『子育ちは 努力の後の 喜びを』
【心得 43-10:子育て第10心得】
■子育て12心得■
『子育て第10心得』
〜親は努力を観察しなさい〜
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○モンテッソーリ教育:No.4
探し物をしている子どもや,助けの必要な子どもの努力を見逃さないよう,子どもを観察しなさい。
子どもの喜びを大人の代行で奪ってしまわないように。しかし,助けが必要なタイミングは逃さずに。
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○もう一人の子どもが生まれると,自分を演出しようとします。ごっこ遊びの中では,自分を舞台に立たせて,キャストや小道具を決めていきます。ママと3歳の娘がいました。家事が一段落したママが,寝転がって休憩しているところに,「眠れる森の美女ごっこしよう。わたし王子さま」と娘がやってきました。ママは「じゃあキスされちゃうのかしら?」と目をつぶっていると,「起きて」と命令する王子さま。「あら冷たい王子ね」と起き上がると,「ひひ〜んって言いなさい。こう(四つんばい)して」。ママは馬役でした?
欲しいものがあるとき,お小遣いを貯めている子どもに,不足額を助けてやることがあります。幼子は別として,丸ごと親が手出しをするというのは止めた方がいいでしょう。子どもの努力がないので,手に入れたものに対する思い入れがなくて,大事にされません。自分が係わる度合いに応じて,ものごとは自分のものとして意識化されます。養育上では,子どもの能力を発揮する機会を生かしてやることで,鍛えられるという効用が期待されます。
子どもが探し物をしているとき,「きちんと片付けていないからよ」と皮肉めいた言葉を投げかけたくなるかもしれませんが,止した方がいいでしょう。探す努力をすればするほど,片付けていない手抜かりに気付かされるでしょう。探し出した後に,片付けておくことの意味を教えてやればいいのです。探しもしないで,あっさりとなくしたと言ってしまうときは,「探したの!」と促さなければなりません。懸命に探して見付かったときの「あった!」という気持ちを経験させることも大切なしつけです。
子どものすることを見ていると,要領が悪く,危なっかしく,おとなしく見ていられないと思ったりします。つい口を出し手を出し取り上げてやってしまうこともあります。子どもの育ちを邪魔してはいけません。子どもの仕事は片付けばいいというものではなく,自分の手ですることに意義があります。てきぱきとはできなくて,もたもたしますが,それが努力をしている姿です。子どものすることを見ながら,「できるようになるよ」とゴールが近づいていると思わせる言葉掛けが励ましになります。
手軽さが当たり前という暮らしの中で,子どもは手の込んだことをしようとしなくなりました。自分の手で組み上げたり作ったりするよりも,買ってくればいいという選択をします。こつこつという作業方法を知らないから,育ちに深みがなくて薄っぺらな感が漂います。パッとしてできないことには手を出そうとしません。パッと分からないことは考えようとしません。子どもが手を止めたり躊躇したりする時に,もう一踏ん張りするように激励することが,育ちへの大事な手助けになります。
日頃からしていないと,いざというときに慌てても間に合わないことがあります。ダラダラした態度で日々を送れば,ちゃんとする場面には適応できません。日頃の姿がでてしまうというのは,大人でも経験することです。日々きちんとする,真面目に取り組む,真剣に考える,集中して行動するといった地道な態度が,最大の努力といえるでしょう。いかにも努力しているというのではなく,さりげなくすべきことをしていく,そのような無理のない努力ができるように育てたいものです。
間違えると叱られる,という環境にいると,子どもは育てなくなります。ハイハイをしていた子どもが,歩けるようになると育ったと思うものです。育ちは何事かができるようになることと考えがちですが,逆に見ることが大事です。歩けるようになる前には立ってもすぐに転んでいます。転ばなくなることが,立つことであり,歩くためのスタートになります。失敗や間違いをしなくなること,それが育ちであると考えると,間違いをさせないと育てないということが分かるはずです。失敗は育ちの元なのです。
★落書き★
男の子が好きなカブトムシは寿命が2か月なので,一夏しか見ることができません。一方で,クワガタムシは寿命が2〜3年あります。夏が過ぎると,朽ちた木の中に入って,寒い冬を過ごします。虫はみんな同じような命と何となく思ってはいませんでしたか。環境や飼い方によって左右されることはありますが,それぞれが持っている寿命というものに違いがあります。そのことを知っておいて,虫の命を慈しむように,指導してやって下さい。