*** 子育ち12章 ***
 

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「第 33-10 章」


『子育ちは 今日があるから 明日が来る』


【心象33-10:明日への期待をいつも感動と共に抱く子ども】

 ■子育ち12心象■
『子育ち第10心象』
〜桃栗3年,子は20年〜

※予防接種の日,3歳の息子は家を出る前から大泣き。診察で聴診器を当てられている間は「ママ助けてぇ〜」を連発。いざ針を刺そうと先生が腕をつかむと,「あぁ〜大変だぁ〜」。息子にとっての一大事だった。(ごんごん)

 人には動物と違って先を読む能力があります。これから起こることがどういうことかを判断して,自分なりの対応策を考えなければ生きていけないからです。痛い目に遭うという予見があるから,本当は逃げ出したいのですが,逃げるわけにはいかないというぎりぎりの状況であることも分かっています。それでも何とか避ける工夫はないかとママに助けを求めます。一大事なのですが,一瞬の痛みを我慢しなければならないときもあるという経験は、後で生きてきます。

※食べる事ばかり考えている4歳の娘。ある週末,困った顔で「ママ〜…あのう,もうおやつの時間みたいなんだけど…でもさっきご飯食べたばかりだし…」。 12時15分だった…。(えみみん)

 長針が3を指しているので,3時になったのかなと思いながら,ちょっと早いような気もしています。言いにくそうに確かめています。さすがに腹時計の方が正しいようです。3時になったらおやつ,それが時間に従う暮らしをしつける入り口であり,時間の流れを考える基礎になります。やがて,今日は我慢して明日を楽しみに待つという,先を読み込んだ行動の設計ができるようになります。その能力が幸せを呼び込んでくれることになります。

※4歳になる息子は,このごろ誰にでも「年いくつ?」と聞きたがる…。まあ、いいのだが,その後で必ず,「多すぎる!!!」と叫ぶので,「ごめんね,年寄りで」と謝らせてしまう。息子は,10以上は多くて理解できないらしい。(恐縮ママ)

 3歳から5歳頃の子どもは,「いくつ?」と尋ねられることが多く,手の指を立てて返事をすると,かわいいねと喜ばれます。聞かれている内に,聞いてみたくなるのでしょう。同時に,年齢という属性が人にはあるということに気付いていきます。自分は4歳,8歳の人とはどんな人か,25歳の人は? 歳によって人が違ってくるというイメージが見えてくるでしょう。ただし,10歳以上は皆同じになるのかもしれませんが。

※算数がお得意の長男@6歳に問題を出しました。私「大福が9個あります。パパとママとA君で分けるとどうなりますか?」 子「みんな1個ずつ。残りは明日の分」 私「全部分けたらどうなる?」 子「おなかが痛くなる」(MIYA)

 子どもは自分の経験の世界で物事を考えます。算数の問題にあるような抽象的な世界には入れません。大福をおやつと思えば,一人一つずつが定番です。みんな1個ずつ,それが子どもにとっては当たり前であり,残りは明日の分になります。明日がきちんと意識できています。また,大福3個も食べたらお腹を壊す,子どもの常識です。現実感覚が勝っているのはいいことです。「そうだよね」と認めてやりましょう。抽象的な世界はボチボチと慣れていきましょう。

※落ちていたひもを拾おうとして,高さ5メートルほどのところから,真っ逆さまで茂みに落ちた当時7歳の息子。血だらけになり7針縫いましたが,そのとき息子が叫んだ言葉は,「僕の人生おしまいや〜」。(7歳にして人生が終わらんでよかった)

 今までのつつがない暮らしが途切れるような目に遭うと,ぷつんとスイッチを切るように終了すると思ってしまいます。人生は真っ直ぐな一本道となんとなく感じるものです。人生には紆余曲折がある,人生の道はその時々に分かれ道があるものです。もっとも,そのような悟りは子どもには無理なことでしょう。縫うような傷を負ったことは不憫ですが,人生にはすぐそばに落とし穴があるという現実世界の厳しさと自分の弱さを肝に銘じたら,よい経験になります。




 自分の思い通りにはならないのが世の習いです。行き詰まったときに,何とかできるのではと考えて,持ち合わせている才能を引き出そうと懸命になります。困難なことから逃げずに真っ向から受け止めると,道が開けてくるものです。自分の力を信じるためには,頑張るというきっかけが必要です。頑張ることがないと,自信はつきません。子どもが簡単にできることだけに逃げないように,背中を押してやりましょう。

 最近は,子どものお手伝いに買い物というのはあるのでしょうか? 買い物では,おつりをお駄賃にするということがありました。ところで,釣り銭といいますが,魚釣りと関係があるのでしょうか? むかし,物々交換をしていた頃,自分が少し多く取りすぎたと思うときには,一部を返していました。釣り合いを取るということが暗黙のしきたりでした。釣り合いを取るための返金なのです。釣り銭が多かったら,返しましょうね?


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