*** 子育ち12章 ***
 

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「第 48-13 章」


『子育ちは 幸せ紡ぐ 願いから』


■子育ち12習慣■

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『子育ち第13習慣』

【幸せを目指して生きる】

●幸せとは,仕合わせとも書きます。仕は○○するということであり,「すること」が仕事と言われます。幸せとは,○○し合うという形が基本になりますので,自分一人の幸せはあり得ないことになります。遺伝子はわがままであると学者が語るのを聞いたことがあります。人は生き物として自分だけのことを考えている一方で,種という枠組みでのわがままも機能しています。子どもにとって家族を主とした,周りの人と共に生き合うという仕合わせの時を幸せと感じる連鎖が大事です。

●安心できないと,幸せは流れていきます。しかし,不安がないから幸せかというと,少し違います。居場所は安心できる場所であることが必要ですが,それだけは十分ではありません。居場所とは,人のつながりがあるということで完全なものとなります。独りぼっちではないということです。子ども部屋に追い出された孤独な子どもは,居場所がないと感じているはずです。若者が情報機器に包まれて人とつながっている気分になっていても,無縁であることの埋め合わせにはなりません。

●無視されて言葉が途絶え,誰も分かってくれないとなると,生きていく元気が萎えていきます。ネグレクトはいじめや虐待の手軽な手段ですが,受ける打撃は想像以上に重大です。失って分かる大事さです。逆に,お互いに分かり合うための対話が通い合っていると,幸せな気持ちが行き交います。温かな言葉を持っていると,心がつながります。優しい言葉を語っているから優しくなれます。試しに乱暴な言葉を使ってみると,気持ちがすさんでくるはずです。言葉は人の結びつきの有り様を左右します。

●お金が大切といったモノに関わる価値観ではなく,大切な人がいれば,人に関わる価値観を持つことができます。足るを知るといった曖昧な覚悟ではなく,分かち合うという具体的な確信に支えられる幸せを感じることができます。かつて,兄弟姉妹に恵まれていた子どもたちは,幼い弟や妹をかばうという経験によって,誰かを守るという崇高な志を育んでいました。それが熟していった時,大志を抱くといった生き方ができるのです。愛を求めるだけではなく,愛を護る気概を育てていきたいものです。

●弱い人間という自覚があってこそ,向上・発展に精励しようという気持ちになります。異年齢のつながりの中にいて,下の子より育っている自分を知り,上の子までには育っていない自分を自覚します。同世代の子ども同士は同じ弱さを持っているということで,労り合い,慈しみ合うという幸せがあります。一方で,上の子までの育ちはもう少しと見えるので,何とかついていけるとやる気になります。大人と比べた時のように育ちの差が大きいと,育ちを諦めてしまいます。自分の現状の承認が幸せの基盤です。

●人は自由になる手を持ち,直立することで重たい頭を支えることができるようになりました。大きな脳で考える力と手による器用な活動を結びつけることで,発展の歴史を刻んできました。人の一生も手を使って何かを成し遂げ創造することが幸せでした。何かに没頭している,ひたむきに生きる,健気に生きる,それでいてこそ幸せになります。挑戦せずに逃げていると,幸せは遠ざかります。結果として成功に届かなくても,前に歩んでいるという実感が大切です。親子で打ち込めることを持てるといいですね!



 この号で「子育て羅針盤第48版」は完結します。いかがでしたでしょうか? 子育てという現場から離れた感があったことは反省です。人は幸せになるように生きているのですから,育ちの道も幸せにつながっているはずです。「育つことが幸せ」,そう思うことができたらいいと思いませんか?
 次号からは第49版に入ります。子どもはさまざまな笑顔を持っています。その笑顔を消さないようにしてやりたいものです。笑顔に導かれて育つという子育ちもあっていいのではと,勝手に思い込んでみたりしています。また,スタイルを箇条書きから,短い文章仕立てにしてお届けいたします。なお,12章の構成はこだわりによって不変です。

★落書き★

 寝る時に「お休みなさい」といいます。よく考えると,休みなさいと命令している当人が寝るということになり,立場的におかしな言葉遣いです。もともとは,「ごゆっくりお休みなさいませ」と,寝る人に向かってかける言葉でした。それが,お互いに「ごゆるりとお休みなさいませ」と声を掛け合っているうちに,「お休みなさいませ」になり,「お休みなさい」になりました。自分が寝るために言う言葉ではなく,お互いに相手にねぎらいを込めて言う言葉なのです。ややこしいですね。


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