*** 子育ち12章 ***
 

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「第 55-11 章」


『子育ちは 失敗越えて 芯ができ』


■子育ち12定義■

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『子育ち第11定義』

【子育ちは,失敗にめげずにきちんと反省をするものである】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の方位構成となります。
 この版では,子育ち,子どもが育つということを,12の定義として体系的に表現していきます。子育ち12定義は子育ちの全体を12の視点から理解できるように組み立てられています。この12定義を理解することによって,世にあふれている子育て論のそれぞれが,どの定義に連なるものかという位置づけが納得できるはずです。

《どのように育つのか?》
 何か問題が起こったとき,(1)勝負して勝つ (2)勝負して負ける (3)問題を避ける,という選択肢があります。ことは単純では無く,逃げたくても逃げられないときもあります。そのときは,潔く負けてしまうという覚悟も必要です。人生は自分の思うようにはならない,負けるばかりで勝つのは稀なものです。子ども時代に負ける練習をしておきます。「失敗を気にするな,負けるときはさらりと負けるが良い,口惜しいときはこんちくしょうと正直に叫ぶがいい,弁解なんか一切するな,泣きたいときには思いっきり泣くがよい」という励ましの言葉を掛けます。負ける練習は生き抜く力を与えてくれるはずです。
 子どもが危険な目に会わないように,用心して安全圏におきます。その安全圏の設定に注意が必要です。しくじらないように余計なことをさせないという抑制は,外すべきです。子どもを失敗させないという安全圏に閉じ込めていると,子どもは自分の力の限界・境界が分りません。ここまではできる,大丈夫という確信が持てないので,過度の臆病になります。取り組もうという自発性にブレーキを掛けてしまうので,主体性が育てなくなります。自信とか勇気は,失敗による自分の力の現実を認めるときから湧いてくるものです。

 子どもたちに,道理という物事のプロセスを把握する力が弱くなっています。ああすればこうなるという,物事のつながりが認識されないのです。何かしでかしたとき,こんなことになるとは思わなかった,知らなかったと言い訳をしてきます。また,試験の結果に対して,「当たった!,ハズレタ!」で済ませています。できなかったところで何が間違いであったのか,反省として見届けようとしません。遊んでいても,やりっ放しで,後始末ができません。失敗しっぱなし。自分の後始末としての反省は自分しかできないのです。
 社会生活においては,他への迷惑が起こるかもしれませんし,避けられません。子どもの遊びでも,アクシデントは起こります。カンケリ遊びをしていて,勢いよく蹴った缶が友達にあたって怪我をさせます。「僕じゃないよ」とみんな逃げ散っていきます。後始末の仕方,「ご免なさい」と誤り反省する,そういう責任の取り方を身につけさせなければ,逃げる癖がつきます。もちろん,大きな不始末の場合には,「お父さん!」「どうした?」ときちんと受け止め,後を引き受けてやること,親しかできないことです。

 「0点の思想」を紹介しますので,是非活用してください。試験では,間違い=0点です。保護者はそんなもの要らないと,眼の仇にします。ところで,一般世間ではマチガイをすると,責任を追求され,罰さえあり,マイナス点(反則点)がつきます。試験の答案を採点していると,マイナス点を付けたくなるまちがいもあります。しかし,採点者は0点しか付けられません。どんなにひどい間違いをしても,「無かったことにしよう」(水に流す)というのが0点の意味です。
 失敗していいよ,責めないからということです。失敗の勧め,安心して間違えなさい,採点はプラスしか見ないということです。決して100点から間違った分を差し引きしているのではありません。学校の試験は,知らないことを学んでいくので,元々の0からプラスとして学習成果を見ているのです。つまり,教育・養育における基本的視点として,マイナス点はあり得ないのです。プラスしかありません。その上で,忘れてならないことは,反省の勧めです。反省しないと0点のままということになります。



《どのように育つのか?》
 今号と次号を会わせて,「育ちの4サイクル」になります。成長の動きのプロセスを次のように想定しています。
    失敗:「しまった!」:学びがスタートします。(弱さの自覚)
    反省:「どうして?」:もう一人の自分が目覚めます。
    学習:「人はどうしている?」:マネル=マネブ=マナブ!(型から入る)
    挑戦:「こうしてみたら?」:可能性へ挑戦します。
 この4つのパターンの繰り返し,積み重ねによって,育ちの年輪が刻まれていきます。ドジの年輪が人を強くしてくれるのです。冬を辛抱する樹木に固い年輪が刻まれるのと同じです。

★落書き★

 トカゲなどは変温動物なので,外気の温度に左右されて体温が上下します。人は恒温動物なので,体温は36℃くらいに保たれています。その熱は胃や腸,心臓や肺などの内臓の筋肉が動いて作り出されています。だから,亡くなると動きが止まって体温が無くなります。ところで,外気が寒くなると,筋肉を収縮させて,ガタガタ震える運動をして熱を余分に作り出して体温を保とうとします。寒いと震えるのは,体温保持のためなのです。


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