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「第 58-10 章」 |
『子育ちは 残したままで 明日待ちも』
■子育ち12考察■
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『子育ち第10考察』
【真・善】
《まえがき》
この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。
《真・善とは?》
人は生きていく上で,さまざまな選択をします。究極は,生きるべきか,否か,という問に答えなければなりません。人はそれぞれに選択する権利を持っていますが,その結果が他の人と関わりがあるときは,他の人にも納得のいくものでなければなりません。赤信号は守らなければなりません。このような皆が了解する世の中の約束事の他に,この世界には真理があります。時間は一方的に過ぎていくものです。この世界を支配する真,この社会を組み上げている善,普段意識していなくても,根本的なものがあります。
ところで,善悪という判断をする際に,いずれであるか決めかねることが多々あります。善でもなければ悪でもない,白黒つけがたいことがあります。その色合いを無理に決めるために,主義や信条が持ち込まれます。○○主義というものによって,選択が異なってきます。場合によっては,不幸な闘争に至ることもあります。了解できることを通じて関係を保ち,了解できないことでは関係を持たないように距離を置くしかありません。なんとなく合わない人とは,無理して付き合わず,距離を置くことです。
真理については,前提となる条件があることを見落としがちです。条件が変われば,結果も変わります。もちろん,人はすべての条件を知ることはできません。人は必ず死ぬという真理がありますが,それがいつかは分かりません。分からないことは分からないとして,明らかに意識することが賢さです。ところで,子どもの素直な質問に答えられないことがあります。どうしてお月さんは丸いの? どうしてボクは男なの? 何故夜になると眠くなるの? どうしてだろうねと一緒になりましょう。そのうち分かる時がくるかも!
育ちとは,もう一人の自分が自分を育てることです。他人にあれこれ言われて育つのではなく,自分で自分を育てたいはずです。そのためには,もう一人の自分が自分を育て甲斐があると見込む必要があります。例え失敗をしても,それは自分が至らないのではなく,仕方が不味かったからだと考えて,やり直す方に向かうことが大切なのです。そこで必要なことは自尊感情です。自分を投げてしまわないことです。自棄にならないことです。自分を養う責任をもう一人の自分が負っているのです。
★落書き★
お祝いの膳にはおかしらつきが出されます。おかしらつきをお頭付きと思ってはいませんか? おかしらつきは尾頭付きです。頭から尾まで完全に揃っているところから「全うする」ことにつながるので縁起が良いとされているのです。頭を左にして出される尾頭付きの鯛の,上の身を食べた後,骨の下に残っている半身を,どうやって食べるべきでしょうか? 裏返してはいけません。骨を外して,身だけにして食べるのが食事の礼法です。老婆心ながら,確かめておきました。
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