*** 子育ち12章 ***
 

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「第 55-10 章」


『子育ちは 今日があるから 明日が来る』


■子育ち12定義■

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『子育ち第10定義』

【子育ちは,明日の自分に焦らずに期待し続けるものである】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の方位構成となります。
 この版では,子育ち,子どもが育つということを,12の定義として体系的に表現していきます。子育ち12定義は子育ちの全体を12の視点から理解できるように組み立てられています。この12定義を理解することによって,世にあふれている子育て論のそれぞれが,どの定義に連なるものかという位置づけが納得できるはずです。

《何故育つのか?》
 大人はもちろんですが,子どももそれなりに目標を持っています。ここで,目標について押さえておくことは,現在の目指すべき目印であるが,決して結果ではないということです。例えば,歌手になるために,毎日発声練習をすること,それが目標です。歌手になることは目的であり,想定する結果です。目標を積み上げて目的に近づくという流れです。目標は,今の弱い自分でも出来ること,可能性のあること,だから努力することができるのです。元気な子になるには,まず外に出よう,胸を張ろうという目標を目指すのです。
 できるを「出来る」と書くと,工業製品=物等が出来るということになります。物作りでは効率,時間短縮が目指され,ハヤク,チャントと急かされます。子どもが力を育てる,「できる」ようになるというのは,モノ作りとは違って,作物などが育つのと同じです。じっくりと待つ時間が必要であり,非効率なものです。イネが土と水と太陽という環境の助けと,植物そのものの生理が活動するように,子どももできるようになるまでの待ち時間が必要です。
 仏眼という言葉があります。仏という字を気にせずに,意味だけを学びます。相手と一緒になって,相手の立場から見ることを意味します。対する肉眼とは,自分の欲望の眼で見ることです。テストの結果に,母親が「30点しか取れなかったのね」とがっかりすると,男の子が「違うよ,お母さん,ぼくは30点も取ったんだよ」と言います。息子が一生懸命にやって30点取ったとき,「30点も取ったね」と共に喜ぶことが仏眼です。「ここまでできるようになった」という達成の喜びが,期待を沸き立たせてくれます。
 やる気をつぶす10か条というのがあります。
     (1)自信・希望を無くされている
     (2)親の価値観を押しつけられている
     (3)「爪の垢でも」と,比較されている
     (4)「ハヤク,サッサ」と,急かされている
     (5)「余計なことはしない」と,体験を禁止されている
     (6)無視・無関心にされている
     (7)「当たり前」と,価値を認められていない
     (8)進歩を認められていない
     (9)取り柄を認められていない
     (10)欠点・短所をいつも言い立てられている

 かつての中学生の川柳があります。
  《一日が 暮れりゃ寝るだけ 明日が来る》,
  《昨日生き 今日も生きてる 明日もたぶん》
 お尋ねしますが,「夜,寝るとき,明日の朝起きるのが楽しみですか?」
「楽しみ」と答えられるとすれば,きっと幸せです! 楽しみであるとは,スルコトがあることです。明日の自分を期待できるから,幸せ感が生まれ出てきます。スルコト=段取り!=目標と考えることができます。目標という具体的なできる期待,それが有るから育ちたいと願うのです。



《どのように育つのか?》
 今のスポーツ団体は昔と違っています。例えば,少年野球チームでは,野球の上手・下手という判定だけがあり,落ちこぼれたら救えません。昔の草野球チームでは,野球以外に,グラウンド整備,マネージャー,場所取り,相手交渉など,スルコトが豊かにあり,選手から外れた子どもは,その中で役割を持つことができました。仲間で有り得たのです。今はその辺の雑事を大人が取上げてしまい,子どもにさせていません。子どもを育てることを想定していないからです。

★落書き★

 動物園や映像などで見るワニは,口を大きく開けています。いつも開けているわけではなく,日光浴の時だけです。変温動物なので,口の中にある毛細血管に日光を当てて,体温を上げるためなのです。因みに,ワニは塚の中に卵を産みますが,孵化するときに,温度が34℃以上なら子どもはすべてオスに,30℃以下ならメスになるそうです。30〜34℃では,半々になります。地球温暖化で気温上昇すると,ワニはオスだけになるのかもしれません。


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