*** 子育ち12章 ***
 

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「第 52-02 章」


『子育ちは 自分らしさを 大事にし』


■子育ち12疑問■

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『子育ち第2疑問』

【親が区別するが,子どもは比較されるとは?】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが版の構成となります。
 第1の誰が育つのかという問には,鏡に映っている自分を見ているもう一人の自分が育つと考えます。しっかりしろと自分を励ましているもう一人の自分が育たなければならないのです。これまでの子育て羅針盤の形式に添って,奇数章では,もう一人の自分の育ちを考えていきます。偶数章では,人は社会生活が必至なので,自分は他者と対等な関係を持つことができるように育つと考えていきます。他の5つの視点についても,同様とします。
 この版では,大人と子どものすれ違いを題材にして,「子育て」と「子育ち」という対照について考えてみようと思っています。

《区別》
 「お兄ちゃんでしょ。もう小学生でしょ」。立場を理解させることで育ちを促そうという親の思いです。子どもがそう言われているときは,したいことが禁止されたり,したくないことが強制されたり,何らかのことを我慢させられるときです。その場に居合わせた弟や園児は,免れていることもあるでしょう。「お兄ちゃんではない,小学生でいたくない」,そう思わせないように気をつけましょう。お兄ちゃんであること,小学生であることを喜びとするような状況に導きましょう。
 区別とは,そのことによって物事を分かりやすくすることです。例えば,学年の区別は,それぞれの学年の課題を明らかにして適正で効果的な取組を促すためです。小学一年生にいきなり割り算を教えても意味がありません。1年生が割り算ができなくても,だからといって,1年生がダメだということではありません。優劣とか勝敗といった価値尺度とは無縁なものです。その他には,例えば,ひいきの野球チームがどこかという区別などもあります。

《比較》
 すれ違うとき,上から下まで眺めて,勝っていると見定めをしているそうです。勝ってうれしい負けて悔しい,という人情があります。「同じ3年生なのに,どうしてあなたの成績はこうなの?」。同じであるはず,同じであるべき,その前提がある中で,違いを明示する物差しが現れると比較となります。優劣や勝敗の他に損得という物差しもかなり強力です。お兄ちゃんでしょ。それが兄弟に向かって持ち出されたとき,同じ兄弟なのにという思いから,比較され,えこひいきされているという不公平さを感じ取ります。
 体重50kgと身長150cmは区別できますが,比較できません。ところで,身長150cmと180cmは比較することができます。違いや差が算定できるとき,比較になります。比較の中では平均という量が現れて,平均以上と以下で評価の優劣が付与されると,比較はあまり歓迎されないものになります。最も切実な例が,試験の点数です。試験の点数は各個人がどこまで理解が進んでいるかを示す指標ですが,優劣比較に転換されるとき,本来の役割が果たせなくなります。必要以上の比較は避けるようにしましょう。



 正々堂々。そういう態度を目指す男の子。今時,そんな男の子がいるわけがないと言われそうです。男性が子育てから撤退したお陰で,男の子が育てなくなっています。弱い者いじめは卑怯である,といった正義感を男の子にしつけてこなかったせいで,こそこそとした陰湿ないじめが蔓延し,明るいケンカが消えていきました。ケンカをすることで,人との間合いの取り方を会得することができるのに,その好機を,父親を放棄した大人がないがしろにしてしまったのです。男の子を育てるのは,父親なのですが?

★落書き★

 山の高さは標高といい,海抜ともいいます。海面からの高さを測るからですが,その海面とはどこの海面でしょうか? 東京湾の平均海面の高さを0メートルとして,基準として,全国の標高を測っています。ところで,海面は満ち引きがある上に,波もあって定まりません。どうするのでしょう。そこで,国会議事堂横の公園に「水準原点」を定め,その地点を標高24.4140メートルと定めています。この高さを基点として標高が決められています。


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