*** 子育ち12章 ***
 

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「第 51-08 章」


『子育ちは 皆とつながる 願いから』


■子育ち12因子■

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『子育ち第8因子』

【社会的役割】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。2つの領域にそれぞれ6つの視点を重ねると,12の論点が生じます。
 第1の誰が育つのかという問には,鏡に映っている自分を見ているもう一人の自分が育つと考えます。しっかりしろと自分を励ましているもう一人の自分が育たなければならないのです。これまでの子育て羅針盤の形式に添って,奇数章では,もう一人の自分の育ちを考えていきますので,この版では特別に分かりやすいように「主体的」という言葉を冠します。偶数章では,人は社会生活が必至なので,自分は他者と対等な関係を持つことができるように育つと考えて,「社会的」という言葉を冠します。他の5つの視点についても,同様とします。

《役割》
 「大きくなったら,何になりたい?」。大人は子どもに尋ねますし,子どもは明日の自分に思いを重ねます。何になるということは,どのような仕事をする人という意味でしょう。仕事とは社会的な役割です。他者に対して自分は何を引き受けるかという覚悟を持つということです。好きなことをしたいというだけではなく,皆に喜ばれることをしたいという選択をする方が大事です。自分の欲望ではなく,社会の価値に照らして,自分の役割を考える力を養うようにしましょう。

○お子さんは,社会生活上のルールを弁えていますか?

 人が競い合う試合はルールに則って行われなければなりません。反則や不正は試合をぶちこわしにします。人が絡み合う社会にもルールがあります。罰則を伴う法律だけではなく,マナーやエチケット,道徳や慣習といったものもあります。お互いに助け合うための社会で生きていくために,正しい価値判断の物差しを持つことが必要です。助け合うということを自分の役割とするキーワードが「どうぞ」という言葉です。「ありがとう」と言ってもらうためには,「どうぞ」を自分から先に言わなければならないのです。

○お子さんは,人と一緒に同じ目標に打ち込んでいますか?

 役割を担うことにより,社会の一員という認知がされます。人それぞれに違った役割を果たしながら,その役割が結びついていくと,大きな社会的な活動や事業が達成できます。分業化した社会では,個々の役割の意味が見えにくくなりますが,何のためにという目標を意識することは可能です。家庭の雑用も,家族がそれぞれ担うことによって,家族としての豊かな暮らしを目標としています。子どもに単なる手伝いをさせるのではなく,暮らしの一部を担いながら,それが家族のためになることをきちんと教えてやりましょう。

○お子さんは,皆のためなら嫌なことでもやる気なっていますか?

 道に落ちているゴミを拾って片付ける。それは誰のためというものではなく,誰でもない皆のためのことです。そのような境地に届かなくても,好きな人のためなら,家族のためなら,お母さんのためなら,友達のためならと,身近な人を思い描いて行動することはできるはずです。その経験を重ねていくと,ごく自然に皆のためになることを,苦にせずにやり遂げることができるようになります。面倒だから止めておこうというのが逃げ口上であることは明らかです。面倒だからやろうという発想が,心を豊かにしてくれるはずです。



 魅力的な人の条件の一つは,向上心です。成長を子どものものという思い違いをして,大人になると向上心を捨ててしまう人がいます。心の成長は深く広いので,尽くせないものです。中途半端なままでいながら,自分は完全に学び終えたという傲慢さは,とても見苦しい感じを与えます。できる人であれば,できた人になれるというのは錯覚です。人としての成長は,自覚的に向かわなければ,恥ずかしながら中退となります。子どもが与えてくれるPTAという学びの場を十分に活用して,単位修得の上卒業されることをお祈りします。

★落書き★

 「時計」という字は,ありふれていて,誰も妙だなと思っていないようです。「とけい」と読みますが,時の字は「ジ」と音読みし,「とき」と訓読みをします。「と」という読み方はしません。時計をとけいと,どうして読んでいるのでしょう。時計は当て字なのです。室町時代に伝わって,トケイと呼ばれ,土圭,斗計,斗景など,いろいろな漢字が当てられていました。トケイ・土圭は,古代中国で日影などを測定する器具の名前です。時計はトケイに当てたものでした。

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