*** 子育ち12章 ***
 

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「第 52-03 章」


『子育ちは 育つ気持ちが あればこそ』


■子育ち12疑問■

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『子育ち第3疑問』

【親が見守るが,子どもは見張られるとは?】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが版の構成となります。
 第1の誰が育つのかという問には,鏡に映っている自分を見ているもう一人の自分が育つと考えます。しっかりしろと自分を励ましているもう一人の自分が育たなければならないのです。これまでの子育て羅針盤の形式に添って,奇数章では,もう一人の自分の育ちを考えていきます。偶数章では,人は社会生活が必至なので,自分は他者と対等な関係を持つことができるように育つと考えていきます。他の5つの視点についても,同様とします。
 この版では,大人と子どものすれ違いを題材にして,「子育て」と「子育ち」という対照について考えてみようと思っています。

《見守り》
 親は保護者という役割意識があるので,子どもを守らなければという気持ちが強く出てきます。そのことは当然のことですが,一方で,親はハラハラしたくない、安心していたいという気持ちも持っています。未熟な子どもを心配する気持ちがあるために,ついつい子どもを安全圏に引き留めておこうとします。見守るつもりで過保護になります。子どもを保護下に置くということが,次第に監督下に置くというようにエスカレートすると,子どもを見る目が監督者の目になります。
 保護者であろうとすると,子どもがきちんとしていないのは親のせいだと思われるのではないかというストレスを感じます。よそ目を気にすると,子どもに言って聞かせてもすぐにその通りにできないときに,叱ってでもさせようとする焦りが出てきます。子どもの育ちのペースを待てなくて,どうして困らすのと無意識に邪推するようなこともあります。至らなさを探す目になるとき,子どもを見張る目になります。見守りとは,自分が保護しているから大丈夫というメッセージを添えて,子どもの側に寄り添う目です。

《見張り》
 子どもがしてみたいと思ってしていますが,転んだりすると「どうして余計なことをするの」と責められます。子どもはただ単にしてみたかっただけです。車を運転していてパトカーが後ろに付くと,何となく嫌な感じになります。同じように親の目が後ろに張り付いていると,子どもは嫌な感じになることがあります。子どもは常に初挑戦です。上手くいかないことなど慣れっこです。できたらいいなと思っているのに,親はどうしてできないのかというマイナス評価を突きつけてきます。結果を見る目が見張る目になります。
 男女の仲は,夜目,遠目,傘のうちといわれます。同じように,親子の仲も,横目,遠目,大樹のうちと鷹揚に構えているくらいが程よいのです。近目で見過ぎてしまうから細かい指図をしてしまい,何かしくじりや不正がないかと鵜の目鷹の目で詮索する見張りをしてしまいます。目の前のことですから口出ししないわけにはいかないという状況です。子どもが望んでいる親の目は,ちょっと離れたところから,ここにいるから安心しなさいと,見守ってくれている目なのです。


 お母さんの小言は,とてもしつこいのです。同じことをなんべんも。そう言うと,なんべんも言わせるのはあなたのせいです! それに,今は関係のない昔のことから蒸し返してくるので,どうにも返事に困ります。その点,お父さんの小言は迫力がありますが,ごめんなさいの一言で許してもらえるのですっきりします。男の子は男同士という間柄に自分のアイデンティティを感じることがあります。男の約束,そういうことを教えてくれるのが父親なのですが?

★落書き★

 連日夏日という季候がつらいですね。ところで,気温の30度は暑いのですが,お風呂の30度は寒く感じます。この違いはどうしてでしょう? 空気は熱を伝える能力が低いので体温をそのまま温かく包みます。他方で,水は熱を伝える能力が空気の20倍以上もあるので,30度のぬるい湯に入ると体温がどんどん奪われていくので寒く感じるのです。気温30度でも,うちわで扇いで温かい空気を動かしてやると体温が奪われて涼しくなります。


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