*** 子育ち12章 ***
 

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「第 51-09 章」


『子育ちは 日々少しずつ 積み上げて』


■子育ち12因子■

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『子育ち第9因子』

【主体的成長】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。2つの領域にそれぞれ6つの視点を重ねると,12の論点が生じます。
 第1の誰が育つのかという問には,鏡に映っている自分を見ているもう一人の自分が育つと考えます。しっかりしろと自分を励ましているもう一人の自分が育たなければならないのです。これまでの子育て羅針盤の形式に添って,奇数章では,もう一人の自分の育ちを考えていきますので,この版では特別に分かりやすいように「主体的」という言葉を冠します。偶数章では,人は社会生活が必至なので,自分は他者と対等な関係を持つことができるように育つと考えて,「社会的」という言葉を冠します。他の5つの視点についても,同様とします。

《成長》
 成長について忘れてはならないことは,成長は一つ一つ積み上げるものであるということです。3階がいいからといって,1,2階が無しでいいとはいかないのです。子どもらしい育ちをしていないと,青年にはなれず,ましてや成人にはなれません。いきなり大人になることはできないのが成長過程です。例えば,算数の勉強も足し算から引き算に,掛け算にと順を追って学んでいくことになります。そういう基礎を疎かにすると,上に積み上がっていく学びについていけなくなります。成長という営みも同じです。

○お子さんは,自分の長所も短所もかなり把握していますか?

 リスクマネージメントは弱点を知ることから始まります。勇気は弱点を認めることから生まれます。成長は短所を認知することから開かれます。人は自分が今できることで十分と思い込むものです。そのときに成長が滞ります。自分はまだまだ至らないという未熟さを自覚しているから,成長を楽しみと感じることができます。自分の未熟さをどのように克服していくか,それが成長の目標となります。日々何を目指せばいいのか思い浮かばないという目標喪失は,成長の停滞となります。子どもの未熟さを大事に支えて下さい。

○お子さんは,困ったとき,自分ができることをしていますか?

 暮らしの中で,子どもはあれこれと行き詰まることがあります。すぐに諦めて,助けてもらおうとします。そのときに,子ども自身が何かできないか,どこまでかでもできないか,自分の力を出してみようという主体的に取り組む姿勢が成長の駆動力です。成長が積み上げであるということは,具体的には,できることを積み重ねるということです。やり遂げる力はなくても,途中までならできるということでいいのです。途中までを省いたら,先に進むことはできません。成長は地道にできることをつないでいくことなのです。

○お子さんは,目標には最後まで食い下がっていっていますか?

 継続は力なり。分かっているのですが,面倒になって途中で止めてしまいます。がんばるということは,継続することです。昨日途中までしていたことを,今日は続けてやってみるということです。日々途中までしかできませんが,日を重ねて続けると,たいていのことは片がつきます。千里の道も一歩からといわれます。一歩を進めようとする意欲がなければ,どこにもたどり着けません。目標に向かう一本道を地道にテクテクと歩いて行く,それが成長の基本形です。手助けしてやると,自分の足で歩いていないので,育ちません。



 どうせしなければならないことなら,楽しくやろうと考えましょう。集団活動に参加するのではなく,参画しようとすればいいのです。活動についての話し合いがあるときに,計画の揚げ足を取ったり,不都合な部分を洗い出したりするのは,大人げない仕儀です。不備があるのは当たり前であり,その不備をどう乗り越えていくか,知恵を出し合おうとすることが話し合いの目的です。何かさせられるという気持ちで話し合いに臨むのではなく,共にしようという気持ちを出し合う参画をしてください。

★落書き★

 子どもの本は,3,4歳児向きとか,小学生低学年向きといった表示がされています。これには,公的な根拠はなくて,出版社が独自に決めているものです。児童書の場合,企画段階で,例えば小学校3年生向きと決めて,著者に原稿を依頼します。著者もそのつもりで執筆し,編集段階で3年生が読める漢字にするといった気配りがされています。児童書のつもりで読んでいても,つい感動させられてしまうこともあります。人としての思いには,年齢はないのかもしれませんね。

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