『子育ちは お互い様に 喜びを』
■子育ち12表裏■
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『子育て第8表裏』
【表の育ち:他人の幸福に役立ちたい】
●幸福を実現できる身近な場は家庭です。その核となるのが,夫婦のしあわせであり,相手に対する心配りがあればこそ,しあわせが実ります。夫が会社から帰ると,妻が「パパにパンツ買ってきてあげたわよ〜♪」と上機嫌に話しかけてきました。妻の気持ちを受け止めようとした矢先,2歳の息子が,「ママ,これ安い!ゆってた。パパに買ってあげた」とフォローをしてくれました。2枚で500円?という心配りでも,無いよりましかも? 妻と息子の気配りを受け止めることがお互いのしあわせに・・・。
○母親が喜んでくれた,それは子どもにとっては何よりもうれしいメッセージです。母親を喜ばせようとしているうちに,人の喜びを誘うこと自体がうれしくなってきます。そこまで感性が育っていくと,社会生活に円滑に入っていけるようになります。人間関係を紡ぐことが苦にならなくなります。信頼関係は信じて頼ることであり,お互いに相手の喜びを大事にすると信じ合えることです。母親の喜びがあると,子どもは豊かな心を育てていくことができます。子どもにいろんなことをしてもらって喜びましょう。
○相手を喜ばせるという意味の英語がプリーズです。翻訳すれば,どうぞという言葉になります。どうぞと与える行為が実行されると,相手はありがとうと受け取ることができて,お互いにしあわせな関係を持つことができます。幸福は二人の間にだけ咲きます。しあわせになりたいという願いをかなえる方法は,どうぞという言葉を使うことです。しあわせはありがとうと言うことであると勘違いしていると,いつまでも待ちぼうけになります。ドウゾとアリガトウをお互いに持ち合うことが幸福の形なのです。
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【裏の育ち:自分が傷つくことは回避】
●人は自分に都合の悪いことや自尊心を傷つけられることは避けようとします。羨ましいという感情も面白くありません。3歳の娘のお友達のパパは,消防士さんです。あるとき,車に乗っていたら隣を消防車が通ったので,娘に「お友達のパパは消防車に乗ってるんだよ。カッコイイでしょ〜」と言ったところ,娘が一言。「う〜ん?見てみないとわからない」。確かに…。現実に突きつけられるまでは羨ましさを回避できるという粘りです。もっとも,これは大人の勘ぐりでしかなく,3歳の娘はまだ純粋でしょう。
○社会的な関係では,損得という勘定がなされます。損得はゼロバランスなので,一方が得をすれば,他方が損をすることになっています。誰もが得をしたいと思っているのですが,損をする人がいないと帳尻が合いません。そこで,損して得取れという言葉があって,人間関係をつくり出すコツを教えてくれます。情けは人のためならず。巡り巡って自分に返ってくるという世間のつながりを信じていないと,勘定の見込みが浅くなります。損を引き受ける余裕がないので,ピリピリして疲れてきます。共に生きるという社会性が備わりません。
○傷つくということを,苦労する,嫌な思いをする,痛い思いをする,気分を害するなどと考えると,避けるのは当たり前です。しかし,犠牲を払わないと手に入らないものがあるのが人の世です。犠牲という高価な代償と引き替えになるもの,それがお金という代償では買えないものです。真・善・美という価値は,苦労して手に入れるものであり,人の愛も,信頼も,喜びも,全く傷つくことなく手に入れようとすると,奪うという理不尽な手段に頼らざるを得ません。世の中とは面倒な仕組みになっています。
自分の幸福のみに役に立つことは貧しい心がなせることです。互いの幸福に役立とうとする豊かな心を持ちたいものです。人は卑屈になったり傲慢になったり,落ち込んだり驕り高ぶったり,欲望の副作用に振り回されます。人はその葛藤から逃れ平穏な立ち位置に在りたいと願うようになります。真面目にコツコツと生活を営む,そのような平凡な日常を大切にすることに価値を見つける目を育ててやれば,子どもは健全な成長をしていきます。日常の中に組み込まれている節目を目印にすれば,自らの真っ直ぐな育ちが確信できます。
★落書き★
はじめて動力付きの飛行機に乗って飛ぶことに成功したのは,ライト兄弟であるということはよく知られています。ところで,実際に最初に飛んだのは誰なのでしょう。兄弟揃ってなのか,兄か弟かのどちらかが先に飛んだのでしょうか。先に飛んだのは弟のオーヴィルでした。弟は何事にも熱中しやすく行動的でした。一方で,兄のウィルバーは思慮深く計画的に進めるタイプだったそうです。兄と弟の性格は,日本もアメリカも変わらないようです。
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