*** 子育ち12章 ***
 

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「第 48-04 章」


『子育ちは 気持ちをつなぎ 支え合い』


■子育ち12習慣■

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『子育ち第4習慣』

【感謝の気持ちを伝える】

●子どもは周りの大人たちの世話を必要としています。いろんな世話をしてもらったら,そのときに「アリガトウ」の言葉が言えるようにしつけられます。アリガトウが素直に言える子どもは可愛がられるでしょう。一方で,アリガトウを言えない子どもは,人情的に,してもらうことが少なくなるでしょう。そうだからといって,世話をしてもらうために,ありがとうを言うというのは,本末転倒です。その点はきちんと弁えさせなければなりません。

●世話を受けた際の思いにはいくつかのパターンがあります。世話してほしいときに世話されると,うれしさがいっぱいです。アリガトウと言えます。世話を期待していないときに世話されると,どうしてという思いがでてくるでしょう。世話を期待していないときに世話されないと,どうということはありません。気をつけるのは,世話してほしいときに世話されないと,がっかりして,してくれないことを恨む気持ちが湧いてきます。してほしいという気持ちに引きずられて,人を非難することのないようにしなければなりません。

●子どもが児童期に入ると,人付き合いはお互い様であることをある程度納得することができます。世話をしてくれる人がわざわざしてくれていることが分かるので,本当に感謝の気持ちを持つことができます。その気持ちがお礼の言葉に込められるので,しっかりした子どもなります。感謝は相手を尊重することであり,結果として自分が尊重されることになり,対等なお互い様のつながりが生まれます。子どもを一人前として扱う大人がそばにいてくれることが望まれます。

●恥ずかしかったり照れたりして,アリガトウと感謝の言葉を言いそびれることもあります。そんなときには,うれしい笑顔を見せるだけでいいのです。言葉がなくても,態度で喜びを伝えることができれば,感謝の気持ちを受け取ってもらえます。何かをいただいたらお返しをするのが世間の義理ですが,感謝の気持ちを伝えることが相手の気持ちに対するお返しです。人と人との関係は,何かある毎にきちんとけりを付けておくことで,次につながっていきます。人付き合いが苦手にならないように,しつけてやりましょう。

●日々の暮らしの中では,嫌な経験をすることもあります。その嫌な経験に対する負の感情に効く薬は,よい経験に対する感謝の気持ちを持つことです。物事に感謝していると,平常心が強い満足感に彩られるので,より前向きな気持ちを保っていて,より幸せを感じるようになります。感謝したいことを見つけるように,導いてやりましょう。庭先に小さな花がキレイに咲いてくれている,天気がよくて気持ちいい,雨が降って憂鬱・・・ではなく,草花のために降ってくれる,「ありがとう」と言ってみませんか!

●感謝の気持ちの表明には,古い言葉ですが,「おかげさまで」というものがあります。お世話になった人を思い出したときに「おかげさまで」と思うようになると,実際に会った時の挨拶で自然に「おかげさまで」の言葉が出てくるようになります。また,神仏の前でお祈りをするとき,御利益を神頼みするのではなく,お陰様でと感謝をするのが本来の祈りとも言われます。現在の状況をお陰様でと受け止めれば,新たな明日への決意を宣言する清々しいお祈りができるはずです。皆のお陰で生きているという謙虚さを育てましょう。



 自立するとは世話にならないことと思えば,生き辛くなりますし,周りの人も付き合いづらくなります。世話をするのもされるのも嫌がっているから,無縁社会という望みのない社会に向かっています。世話をするために自立し,自立するために世話をされるという,お互い様という気持ちが人を結びつける絆になります。生きる力の土台となる心がけを育てるのが家庭と地域の教育力です。そこでは,子どもは親の暮らしぶりを見習って育ちます。親自身が身をもって示す教育のために,この版では親向けの話にもなっています。

★落書き★

 長崎名物の皿うどんは,細くてかりかりの麺にあんをかけたものです。よく考えると,細い麺をうどんというのは少し気になります。皿うどんのルーツは中国のチャーメン(炒麺)で,江戸時代に唐人屋敷で中国人が食べていました。明治時代になって唐人屋敷から出ることを許された中国人が長崎市内で料理店を始め,チャーメンもメニューに加えました。ところがチャーメンではどんな料理か分かりにくいので,うどんの名を借りて「皿うどん」と名付けられたのだそうです。無いものは名を借りなくては仕方がないのですね。


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