*** 子育ち12章 ***
 

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「第 53-08 章」


『子育ちは 仕事の中に 幸せを』


■子育ち12幸福■

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『子育ち第8幸福』

【自分の仕事から学び続ける限り,しあわせである】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の方位構成となります。
 この版では,子どもたちが幸せに向かって育っていくことを願って,タイトルとして「アランの幸福論」に語られている言葉を選択し,子育て羅針盤の視点で考えてみることにします。

《幸福であるために》
 人は何らかの行動をしています。自分のためにする趣味や娯楽は別にして,仕事をしています。仕事は必ず他者との関係の中にあります。そのために,多くの人は自分の存在価値を仕事に結びつけています。「いなければならない人である自分」という存在感です。仕事を通して他者とつながり,他者が生きることに関わり,他者に必要とされているという自負が基盤にあります。仕事とはそういう意味があると学んで,自分の存在を歓び,自分が幸せであると感じることができます。
 子どもは仕事に関わっていません。勉強が仕事? 違います。他者とのつながりが希薄だからです。子どもが担うことのできる仕事,それは家族との生活に関わることです。自分がいなければならない存在であると子どもなりに認めることができるときに,経験として,幸せな自分を感じています。家族とはいえ他者のためにする行動が仕事であり,それが自分の幸せにつながってくるということを学ばせることが大事です。

《幸福になるために》
 仕事,それは金を得るためにしなければならないこと,そういうことしか仕事から学んでいないならば,幸せとは無縁になります。仮に金を得たとしても,それだけのことです。いい仕事をする覚悟というものがあります。最近話題になっている偽装表示のようないい加減な手抜きのごまかし仕事でないことは自明のことです。それなのに分別のあるはずの大人がやってしまうのは,学びを自分の糧に取り込んでいないからです。いい仕事とは,喜んでもらうことを目的として,自分の誇りを込める覚悟でなされるものです。
 人がしたがらないことをすすんでするようにという教えがあります。汚れ仕事は誰もしたがりません。自分がしたくないことを代わってしている人がいたら,有り難いと感謝するでしょう。その思いを感じることができたら,仕事は感謝に結びついているという学びになります。子どもにとって,いつも自分のために家事という仕事をしてくれている母親に感謝する機会を持たせる必要があります。また,気まぐれに掃除をしてくれた子どもに,有難うという感謝の言葉をきちんと伝えるようにしてください。



 マスコミ報道という情報を受けて,子どもは世間の大人の姿,将来の自分の姿を学び取っています。ところが,偽装表示やコンビニ強盗,贈収賄や飲酒運転,殺人など,世間は悪い大人だらけのように思い込まされています。一方で,タレントの浮かれた姿が蔓延し,呑気に生きている大人もいると勘違いしています。本当の大人は子どもの側にいる親たちです。四六時中という無理は言いませんが,なるべく意識して,大人の本物の姿を見せてやってください。お父さん・お母さんのようになりたいと思ってもらいたくありませんか?

★落書き★

 「こんにちわ」と挨拶をするのに,文字にすると「こんにちは」となります。元々は「今日は,お日柄もよろしく」といっていた挨拶の後半を省略したものです。「こんばんは」も「今晩は,寒いですね」などの後半を省略したものです。出会ったときにいきなり用件に入ることはなく,時候の挨拶から入り,気持ちを揃えるようにする間を取ります。「ところで」と,本題に入っていきます。子どもが親に話すとき,「あのね」といってから始めますが,気持ちを揃えようという合図です。耳を向けてくださいね。


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