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「第 49-06 章」 |
『子育ちは 伝わる思い 通わせて』
■子育ち12笑顔■
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『子育ち第6笑顔』
【伝わる笑顔】
道端に咲いてる草花を見て,美しいと思います。最近は「カワイイ」というのでしょうか? いずれにしても,人はなぜ花に心引かれるのでしょう。
花は受粉を手伝ってというサインです。生命の誕生を予感する本能が生き物である人には備わっています。花の切実な語りかけは聞く気になれば聞こえてきます。蝶も蜂も生きることへのお互いの関わりという形で,花に共感し共生しています。花の命が伝わってくるという共感,人はその心の動きを美しさという言葉で定義しました。
蝶は花の受粉を手伝っているのですから,決して菜の花に飽いて桜にとまるようなことはしません。子どもが花を見て何かを感じているとき,親が「きれいね」と言葉を教えて下さい。言葉は美の表現を可能にし,同時にきれいという言葉を通して親子が美を共感できます。心が伝わるためには,それにふさわしい表現,言葉を媒介にしなければなりません。今,子どもたちは何に対しても「スゴイ」といった類の一言しか言いません。豊かな言葉とは心に相応しい,多様な表現であるはずです。言葉の貧しさは心の貧しさと表裏一体です。
北海道から東京へ出稼ぎに行っていた父親が年末に帰郷します。その日を指折り数えて待っている小学2年生の女児がいます。「父親が帰って来たら何を話す」という問いかけに,その女の子は「分からない」と答えました。「どうして?」,「いっぱいあるから」。それでは「駅で出迎えのときには何て言う」という問に,女の子はしばらく考えていました。やがて「笑う」とだけ答えました。
普通なら「お帰りなさい」でしょう。でも,違いました。笑顔,それは人を無条件に迎え入れるサインです。心を精一杯に開いた時にしか,笑顔はつくれません。父を迎えるのに,これ以上の可愛い娘の思いが伝わる歓迎の笑顔はないでしょう。
親子の心の通い合いは親が押し付けるものではなく,子どもが心を開いたときに,温かい言葉を添えて共感することです。子どもの心を開かせるには,親は聞く姿勢を取らなければなりません。笑顔,それが子どもを分かろうとしている親としての最も大切なメッセージになり,同時に,笑顔を子どもは見習って,心を開く楽しさをしつけられます。
愛想笑いとか,ニヤニタ,ニヤニヤした笑顔があります。照れ笑いや,ごまかし笑いもあります。笑いの表情から,その人の顔の奥にある思いや気持ちが伝わってくるから,笑いはいろいろな言われ方をします。いじめられている子どもが,動揺している気持ちを隠そうとする笑顔があります。そのぎごちない笑顔は,周りにはぎごちない思いを伝えてしまいます。どのように共感をすればよいのか,迷わせます。迷いは立ち往生を招くので,いじめの歯止めが掛からないままにエスカレートします。誤用された笑顔は伝わりません。
素直な子どもは,すくすく伸びていきます。素直に母親の手作りの食事を食べている子どもがよく伸びるように,素直に親の言葉を受け止めている子どもが,よく伸びます。食べ物の好き嫌いをすると身体に必要な栄養が片寄って機能を十分に発揮できなくなるように,知恵の好き嫌いをすると心に必要な価値が片寄って能力を十分に発揮できなくなります。環境が人を育てるともいわれますが,それは環境と素直につながっているという前提があります。子どもの育ちには,素直さが有効なのです。
★落書き★
寒くなってくると,風呂のお湯につかって身体を温める楽しみがあります。ところで,身体が温まると,皮膚がかゆくなることがあります。身体に付着しているかもしれない汚れのせいではありません。生理現象です。入浴すると身体が温まり,皮膚に血液が集まります。その結果として,皮膚の神経が刺激されるので,かゆみという反応が起こります。外からの刺激によるかゆみではなく,内からの刺激にも反応することがあるのです。
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