*** 子育ち12章 ***
 

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「第 53-13 章」


『子育ちは 自分の命 整えて』


■子育ち12幸福■

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『子育ち第13幸福』

【喜びの源は自分の中にある】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の方位構成となります。
 この版では,子どもたちが幸せに向かって育っていくことを願って,タイトルとして「アランの幸福論」に語られている言葉を選択し,子育て羅針盤の視点で考えてみることにします。

《幸福であるために》
 幸せでありたいから,豊かな社会を作ってきました。豊かさとは,ものが有り余り選択することができることであると考えられてきました。有り余るとは必要以上にものがあふれ選択から漏れたものが残ってしまうという結果に至り,例えば食品の残滓があふれているという矛盾などが現れます。選択する立場は,他から与えられているということであり,幸せにしてもらっていることです。あれもいいこれもいいと選んでいるだけでは,結局目移りするばかりで,際限がありません。欲求ではなく欲望に振り回されていきます。
 子どもを見ていると,買ってもらったモノはすぐ飽きるのに,我慢して貯めたお小遣いで買ったモノは大事にしています。子どもでも,モノを所有することではなく,自分とモノの間にどのようなつながりがあるかという覚悟が大事であると分かるようです。人が持っているから,人がしているからというのではなく,自分が気に入っているから,自分がしたいからという自覚が,自分の喜びを引き出してくれる条件なのです。幸福であるためには,自分の喜びを見失わないことです。

《幸福になるために》
 美味しいものを食べるのが幸せと思われています。それはそうなのですが,濃い味に染まっていくと道を外れます。ものが与えてくれる美味しさを追いかけているからです。美味しさを感じる自分の舌が鈍感になっていることに気がついていません。鋭敏な感度を維持するためには,薄味に慣れることです。子どもの舌は大人と違って敏感です。苦味を大人以上に感じるから,大人のように苦味を楽しむことはできません。子どもが濃い味を習慣にすると,味覚が狂わせられることになり,成人病などにつながっていくと思われます。
 楽しいことが幸せの一つであると思われています。楽しいことを求めて,ゲームに溺れ,盛り場を徘徊します。感情を激しく揺さぶる興奮が蔓延っています。じっくりと湧きあがってくる感動はなくなり,単発的な爆発でしかなく,余韻がないために,すぐに冷め切ってしまいます。誰かが与えてくれる楽しさだけしか知らないからです。自分の頭で考え自分の手で楽しさを創りだすという遊びの基本を知れば,自分の中に楽しさを育む喜びが可能になります。汝自身を知れという言葉を思い起こしておきます。



 100点が目標であれば,60点は不幸です。0点が出発であれば,60点は幸せです。不幸な60点は嫌だから,頑張ってみようということになるかもしれません。幸せな60点だから,もう頑張らなくてもいいということになるかもしれません。見方次第で幸不幸は左右されますが,受け止め方次第でその後の歩みが左右されます。瞬間毎に幸不幸を思うのではなく,ひたすらに生きている自分を誇りに思えるかどうか,そういう幸福感もあっていいのでは思いませんか?

 本号で第53版を終わります。幸福というテーマに沿って書いてきましたが,多少人生訓的な内容になってしまったようで,子育てからはみ出したかもしれません。来年早々からの第54版では,「生きる力の育成を目指す目標」という提言を参考にして,書いていく予定にしています。引き続き読んでいただければ幸いです。

★落書き★

 クラゲ。海の中に浮かんでいるクラゲ,それとも中華料理にでてくるクラゲ,どちらを思い浮かべられましたか? 漢字の「水母」は母という字がクラゲに似ていて水の中にいるから,「海月」は海に映った月の形に似ているからだそうです。では,クラゲという音は? 暗気の意味という説があります。クラゲには目がないように見えるので,目がない,つまり目が暗いと思い込んで,そう呼んでいたらしいということです。使い始めの言葉にはちゃんと意味があったのです。

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