*** 子育ち12章 ***
 

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「第 52-08 章」


『子育ちは あれこれ要りよう 今でしょ!』


■子育ち12疑問■

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『子育ち第8疑問』

【親が供与するが,子どもは贈与されるとは?】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが版の構成となります。
 第1の誰が育つのかという問には,鏡に映っている自分を見ているもう一人の自分が育つと考えます。しっかりしろと自分を励ましているもう一人の自分が育たなければならないのです。これまでの子育て羅針盤の形式に添って,奇数章では,もう一人の自分の育ちを考えていきます。偶数章では,人は社会生活が必至なので,自分は他者と対等な関係を持つことができるように育つと考えていきます。他の5つの視点についても,同様とします。
 この版では,大人と子どものすれ違いを題材にして,「子育て」と「子育ち」という対照について考えてみようと思っています。

《供与》
 子どもは甘いものが好きです。お子様メニューに片寄って,甘くて柔らかい物を与えていると,不都合な結果に至ります。例えば,柔らかい物は歯や顎の噛みしめる機能を軟弱にします。食事前に甘いものを食べると,満腹感が出て,食欲が減退し,食事量が不足します。大人も,美味しいものを食べて肥満気味になり,減量を迫られます。欲しがるから与えるというやり方は,よい与え方ではないようです。喜ぶから与えるという贈与ではなく,本当に必要な物だから与えるという供与をしたいものです。
 絵の教室に行った子どもが,花の種をもらって植えました。水やりを毎日欠かさずに面倒見て,芽が出て葉が伸びてつぼみができて,ある日に,花が咲きました。「咲いた」と思っているときに,先生が絵を描かせました。買ってきた切り花を花瓶に挿して,写生するということが絵を描くことではありません。手近にあるものを描くという技を贈与するのではなく,この花を描きたいという絵心を供与すること,それが子どもに与えるべきことなのです。

《贈与》
 学校での落とし物が貯まっていきます。探しに来る子どもがいないのです。「無くした」「どこで?」「分からない」「ちゃんと探した?」「うん」「しようがないわね。買ってあげるから,もう無くしちゃダメよ」。子どもは無くしても何の苦労もなく新しい物が手に入ります。何でも買えば間に合うという価値観を与えられます。子どもが消費者と目されている社会では,手持ちのモノはすぐに旧式になり,新型が現れて買換えが誘われ,祖父母などから贈与されます。使えるモノを無価値に思わせる与え方は止めるべきでしょう。
 育ち盛りの子ども用品は,サイズがすぐに合わなくなります。今しか着られないものがあります。昔は裾上げや裾下ろしをして大きさの修正をして少しでも長く着られるように工夫していました。きょうだいがいるとお下がりという手もありました。子どもに与えるさまざまな物は,今現在の子どもに相応しいものでなければなりません。早めに与えた方がいいだろうと思って,例えば年齢不相応な学習教材などを与えても,子どもには届かないでしょう。飾り物を贈与されたという扱いになるはずです。



 スポーツのチームが試合前に円陣を組んで気合いを入れます。ことを始める前に,よーし,やるぞと自分に気合いを入れます。眠い朝に,水で顔を洗って,さあ,今日一日がんばるぞ,という気持ちの切り替えをします。ゆったりする時間と張り詰めている時間,その切り替えをしないと,怪我をしたりしくじりをしたりします。するときはする,休むときは休むという気持ちの切り替えは,子どもにとっては授業時間と休み時間の切り替えにも適応されます。メリハリの利いた暮らしのリズムを教えるのが,お父さんの役目なのですが?

★落書き★

 脳は睡眠中,タンパク質の代謝が活発に行われているので,起きているときより20%も血流が増えているそうです。何をしているのでしょう? 起きているときに,脳を使って生じた疲労物質を取り除いたり,消費してしまった脳内物質を補給したりするのが睡眠の主な役割です。体は横になれば疲れが取れますが,脳は眠らなければ回復しません。夜更かしをしないでぐっすりと眠るのが,脳を健康に保つために必要なことです。寝る子が育つのです。


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