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「第 46-08 章」 |
『子育ちは つたない力 見込まれて』
■有能化12秘訣■
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『有能化第8秘訣』
【専門力を育てよう】
●《経験》専門力といっても,子どもでは得意なことと言った方がいいでしょう。大人になってその道の専門家になるかもしれませんが,あまり急がない方がいいでしょう。ところで,得意なこととは,経験の豊かさと重なります。どれほど経験したか,それが力の蓄えになるからです。経験した者に勝てないということです。何を経験するかは,本人の気持ちと環境に依るでしょうが,はじめは,好きこそものの上手なれということでいいでしょう。飽きて変わることもありとしながら,多様な経験を大事にしましょう。
●《評価》授業であれ遊びであれ,何事かに取り組んでみる中で,たまたまほめられたことが強く印象に残って,その道に進んでいったということをよく聞きます。ほめられたらもっとしてみようという動機付けになり,経験を重ねていきます。ある程度経験すると,ほめられるからではなく,していることの面白さが分かるようになります。そうなれば,ひたすら掘り下げていくようになります。そんなことをして何が面白いの? その言葉は子どもから経験を奪ってしまいます。ほめて育てましょう。
●《有用》専門というと,狭くまとまるというイメージがあります。子どものうちから,可能性を絞ってしまうことはないでしょう。例えば,歌手になるのに歌だけ歌っていればいいということではありません。いろんな能力が土台にならなければ,砂上の楼閣になります。あらゆる方面の経験の一部が紡がれて一つにまとまっていくと,専門という糸になります。そんなことをしても関係ないから無駄,それはかなり後から考えることであって,子どものときには選り好みはしない方が賢明です。すべてが関わり合っているのです。
●《価値》力が強いからスポーツ関係を専門にすることは良しとしても,力を使って人を害してはいけません。専門力は使い道によって,その価値はほめられるものと非難されるものとに逆転します。学力は人を蹴落とすためのものではなく,人を助けるためのものです。何のための専門力かという目的をきちんと弁えていないと,価値のない専門力になります。独りよがりではなく,周りの人から頼られる専門力でありたいものです。例えば,オレオレ詐欺が上手であっても,人としての価値は認めてもらえないでしょう。
●《独自》人は他人と同じであることに安心する一方で,同じでありたくないという思いも持ち合わせています。独自な専門力を持つことができたら,素晴らしいことです。そこで,気をつけておかないと,転落することになります。独自であることが自分一人の力であると錯覚してしまう弱さを人は持っています。試しに,独自の力が無人島で発揮できるかということを自問してみればすぐに分かるでしょう。人とのつながりの中にいてこそ,独自な力が存在できることを忘れないことです。
ジュースを半分飲んで,「もう半分しかない」と思うか,「まだ半分もある」と思うか,どちらですか? どちらでも好き好きです。ところで,子どもに向かって,「このままでどうするの?」と追い詰めますか,「まだ大丈夫だから」と余裕を持たせますか。のびのびできるのは,どちらでしょう。でも,早合点しないでください。状況に応じて,どちらもあり得るので,使い分けをしてください。どちらか一方であったり,逆に使い分けてしまうのが,心配なのです。
★落書き★
指を使ったり人と話をしたりすると,脳にいいそうです。指や口を動かす速筋が大脳皮質の広い範囲でコントロールされているからです。使うほど発達するということです。また,速筋は体を動かす筋肉で,下半身にもたくさんあります。そこで,歩くと速筋が強くなって脳も活発になるということです。記憶を促すために,手で覚えなさいといわれますが,根拠があることなのです。同じ字を何度も書くという作業をするから,字が覚えられるのです。眺めていては覚えません。
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