*** 子育ち12章 ***
 

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「第 52-05 章」


『子育ちは 言葉受け取る 人がいて』


■子育ち12疑問■

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『子育ち第5疑問』

【親が対話するが,子どもは指示されるとは?】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが版の構成となります。
 第1の誰が育つのかという問には,鏡に映っている自分を見ているもう一人の自分が育つと考えます。しっかりしろと自分を励ましているもう一人の自分が育たなければならないのです。これまでの子育て羅針盤の形式に添って,奇数章では,もう一人の自分の育ちを考えていきます。偶数章では,人は社会生活が必至なので,自分は他者と対等な関係を持つことができるように育つと考えていきます。他の5つの視点についても,同様とします。
 この版では,大人と子どものすれ違いを題材にして,「子育て」と「子育ち」という対照について考えてみようと思っています。

《対話》
 子どもが外から帰ってきます。「どこに行っていたの?。暑かったでしょ」「うん」。「汗をかいた?」「うん」「脱いで」「脱いだものは洗濯機に」とたたみかけていきます。子どもとの対話をして,身の回りの世話もちゃんとできています。ところで最初の語りかけ「どこに行っていたの?」に,子どもは答える暇がありません。ポンポンと母親のペースで進んでいきます。母親の都合に沿った言葉掛け,すなわち指示になっていて,子どもの言葉などは全く聞くつもりなどないようです。
 汗びっしょりになったので着替えようと思って帰ってきたのに,それを先取りされてあっという間に事が運んでしまいました。幼い子どもは,お母さんはすごい,私のことをなんでも分かっている,どうして着替えようと思っていることが分かっちゃうのかな,と感動することでしょう。保護者としての気配りは大事なのですが,少しずつ子どもの自立に任せていくために手控えていく必要があります。その保護程度の見極めをするためには,子どもとの言葉の交換,対話が必要になります。

《指示》
 親や先生からあれこれと指示されているうちに,指示されないとどうしてよいか分からなくなります。「何でも自由に写生をしなさい」といわれて,「○○を描いていいですか?」と確認を求めます。指示命令に対しては「はい」という服従の発言しかできません。自分がどう思い考えるかという表明は,言い逃れなどとして却下されます。対等な意思・思いの交流はあり得ません。余計なことは考えずに,言われたことをしていればいいの,という言論統制は,弾圧そのものです。言葉が死んでいきます。
 指示は,守備の選手に向けてボールを打ち込んでいくシートノックのようなもので,ボールを打つ者,投げる者が固定し,受けにくい場所をめがけてボールが打たれます。対話は言葉のキャッチボールと言われており,言葉を受けて言葉を投げ返し,受けやすいように相手の胸にめがけて投げます。「暑かったでしょ?」「うん,暑くて汗をかいちゃった」「着替えなくちゃ」「着替えた服はどうするの?」「洗濯機に入れておいて」。対話は2人で物語を紡ぎ出すように言葉が絡まっていくことです。聞く姿勢が対話のポイントです。



 スーパーなどに買い物に行ったとき,父親は目指す買い物に一直線ですが,母親は途中の道筋で見るだけという買い物擬きをします。これは男と女の脳の構造の違いによる特性だそうです。子どもはこの男女の違いを父親と母親との姿から学び取らなければなりません。もし母親の姿しか知らないと,男の振るまいが理解できずに,付き合いができなくなります。男女差別という次元ではなく,現実の性差を正しく認識することが男女睦まじく生きていく上で大事なことです。男の姿を見せるのがお父さんの役割なのですが?

★落書き★

 暑さでばてて休養を取らなければなりません。幼児のように昼寝ができたらいいのですが,そうもしていられません。ところで,寝過ぎてかえって疲れるという経験がありませんか? 寝ることで疲れるのは悪い睡眠で,その原因は寝相がよいことだそうです。寝相がいいとは寝る姿勢が一定だということですが,寝ている間に体の筋肉が凝ってしまいます。長く同じ姿勢でいると疲れるのです。寝相が悪く一晩中動き回っている子どもは,疲れることはなく,体の凝りがほぐれ,血液の循環がよくなり,快眠につながっているのです。


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