*** 子育ち12章 ***
 

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「第 55-06 章」


『子育ちは 言葉の道理 身につけて』


■子育ち12定義■

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『子育ち第6定義』

【子育ちは,道理を弁えて物事の理解をしていくものである】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の方位構成となります。
 この版では,子育ち,子どもが育つということを,12の定義として体系的に表現していきます。子育ち12定義は子育ちの全体を12の視点から理解できるように組み立てられています。この12定義を理解することによって,世にあふれている子育て論のそれぞれが,どの定義に連なるものかという位置づけが納得できるはずです。

《何時育つのか?》
 しつけとは,あるべき形に子どもを変えることです。ある程度無理矢理強制しますが,最後は子どもが自ら受け入れるようにしなければなりません。しつけの言葉として,「ほめる」と「しかる」の対があります。これを使い分ける道理というものがあります。
 「ほめる」とは,快感を与えることで,アクセルの機能を持たせなければなりません。例えば,顔を洗うと気持が良い,歯を磨くと気持が良いという道理を教えます。歯を磨かないと虫歯になるという言い方は,恐喝であり,しつけではありません。「掃除をすると気持が良いね」と,一緒に気持良く感じてやることが,ほめて快感を与えることです。赤ちゃんの時に,おしめを替えてやって「ほら,気持いいね!」と話しかけていたはずです。
 一方で,「しかる」とは,嫌悪感,不快感を与えることで,ブレーキの機能を持たせなければなりません。子どもが気分を害して,捨てぜりふを言ったとしても,不快感を与えたということでは成功しているので,言わせておけばいいのです。もちろん,叱る方もいい気分ではなく不快感を味わいますが,それも負の共感として受け入れるべきです。
 子どもに注意するというときも,肯定的な言い方をして,否定的な言い方をしないようにした方がいいでしょう。例えば,「廊下を走ってはいけません」という言い方より,「廊下を走らないようにしましょう」という言い方が効果的です。〜しようという言い方をすることで,もう一人の子どもに語りかけているからです。走らないようにしようと,子ども自身が決めるように導いているのです。否定的な言い方をすると,子どもを萎縮させて,もう一人の子どもの出番を封じ込めてしまいます。

 幼稚園で,子どもたちが本読みを喜びます。そこで,先生は参観日に親にやって見せよう!と張り切りました。クライマックスのところで,いつも落着きのない子が「オシッコ」と言い出して,その後はガヤガヤと乱れてしまいました。先生が親に見せようと意識したために,子どもとの心の交流が途切れてしまい,そのことに不安定な子は敏感に反応をし,「オシッコ」ということで,先生との関係を結び直そうとしたのです。言葉によって共感しているという道理を体感しつつ,人との関係の本質を直感的に理解しています。
 普段どのような言葉を使っているかということが,人として器量に関わります。毎日,何回,ありがとうという感謝の言葉を使っているでしょう。人にしてもらうことを当たり前と思ってはいないでしょうか? 例えば,父親が子どもに用事を言いつけて,出来たら「オウ」「ン」としか言っていないのではないでしょうか。社会では,交番で道を尋ねて,ありがとうもなく立ち去る偽紳士がいます。それが仕事だから当たり前だろうという発想しかできていません。感謝の心は言わなくても分かるだろうという言い訳も聞こえてきそうですが,思っているだけでは通じません。非行少年に共通するのは,感謝の心が欠如していることです。感謝の言葉によって,人とのつながりの喜びが生まれるという道理があるのです。

 学校の授業では,言葉によって物事を分ける道理を教え,「相違と同一」という比較によって,物事の理解を学ばせています。例えば,2+3=5です。では,男児2人+女児3人=? 5人ではありません! なぜなら,5人とは男児ですか女児ですか? 実際の計算はこうです。男児も女児も子どもですと言い換えて,子ども2人+子ども3人=子ども5人という計算をしているのです。男児・女児という違いと,男児も女児も子どもで同じという,物事の理解の仕方を学んでいます。マッチ棒2本+電信柱3本=?。これは計算不能です。足し算は同じものでないとできませんが,マッチ棒と電信柱はどう考えても同じではないからです。言葉が持つ分ける機能と括る機能,その道理を通して,人は物事の理解をしているのです。



《何が育つのか?》
 5感の中で触覚という感覚を意外と低く思ってはいませんか? 触れるという感覚の大事さを再確認してみましょう。買物をする際に,品物を触ってみて,重さ,手触り,扱いやすさなどを確かめます。もしも触覚を喪失したとしたらどういう状況になるでしょう? ものが持てない,字が書けない,握れない,つかめない,立てない,座れないなど,ほとんどの手足の行動はできなくなります。足が痺れたときのことを思い出して下さい。また,愛を確かめるというときも,言葉よりも,手を握りあう,抱合うということが必須です!  一人暮しの寂しさとは,人の肌に触れないことといわれます。ですから,親子の触れあいをするなら,抱合うことです。大きな子は,互いに気持ち悪い?

★落書き★

 これから気候が暑くなってくると,冷蔵庫の氷の出番です。この氷が長持ちした方がいいというときには,沸騰させた水を冷まして凍らせるといいようです。ただの水道水で作った氷より30分は長持ちします。そのわけは,沸騰させると,水に溶け込んでいた空気が追い出されるために,氷がより密度の濃いものになるということです。長く冷えていて欲しいという氷の使い方をしたいときには,一手間を入れてみてもいいのでは?


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