*** 子育ち12章 ***
 

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「第 54-02 章」


『子育ちは 私が生きて 君も生き』


■子育ち12活力■

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『子育ち第2活力』

【自他を理解できる:自尊感情】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の方位構成となります。
 この版では,「生きる力の育成を目指す教育内容・目標の構造」という提言の中で例示されている項目を参考にしつつ,子育て羅針盤の視点から考えてみることにします。

《自他を理解できる》
 個性を尊重するという思いが主流になっています。そのために,自分を大切にするという風に気持ちが向かっていきます。自己愛,つまりナルシシズムが強くなっています。自己保存欲求であり,自然なことです。ところで,もう一つの種の保存欲求が発揮されなければなりません。社会の中で生きるということです。社会にぶら下がるのではなく,社会を維持するということです。自分勝手なわがままは社会にとって不都合であり,他者の迷惑になるということです。私意識だけでは,自然ではないのです。
 人は社会を作って生きているということを自覚するためには,私たち意識を持つことです。家族,友達,隣人,仲間,同胞といった絆の形に応じて,我々という感覚が芽生えます。そこでは,自分を愛していない人に他人を愛することはできない,自分を肯定できない人は他人を肯定できない,自分を憎んでいる人は他人をも憎むようになる,といった鏡の関係が成立します。自転車が歩行者にどのように恐ろしいモノかという意識が持てないと,自転車に乗る資格がないと理解できること,それが私たち意識です。

《自尊感情》
 滑り台で遊んでいて,前につんのめって地面に顔から突っ込んでしまった子どもがいます。起きあがった子どもはすぐには泣きませんでしたが,周りで家族が大笑いしています。それに気付いた瞬間,大声で泣き出し,母親を指さして「笑っちゃダメ」と訴えます。母親が笑いを噛み殺しながら抱き上げてやると,近くの人たちがハッとした後の和やかな流れにホッとして,またどっと笑います。子どもは火の付いたように大声で泣きながら「笑っちゃダメ」と絶叫します。
 自分が笑われているということを,もう一人の子どもが認識して,傷ついています。笑いものになっている自分でありたくない,そんな自分になりたくない,その自尊心が,自分を笑っているものへの抗議のために泣き叫ばせます。その経験は,もう一人の自分が笑われないようにしようと自分を激励するように切り替わり,さらには,人にとって笑われることがどれほど悔しいことであるかと思いやる力を目覚めさせることにもなるはずです。



 「オモチャが壊れた」,「ジュースが零れた」,「ガラスが割れた」と言ってきます。「オモチャを壊した」,「ジュースを零した」,「ガラスを割った」とは言いません。自分を埒外において,他人事のように言う癖が付いています。自分は関わっていない,自分は当事者ではなく,第三者としての目撃者であると言い逃れていると,自己責任の意識が育たずに,他者に責任をなすりつける考え方に逸れていきます。友達が悪い,大人が悪い,世間が悪い,その物言いは下品な卑しさを漂わせます。

★落書き★

 寒い日はおでん。大根はよく染みて美味しいですね。ところで,大根は葉のある方を上として,上の方が甘く,下の方が辛くなっています。大根をよく見ると,途中から先端にかけてひげのような根が付いています。その部分が本当の根です。ひげのない上の方は胚軸という部分です。大根は下の先端部分が生長し,細胞分裂を起こして伸びていきます。その生長点に害虫を寄せ付けないために辛味成分がたくさんあるのです。辛味は大根が身を守るために必要なものなのです。

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