*** 子育ち12章 ***
 

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「第 55-03 章」


『子育ちは 不安をぬぐう 支え居て』


■子育ち12定義■

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『子育ち第3定義』

【子育ちは,安心できる所にいるときに動き出すものである】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の方位構成となります。
 この版では,子育ち,子どもが育つということを,12の定義として体系的に表現していきます。子育ち12定義は子育ちの全体を12の視点から理解できるように組み立てられています。この12定義を理解することによって,世にあふれている子育て論のそれぞれが,どの定義に連なるものかという位置づけが納得できるはずです。

《何処で育つのか?》
 シカトという無視するいじめは,居場所を剥奪するので,人とのつながりを断ちます。そこで迫ってくるのは不安です。これは悪意のある排除ですが,家庭では意図しない排除も起こります。「勉強は?」と子ども部屋に追い込んでしまうと,リビングの家族間の気配から隔離することになります。孤立させられると,気持ちは守りに入り,閉じこもるようになります。育ちどころではなくなります。
 ■■拒否症というのは,居場所がないこと,言い換えるとする事がないことです。居ても居なくてもいいと扱われたら,居ない方がいいのかもと不安になり,生きていく意欲を失わされます。保険室登校とは,「具合が悪い」という理由により,辛うじて居場所を確保することができます。登校拒否の子どもは,学校に居場所を見つけられず,拒否しています。仕方なく自宅にいることの方を好むだけとなります。頭ごなしに悪いと決めつけるのではなく,居場所を見つける手助けをしてやりましょう。

 心配症は,頭の良い人がなります。物事を悪い方に考え,小事にこだわるという悪循環に捕まります。「ここがダメ」とだけ言われていると,基準からの外れをことさらに気に病むようになり,結果として,子どもは管理され,愛されていないと思い込みます。「よかったね」と,最初に受入れることです。ここまでは良いという確認により,子どもは達成感を得られます。100%だけが達成ではなく,50%の達成も有り得るのです。
 子どもは母の目を意識しています。叱る母親は,子どもの目には角が見えるようで,そういう絵を画く子どもがいるそうです。子どもが歩き始めの頃,母親が見ている前では伝い歩きの手を離しますが,見ていないと離しません。母親が側にいる安心感により情緒不安のない子どもは,余ったエネルギーを成長に向けることができます。子どもの精神にとっての母親の愛情による安心感は,肉体へのCa,Vのような育ちに必須のサプリメントです。

 マザーテレサの言葉です。「人間にとって一番不幸なことは,その人がこの世に必要でないと思われることです」。孤独ほど辛いことはありません。人とのつながりの中にこそ安らぎはあるものです。よその人はいざ知らず,親だけは自分を信じてくれていると感じることが,人を信じる基盤です。ところが,子どものためにという親心が,よその人より厳しい目を向けることになり,結果として,疑り深い不信感を向けてしまうことがあります。普段と違っていい子であったとき,珍しい,雨が降るかもという嫌みは禁物です。
 親は子どもにとって大事な人です。同時に自分も親にとって大事な人でありたいと思っています。基本的なアイデンティティです。自分が親にとって大事な存在であることが親のそばに安心な居場所があるということです。子どもが育つにつれて親は側にいてやれなくなります。それでも「あなたのことはいつも気に掛けている」という保護メッセージは届けることができます。子どもがおみやげを喜ぶのは,気に掛けていてくれた証拠だからです。



《何処で育つのか?》
 ハートボイスという留守番電話に語りかける機関があります。「わたしはどこにいればいいんですか。学校に行けばいじめられ,家の人には行かないと言われ,わたしの居場所はどこにあるんですか。朝から晩まで布団の中で泣いているしか・・・」。育てることは追い立てることではありません。安心していい場所を与えることが必須です。美しい花は豊かな大地にあるときにだけ育つのです。

★落書き★

《何処で育つのか?》
 カラーピーマンは緑の青ピーマンが熟して色が変わったものです。ピーマンは,熟す前の青ピーマンの時に鳥などに食べられては困るので,苦味の強いアルカロイドを含んで防御をしています。やがて熟したら,今度は,食べてもらって種を運んでもらうために,食べやすいように苦味は消えます。子どもはアルカロイドに敏感なので,苦い青ピーマンが嫌いなのは仕方がありません。大人は味覚が鈍くなるので,おいしいと感じています。子どもと大人の味覚の感度は違っているのです。


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