*** 子育ち12章 ***
 

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「第 42-05 章」


『子育ちは 言葉の世界 取り込んで』


【目標 42-05:言葉が正しいこと】

 ■子育ち12目標■
『子育ち第5目標』
〜「言葉が正しい」ということの意味について説明が必要ですね!〜

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 〇親子の対話はしているつもりです!

 親は言いたいことをすべて子どもにぶっつけていますから,対話は充分と思っています。中学生とその親に対する調査では,親子の対話をしていると答える親の割合よりも中学生の割合が20ポイントほど少なくなっていました。子どもは言われっぱなしになっているようです。

 親の話し方は「言って聞かせて分かったわね」という上から言い渡す形で,話の中身は「禁止,命令,愚痴,小言,お説教」等でほぼ40語に限定されているようです。親子の対話は勝負であり,親は負けられないと思ってはいないでしょうか? その証拠に親が負けそうになると「ゴチャゴチャ言ってないで」と一方的に対話を打ち切ります。

・・・口は一つ耳は二つです。話すよりも倍だけ聞くつもりにして下さい。

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 〇テレビが言葉の先生です!?

 テレビから「おはようございます」と言われて応えていますか? テレビの言葉は直接自分に向かって来ません。盗み聞きしている状態なのです。テレビから言葉を習う子どもは,正しい言葉づかいが身につきません。

 赤ちゃんがテレビを見ながら声をあげて喜んでいます。自分の意思をテレビの人に伝えようとしますが,テレビは反応してくれません。やがて,話しかけても無駄だと覚えていきます。言葉に反応することができなくなり,外部からの言葉による働きかけに心を閉ざしていきます。自閉症に近い症状を呈する子どもはテレビに子守をして貰った子どもたちに多いと言われています。

・・・テレビは言葉のショーウィンドウにすぎません。

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 〇ママはどうしておしゃべりなの?

 母親がおしゃべりである訳は,「子どもに言葉を教える先生!」だからです。母国語と呼ばれているように,人は母の言葉を身につけていきます。心の育ちの母乳と言ってもいいでしょう。

 ところで,ある大学の先生が「お母さんにも声変わりがある」と書いていました。赤ちゃんには夫も聞いたことがないような優しい声を掛けて,気持ちを分かってあげています。子どもが成長してくると,声は厳しく1オクターブ甲高くなり,「ハヤク,サッサト,チャント,キチント」と自分の気持ちをぶっつけるように声変わりをします。お顔やお肌の手入れも大事ですが,優しく美しい言葉を使うことができれば,どんなおしゃれにもまして素敵に魅せてくれると思いますが! 勤めに出るようになって母親の言葉が貧しくなったことを悲しむ中学生もいました。言葉の身だしなみもおろそかにしないで下さい。

・・・天賦の才能を十二分に発揮して,子どもに豊かな言葉を。

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 〇言葉づかいの基本とは?

 パパが「オーイ,お茶」と偉そうに言ってます。ママはいつもでしたら「ハーイ」と答えているのですが,言葉の先生として目覚めてしまったので,今日は違います。「お茶がどうかしましたか?」。ママは何がお気に召さなかったのでしょうか? パパは「お茶」という言葉をその辺に放り出しています。聞く方はわざわざ拾いに行かなければなりません。誰に向かって言っているのか頓着しないような言葉づかいは失礼です。

 言葉は「誰に向かって」発しているのかを,明確に表現しなければ不誠実になります。「あなたに向かって」が「オーイ」,「お茶を入れてくれるように頼んでいること」が「お茶」では,聞く方の事情などお構いなしの甘え・無礼さが丸出しです。二人だけの家庭ならまだしも,子どもが見ているところでは要注意です。きちんと文章にして話すような癖を付けることが望まれます。

 言葉とは相手に向けてきちんと言わなければなりません。言葉に向きを持たせるしつけができていないと,敬語も使えません。人間関係を橋渡しする言葉づかいは相手を意識することが基本なのです。言葉づかいを叱るとき,「誰に向かって言っているのか!」と言うのも当然です。

 日常会話を「単語」で済ませるような言語生活では,自分の思いをまき散らすことしかできません。「ムカツク」といった捨てぜりふしか言えません。相手と気持ちを通い合わせるには,「文章」表現が必要なのです。蛇足ですが,文章表現を駆使できないと,学校の授業についていけなくなります。

・・・言葉づかいの基本とは,相手をきちんと意識することです。

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 〇言葉を覚えたとき,知恵が授かる!

 人は言葉によって脳の配線を整理し,物事を考え理解し,物心がつき人間らしくなっていきます。目に見えない抽象語,思いやり,勇気,正義なども,話の中で意味が磨かれ,はっきりしてくることで分かるようになります。赤ちゃんは「ほらママよ」と言葉を掛けられてママを認識するようになります。肩を叩いてくれたとき,「優しいのね」と言ってやれば,優しさとはどういうことかが分かり身に付きます。休憩の後,「もうひとがんばり」と言うことで,続けることがガンバルことだと知ります。

 一昔前には無かった「セクハラ」という言葉を知ったときから,歯止めの意識が具体化できるようになりました。子どもにはなるべく早く「危」の字と意味を覚えさせておくことです。学校で教わるときまで待っていては遅すぎます。知恵は言葉という形で記憶に残ります。いくら体験しても,そこに言葉が無ければ無意味になります。

・・・言語生活が豊かであれば,人としても豊かになれます。

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 《正しい言葉づかいとは,対象を表現する厳密さです》

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 子育ち第5目標は,いつ育つのかという三つ目の課題に対する第1の解答であり,「もう一人の子ども」が母乳としての言葉を正しく覚えたときに育つということです。言葉を覚えることで,もう一人の子どもは子ども自身とのコミュニケーションが可能になります。言葉をなくしたとき茫然自失となるのは,もう一人の自分が自分を統御することができなくなるということです。しっかりしろと自分に言い聞かせるのは,もう一人の自分なのです。言葉を持つことがもう一人の子どもの育ちであると考えることができます。



 言葉があるから周りの人と対話ができて意思疎通が可能となり,社会生活をおくることができます。コミュニケーションの言葉については,知性という次元での特性である正しさだけでは不十分です。人は感性というもう一つ別の次元でも生きています。そこで求められている特性が美しさです。美しさを装いのことだけに限定してしまうから,振る舞いや思考の卑しさが露呈するようになります。言葉は正しいだけではなく,美しくなければなりません。

★落書き★

 ゲームソフトのマリオ。ゲームセンター用のアクションゲーム「ドンキーコング」に脇役がいて,名前はなく,社内で「ミスタービデオ」と呼ばれていました。ドンキーコングをアメリカに輸出したとき,現地法人の社屋の管理人がミスタービデオにそっくりでした。その管理人の名前が「マリオ」。そのことが開発スタッフの耳に入り,マリオと名付けられたということです。ファミコン用ソフトの主人公になっていることは,ご承知の通りです。


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