*** 子育ち12章 ***
 

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「第 52-04 章」


『子育ちは 構い構われ 程よくに』


■子育ち12疑問■

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『子育ち第4疑問』

【親が信頼するが,子どもは放任されるとは?】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが版の構成となります。
 第1の誰が育つのかという問には,鏡に映っている自分を見ているもう一人の自分が育つと考えます。しっかりしろと自分を励ましているもう一人の自分が育たなければならないのです。これまでの子育て羅針盤の形式に添って,奇数章では,もう一人の自分の育ちを考えていきます。偶数章では,人は社会生活が必至なので,自分は他者と対等な関係を持つことができるように育つと考えていきます。他の5つの視点についても,同様とします。
 この版では,大人と子どものすれ違いを題材にして,「子育て」と「子育ち」という対照について考えてみようと思っています。

《信頼》
 手の掛かる子どもを持っていると,「うちの子は手の掛からないいい子で」と話す親が羨ましくなったりしますね。乳幼児であればできないことが多いので、親の方も手が掛かるのは当たり前と思っています。あれこれできるようになってから,手が掛かるか掛からないかが気になり始めます。手が掛かるとは,一々口で構わなければならないような状況です。何も言われなくてもきちんとしている子どもは,手が掛からなくて,親から信頼されていることでしょう。
 見ていなくても,構ってやらなくても、ちゃんとしている,そう信じて任せっきりになっていきます。任せっきり,それは放任になります。そんなことはないと思われますか? 任せっきりにしているということと,子どもに無関心でほったらかしにしているということとは,親の側の思いは違いますが,子どもにとっては同じように感じられます。信頼していた子どもが,とんでもないことをしでかして大騒ぎになるとき,ちゃんと見て構ってという訴えをしているのです。

《放任》
 子どもが育つためには,居場所が必要です。子ども部屋があれば,居場所は確保できたということではありません。居る場所,それは居ていい場所ではなく,居なくてはならない場所でもなく,居て欲しいと願われている場所です。みんな揃って食卓につきたいという家族の思いがあるとき,その食卓が居場所になります。子どもの居場所は子ども部屋ではなく,居間なのです。リビングルーム,living room,生きている部屋,子どもが育つ部屋なのです。
 構ってもらえないと,自分は居ても居なくてもいい存在ではないかと疑います。もしかしたら,居ない方がいいのでは? そう思うようになったら,育つことができません。生きることがつらくもなります。ちゃんと育って手が掛からなくなったら,親が構わなくてよくなったら,子どもに構ってもらうようにすることです。信頼とは,信じて頼ることです。頼るということをすれば,居て欲しい存在になることができます。手伝いをさせるのではなく,手伝いをして貰うようにお願いするのです。共に暮らすように考えればいいのです。



 雷おやじという言葉がありました。サザエさん一家のお父さんです。カツオのいたずらやずる賢い行動にバカ者という雷が落ちます。雷を落とすことができるお父さんが居なくなっていないでしょうか? 子どもの行動や気持ちが曲がりそうなときには,たたき直すことが必要です。もちろん手を挙げるという体罰ではありません。本気で叱るという雰囲気を漲らせればいいのです。ここぞというときにドカンとカミナリを,そういう役割を担うことによって,お母さんの優しさを引き出すのがお父さんのはずなのですが?

★落書き★

 育という字は,育てるという読み方の他に,育むという読み方もあります。育むとは大事に育てることをいいます。「はぐくむ」の語源ですが,羽包む意からという説があるそうです。親鳥が羽の下に雛を抱いて育てる意から生まれた言葉ということです。さらに転じて,慈しみ大切に扱う,かわいがる意ともなり,さらに,養育する,面倒を見るという意,かばう,保護する意ともなっていきました。「くくむ(包む)」とは,大切に包むなどの意です。


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