*** 子育ち12章 ***
 

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「第 55-04 章」


『子育ちは 信頼通う つながりで』


■子育ち12定義■

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『子育ち第4定義』

【子育ちは,信頼できる関係を作って進んでいくものである】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の方位構成となります。
 この版では,子育ち,子どもが育つということを,12の定義として体系的に表現していきます。子育ち12定義は子育ちの全体を12の視点から理解できるように組み立てられています。この12定義を理解することによって,世にあふれている子育て論のそれぞれが,どの定義に連なるものかという位置づけが納得できるはずです。

《何処で育つのか?》
 南米のペルーで黄金の遺物の発掘が行われ,化学分析などの調査のために現地から都市に持ち出そうとしました。ところが,これを住民が拒否します。政府の仕事であるから,リスト化するだけであるとか,その内容をどのように説得しても,信用してくれません。ついに窮まって,学者が「自分は侍の子である」と叫びました。それを聞いて,住民は,ペールの都市ではなく,「日本に持って行け」と言ってくれました。信頼されるということは,代々受け継ぐ伝統に依る生き方を守っているかということと関係しているのです。
 人間=人の間? 人は「ある特定の人と日常的につながっている」ことによって,「人間」で居られます。万遍なく多くの人とつながっていても,それは人間関係ではなく,つながっていないのです。ある日突然に些細なことを発端に,簡単に別離が訪れます。つながりを維持するために,いつも面白く,おかしく付き合っていなければなりません。それは疲れるつながりです。腐れ縁という簡単には切れない関係,何もなくともつながっていられる関係,親子,親友,夫婦,同郷といったつながりが大切です。

 同じ年頃の子どもと遊べない子どもがいます。家庭では,親,兄姉など,かばってくれて分ってくれる人たちに包まれています。ことさら自己表現をしなくても済んでいます。そこで,同じ世代の子どもたちの中での自分が見極められずに,自己表現の技術が育ちません。分かってくれないのを人のせいにすることになります。自己表現とは相手に受入れられる形でなくてはなりません。そのために,他人の言葉や行動に現れる考え方,気持の多様性を読取れないと孤立化するのです。
 いじめは昔のいじめと違っています。また,対応の仕方が,後始末をどうするかにシフトしてしまっています。いじめの形は,徒党を組んで強者になり,孤立化している弱者を標的にします。子ども社会の構造としての帰結なので,ガス抜きが必要です。対応は,複数の信頼できるつながりを持たせて,多層化することです。
  (1)グループを作れ。相談できる兄,姉を作れ
  (2)NOと言える練習を,死より登校拒否をさせよ
  (3)いじめっ子にこそ対応を(いじめと考えていない)
  (4)バイパスを作れ(家でのイライラを学校に出している:心の容量は有限)

 信頼できる関係の中味をはっきりしておかなければなりません。仲良く遊ぶ友達ではありません。「学習+遊び+労働」の三点セットが織り込まれているつながりが,子どもには必要です。共に学び,共に働き,共に遊ぶ,生きる局面を共にできる仲間です。特に労働の場としての家庭や地域が機能衰退しているので,意図的にネットワークの構築が図られなければなりません。大人たちに,「隣人の名前,子どもの友人の名前,三人以上挙げられるか?」と自問自答してもらい,家族ぐるみという斜めのつながりをつくってもらえれば,子どもたちは,自らのつながりを確認し,存在感を高めることができることでしょう。信頼関係の基盤づくりは,大人の義務なのです。



《何時育つのか?》
 授業中の私語や居眠りが,学習の邪魔をします。大人しく話を聞くことが授業の前提です。ところが,聞く心得・態勢が疎かになっている子どもたちが居ます。耳に音が入っても素通りして聞き取っていないのです。ながらテレビなどに馴染んでしまい,話しを聞き取らなければならない場が不足しています。このことは裏返すと,話しを聞かせる技術,訓練が出来ていないということで,例えば,異性を口説くことが下手ということになっていきます。喋りは出来るが,しゃれた会話は出来ないという悩みになります。

★落書き★

 子どもがいるご家庭で,犬や猫を飼っているご家庭もあるでしょう。ところで,子どもが好きなチョコレートを,犬や猫には食べさせてはいけないことを知っておいて下さい。チョコレートの苦味成分のテオブロミンというアルカロイド(植物毒)が,犬や猫には中毒を引き起こします。人間は代謝が速いのでさっさと排出できますが,犬や猫は超ゆっくりなのでチョコレート中毒になります。下痢と嘔吐が続き,興奮します。ひどいときはてんかん症状となり死ぬこともあります。小型犬で50g以上は危険です。


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