思うことはありませんか?】

   ●答は?・・・もちろん「ノー」ですよね!?

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