*** 子育ち12章 ***
 

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「第 48-05 章」


『子育ちは 言葉覚えて 知恵を得る』


■子育ち12習慣■

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『子育ち第5習慣』

【言葉を多方面から使う】

●情報社会の中で育っている子どもたちは,映像を視て音声を聞いています。映像の情報量が多いので,人の情報処理機能がほとんど映像処理に費やされて,音声処理は付け足しになります。その音声の中に言葉が紛れ込んでいるので,言葉の力が育ちません。状況判断には論理的な分析が必要ですが,それは言語によって行われます。向こうから犬がやってくる。犬という言葉を知っていると,経験的に知っている犬のあれこれを想起し,どうすれば犬が喜ぶかを思い出せば,怖くはありません。言葉は知恵の目録です。

●今の子どもたちは言葉を知っていると思っているようですが,文字言葉については,とてもひ弱になっています。絵本ではなく,文字本に親しんでいないせいでしょう。文字言葉から自分のイメージを創作する力が備わっていないと,いわゆる読解力が発揮できません。例えば,教科書を読んで理解できないというのは,文字言葉の素養不足です。100%は無理ですが,70%は理解できて,残り30%が今ひとつよく分からない,その部分を授業で学ぶようにすることが予習であり,学力向上のコツです。

●子どもは手当たり次第に言葉を摂取します。良い言葉もあれば悪い言葉もあります。悪い言葉を避けるのではなく,悪い言葉を悪い言葉として,きちんと整理しておくことが大事です。知っていなければ,悪い言葉とはどのようなものかという判断をすることができないからです。良い言葉とはどのような言葉かも,いくつかの例として覚えておかなければなりません。あったか言葉やちくちく言葉といった呼び方で,子どもたちは言葉の品質を学んでいます。良い言葉,正しい言葉,美しい言葉,それが子どもの性格の糧になります。

●人はそれぞれに固有の言葉世界を持っています。例えば,赤という言葉で真っ先にイメージするものは,人によって違います。「部屋に机があります」という文章から思い描くものは,子どもであれば自分の部屋と机,お父さんは会社の部屋と机,おじいちゃんは和室の書き机でしょう。今話題の「いじめ」。ある行為がいじめであるかないか,見解の相違がいじめを見逃しています。特に加害者のいじめではないとする曖昧さが問題です。人間関係に関わる言葉は曖昧にしないように,きちんと意識させないと,責任を問われます。

●人の思考には,慣れとか思い込みというものがあります。慣れはその都度はじめから考えていく繰り返しの無駄を省くため,思い込みは堂々巡りなどに陥りそうな状況を回避するためです。状況が流動的になると,慣れや思い込みから抜け出さないと,行動を間違えます。こうなるはずだという思い込みは,裏切られることがあります。交差点で「車は来ないだろう」という思い込みを,「車が来るかもしれない」という用心に変えることです。言葉を換えることで,新しい展開が可能になります。

●洗練された言葉を身につけることが,基本的な身嗜みです。言葉遣いは知性だけではなく,感性を映し出します。言葉を洗練するためには,多世代の人と会話をすることが必要になります。同世代の人の間では言葉が省略されますが,異世代の間では言葉を伝えるために,言葉をきちんと選んで過不足なく整える必要があります。誰とでも話ができる,子どもであれば,年下の子どもとも,隣のおじさんとも,公園で出会うお年寄りとも,笑顔で話すことができる素養を身につけさせましょう。



 言葉は人が生きていく上で不可欠な資産です。言葉の不良品を紛れ込ませないようにしなければなりません。食物の不良品が身体を害するように,言葉の不良品は精神を害します。人を害しようとする悪意が悪口雑言を用いるのは,言葉が心につながっていることを知っているからです。情報社会の中で溢れている言葉には玉石混淆,薬もあれば毒もあるということを弁えて,言葉を選ぶいくつかのフィルターを用意してやりましょう。フィルターとは,よい人の言葉を真似することです。

★落書き★

 クマさんは冬眠する動物だと,子どもたちは知っています。冬眠するのは,冬になると餌が無くなるので,寝ているしかないからです。冬が近づくと木の実や川魚などをたくさん食べて生きるために必要なエネルギーを皮下脂肪として蓄えます。皮下脂肪を蓄えたら,冬眠に入ります。ということは,皮下脂肪を蓄えなかったら,冬眠をしないことになります。冬眠したら死にます。動物園に飼われているクマは,餌の量が一定なので皮下脂肪が貯まりませんが,代わりに冬の間も餌が与えられるので,冬眠はしません。


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