*** 子育ち12章 ***
 

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「第 43-09 章」


『子育ちは 行動通して 気付かせる』


【心得 43-09:子育て第9心得】

 ■子育て12心得■
『子育て第9心得』
〜親は仕事に誘い続けなさい〜

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 ○モンテッソーリ教育:No.10

 お仕事を拒否する子ども,理解していない子ども,間違っている子どもには,たゆまず仕事への誘いかけを続けなさい。
 本当にお仕事に出会っていないので,その喜びを知らないのです。その出会いへの援助が親の役目です。

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○大人が暮らしのためにしている行動を,子どもはごっこという遊びにして真似をします。仕事はしてみて分かることがあります。美容室デビューした女の子がいます。指をハサミがわりに切るまねをして,美容師さんごっこをしています。そこへ,ジージが登場。ジージも切ってもらうことになりました。が…ジージは真っ白な波平さんヘアー。前髪がないことに気づいた女の子は,じーっと固まって真剣に悩んでいます。3歳なりに「ジージに髪の毛がない」と言ってはいけないと思ったようです。結局,髪の毛のあるところへ移動して,何事もなくカットを始めました。仕事に優しさを込めることに気付きました。

 仕事は状況に応じて変幻します。臨機応変に対処しなければなりません。思いもしないことに出会って何とか対応しているうちに,想定内のことが一つ一つ増えてきて,やがて自信が付いてきます。最初の頃のあれやこれやを何とかしのぐためには,励ましと手助けが必要になります。子どもの能力という井戸を汲み上げるためには,始めに誘い水が必要なのです。飛び上がるためには助走が必要と考えることもできます。何はともあれ,何事もある程度の期間続けられるように支えをしてやりましょう。

 これまでの話でお分かりのように,子どもにとっての仕事とは,役に立つことを意味しません。役にも立たないことであっても,子どもが一所懸命に取り組むことであれば,それは子どもにとっての仕事になります。仕とは,するという意味であり,仕事で「すること」を意味します。強いて言えば,食事のように自分のためにすることは除き,他の人と何らかの関わりがあることをすることと考えておきます。そこで,親子で一緒に何かをしてみようと促すことが,仕事への誘いかけにつながります。

 家族や友達で何かをしていると,そこにはいろんな役柄があるはずです。ヒーローやヒロインだけでは仕事になりません。いろんな脇役の経験をすることで,立場が違えばすることも違ってくるものと弁えることができるようになります。それぞれの立場毎に楽しさや喜びがあることに気がつけば,ヒーローでなければ意味が無いといった狭隘な了見を脱ぎ去ることができるでしょう。遊びを通してロールプレイイングができるように,いろんな種類の集団の中に入る機会を与えてやりましょう。

 子どもは面白いことをしようとします。ところで,面白さはしてみないと分からないという原則があります。例えば,美味しさは食べてみないと分からないのと同じです。何事もする前は面白いかどうかは分からないということを理解させるために,とりあえずしてみるという最初の踏み出しに手を貸すようにします。親が楽しそうにしてみせると,してみようかなという気持ちになるでしょう。家の片付けでも,親が嫌々していると,子どもだって嫌だなと思うはずです。どんなことも,どうせするなら,歌を歌いながら楽しくしましょう。

 この頃の子どもは自分に合うものを求めようとしますが,自分を合わせるということを覚えなければなりません。することの好き嫌いをはっきり言うことが個性の発揮だと勘違いをしています。豊かさとは選ぶことができることですが,物事を選ぶのはそれなりの素養を身につけてするものです。実績も経験も未熟な育ちの途中では,好き嫌いを言う段階ではありません。修業時代というと古い感覚でしょうが,少しだけ嫌なことに出会うことも必要なことです。我慢してこそ喜びが手に入るという経験をさせないと,ひ弱になります。



 お兄ちゃんが自転車に乗っています。ハンドルを握ってペダルを漕げば自転車は動くと,見ていれば分かります。分かっているから自転車に乗れるかというと無理です。見えないバランス感覚の習得が不可欠ですが,それは実際に乗ってみないと見付かりません。どんなことでも,知っていることとできることの間には溝があり,そこを越えるには練習という手立てしかありません。練習とは努力の行動形です。闇雲にあれこれするのではなく,正しい方法に沿った努力,練習をさせなければなりません。

★落書き★

 相撲の掛け声は,ハッケヨイノコッタです。ノコッタは残ったであり,勝負が付いていないということです。では,ハッケヨイはどういう意味なのでしょう? 字で書けば見えてきます。発揮揚々であり,それやれ,もっとやれという激励です。この掛け声は適当に言っているのではなく,動きが止まったときに,促すタイミングで掛けられています。激励の言葉を掛けるタイミングがあるのです。のべつまくなしに言い立てても効果はありません。ここぞという時期を捉えるようにしましょう。


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