*** 子育ち12章 ***
 

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「第 57-03 章」


『子育ちは 生きる道連れ いればこそ』


■子育ち12針路■

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『子育ち第3針路』

【心の居場所あり】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。

《何処で育つのか(私の育ち)?》
 「小学校いじめ最多」「小学校11万8805件過去最多」。13年度に小中学校が把握したいじめの発表がありました。いじめの定義は,「一定の人的関係にある他の児童が行う心理的又は物理的な影響を与える行為で,対象となった児童生徒が心身の苦痛を感じているもの」であって,該当するかどうかは,親や教師,加害者ではなく,被害者の立場で判断するものとされています。いじめによって自殺する子どもが出てしまうことは,いじめは生きようとする育ちとは逆行していると認識すべきです。

 一定の良好な人間関係を持つ,それが子どもが育つ場になります。いじめは,子どもを場違いな存在に,いてはいけない存在に,追い込んでしまいます。もう一人の自分が自分は生きていていいと思うことができなくなっていきます。自分はここにいていい,ここにいて欲しいと思われている,その確信が安心を生み,育ちを促します。虐待されている子どもが,自分がいけないからと思おうとしているのは,親の思いが自分に向けられていると信じなければ,生きる意味を失うからです。もう一人の子どもに自分は望まれている子どもと気付かせてください。

 いじめが子どもの人的関係の不備を表していると考えると,子どもたちの育ちの場,子どもたちの居場所が貧しいということを心配すべきです。いじめをしないで仲良くということではなく,人的関係を多層化,複数化することです。質量共に豊かにすることです。親子関係,先生生徒関係の縦関係,クラスメートとの横関係しかない現状に,斜めの関係を構築することも必至です。さらには,親密な関係から浅い関係という遠近感を持たせることも大事です。子ども部屋で独りぽっち,閉じこもりは居場所ではありません。



 いじめを受けていた子どもが,どうして抜け出せたかを話してくれます。大人に相談して嫌だと言っていいという勇気をもらったこと,そしてなによりの救いは,「今のままの君でいいよ」と言ってくれた一人の友がいたことだったそうです。ありのままの自分を認めてくれる人がいる,そこに自分の居場所が在ると感じます。親に「あなたがいるから苦労する」と言われたら,自分はいない方がいいんだと聞き取ります。親に邪魔にされたら,育ちどころではなくなりますね。

★落書き★

 庭のキウイの木にできる実は,早めにとってリンゴと一緒に保存すると早く熟します。また,ジャガイモはリンゴと一緒に箱に入れると芽が出ないということです。リンゴはエチレンガスを放出するのですが,このガスは植物の「成熟を促進する作用」と「生長や開花を抑制する働き」があるからです。前者がキウイに,後者がジャガイモに作用しているのです。因みに,緑黄色野菜は葉が黄色くなるので,リンゴと一緒にしない方がいいようです。生きることは他者の影響に曝されているのです。


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