*** 子育ち12章 ***
 

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「第 52-10 章」


『子育ちは 期待の重荷 脇に置き』


■子育ち12疑問■

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『子育ち第10疑問』

【親が期待するが,子どもは強制されるとは?】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが版の構成となります。
 第1の誰が育つのかという問には,鏡に映っている自分を見ているもう一人の自分が育つと考えます。しっかりしろと自分を励ましているもう一人の自分が育たなければならないのです。これまでの子育て羅針盤の形式に添って,奇数章では,もう一人の自分の育ちを考えていきます。偶数章では,人は社会生活が必至なので,自分は他者と対等な関係を持つことができるように育つと考えていきます。他の5つの視点についても,同様とします。
 この版では,大人と子どものすれ違いを題材にして,「子育て」と「子育ち」という対照について考えてみようと思っています。

《期待》
 親は我が子について,こんな子どもに育ってほしいという期待を持ちます。名付けという形で,願いが子どもに伝えられます。のんびりゆったりと時間が流れていた時代は過ぎて,今はとても忙しく変わっていく時代です。諸事さっさと運ばなければ,苛ついてしまうようになりました。そのペース感覚のままに子育てに向かうと,指示命令が頻繁に出されるようになり,素早い反応が求められます。「しなさい」,「はい,しました」。言ったことができていないと,「なぜできないの」と責められます。
 優しい子どもに育ってほしい,そう願って「優しい子に育ちなさい」と強制的に指示しても,それはできないことです。無理ななものは無理なのです。「どうして優しくできないの」と責められても,優しいということがどういうことか具体的に分からない以上,お手上げなのです。「美味しい料理をつくって」と言われても,美味しいとはどういうことか,どうすればいいのか,そういうことが分かる準備期間が必要です。子どもの育ちに関しては,育ってくるまでの待ち時間を確保しなければなりません。期待は待つことです。

《強制》
 忙しそうにしているお母さんに,「早くしなさい」と責め立てられています。急かされるとあわててしまい,かえってできなくなります。親は次から次にあれやこれやを迫ってくるけど,子どもは急には育てないのです。○つになったんだから,○年生になったんだから,お母さんはそう言うけど,○年生に急になれるわけはないんです。焦って強制したりせずに,ちょっと離れて見守っていてくれれば,「いつの間にか○年生らしくなってきたね」と言ってもらえると思います。
 学校で授業参観があるときに,お母さんの目が背中にぴたっと向いているような気がします。体が硬くなって,心臓がドキドキします。もしそう思っているとしたら,親としての期待を込めた見守りは強制に変質して子どもに降りかかっていきます。期待通りにならなければならないと思い詰めるのではなく,いつか期待のようになったらいいねと,期待を少し向こうに置いておくようにすればいいでしょう。なによりも,親としての期待に親自身が追い詰められないように,ゆったりとすることです。急がば回れです。



 母子関係が親子関係になって,父親という看板は開店休業になっているようです。その間に,母子関係は母子密着に進んでいき,子どもが圧迫されています。父親が絡むことによって,母子関係が適度の隙間を持つ事ができます。母子だけでは不安定ですが,父母子という三角関係が機能することで,バランスが取れるのです。同時に,3人の関係が社会関係の基本です。2人は社会ではありません。第3者が絡むことで,社会関係が働きます。家庭に社会性を持ち込むのが,3番目に登場している父親の役目なのですが?

★落書き★

 起きているときは,脳から体中に命令が発せられています。脳が眠ろうとすると命令も出されなくなります。居眠りをして頭をぶつけてしまうのは,命令が出されていないからです。ところで,目が乾燥しないように脳から涙を出す命令が出ています。眠くなると涙腺の活動が途絶え,目が乾燥します。そこで,眠気を覚まそうとする人は目をこすって涙の分泌を促そうとします。眠ってしまう人はそのまま目を閉じていきます。眠くなると目をこするのは,脳が先に眠っているので,涙を出す刺激が応急的に必要になるからです。


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