*** 子育ち12章 ***
 

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「第 56-13 章」


『子育ちは 自分を種に 芽吹いてく』


■子育ち12能力■

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『子育ち第13能力』

【子育ちは,自分を信頼し成長することができることである】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の方位構成となります。
 この56版では,子どもが育ちの中で獲得すべき「12のできる力」を考えます。子どもが発揮する可能性を拓いていく営みが育ちだと想定します。ここで述べていく力は,人が生きていく上で必須とされる基本的な力であり,バランス良く獲得されなければならないものです。

《子育ちを一言で言えば?》
 子育ちを一言で言い表すとすれば,自分を信頼して成長を目指していることとしておきましょう。子育て羅針盤では,子どもが自分を中心として,12の向きに添った能力を付けていくというイメージを想定しているからです。したがって,自分という中心がどういうものであるのか,考えておきましょう。

 子どもは,ほめて育てるように言われます。ほめやすい子はほめられ慣れているので,ことさら意識しなくてもいいのですが,ほめにくい子をほめるということは,かなり意識しないと疎かになります。例えば,反省して挑戦していること,つまり,育とうとしていることを第一に認めてやります。できないという相対的評価ではなく,できるようになろうと育とうとしている絶対評価を持ち出して,子どもにきちんと伝えます。そのときに,子どもは自分を信頼していいという気持ちを抱くことができます。

 子育てで必要なことは,諦めです。親や教師ができることは大したことではないので,力まないように自制することが肝要です。大人の思い通には育てられないので,結局は「あきらめ」る時がやって来ます。そこから「見守り」に移行することができます。きちんとした教育・躾の中でしか育てられないという思いこみから解放されないと,子どもの育ちの邪魔になります。いまのままでは?という将来への不安に苛まれる気持ちは分かりますが,信じて任せるようにしましょう。親が信じてやれば,子どもは自分を信じます。

 日本の教育の弱点は,創造性,個性化の欠落といわれてきました。その基本的な形は自分の出し方であり,その出し方を身につけることが自立へとつながっていきます。ただ待っている受け身の立場に放置しておくような干渉的しつけ・教育では,子どもは育てない状況に追い詰められます。自分を出すには,自分を信頼しているということが前提になります。自分に不信を抱いていては,不安にかられていては,自分を出すことなど思いもよりません。信じて待つというスタイルが,子育ての基本です。

 価値の形は,二分法です。例えば,幸福と不幸,健康と病気,善と悪のように,対立した二つに分けられます。遠藤周作が書いています。「まったく幸福とは言えぬが,しかしそれほど不幸ではない三つ目の状態がある。歓びと悲しみの中間の感情も存在,中間とか対立したものを併合した状態もある」。ある一線を境にして右か左かという二分法ではなくて,幸福の一線と不幸の一線,別々に2本の線があり,その間は幸不幸いずれでもない状態があるのです。普段の自分がそこにいるという気付きが,自分をありのままに信頼することになります。



 情緒不安定であった母親が,自分の気に入らないことを子どもがすると子どもをけなします。意気消沈した子どもが止めると,今度は「なぜ止める?」と責めます。子どもはどうしてよいか分らなくなって,母親の顔色を伺うようになります。「自分の好きなこと」より,「母親が好むこと」をしなければ,という風に育っていきます。子どもは自分を失っていきます。自分とは? やがて,その疑問にぶつかることになりますが,それまでは苦しい育ちになります。そうならないために・・・。

 第56版が終わりました。次号から,第57版に入ります。基本的な構成は変わりませんが,語り口を一変してみようと思っています。なるべく単刀直入に短くというコンセプトを今は意識しています。お付き合いをよろしくお願い致します。

★落書き★

 グレープとはブドウのことですが,グレープフルーツは,柑橘類の一つです。他のオレンジ類では1本の枝に1つの実しかなりませんが,グレープフルーツは1本の枝にたくさんの実がかたまって成育し,離れてみるとブドウの房のように見えることから,名前になったそうです。また,パイナップルは,パインとアップルの合成の名前です。パインは松の意味ですが,実が松ぽっくりに似ていることから当てられました。アップルはリンゴですが,ヨーロッパの果物の代表がリンゴであることから,松ぼっくりのような果物という意味でパイナップルと名付けられました。


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