*** 子育ち12章 ***
 

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「第 60-05 章」


『子育ちは 道理わきまえ 賢くに』


■子育ち12明暗■

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『子育ち第5明暗』

【賢明】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。
 この第60版では,私の育ちの項では良い選択を,私たちの育ちの項では悪い選択を考えてみます。

《賢明とは?》
 賢明とは,「情勢の判断が確かで,問題を適切に処理できる様子」と辞書にあります。簡単に言えば,自分が今なすべきことができるということです。学生が授業中にスマホをいじったり居眠りをしているのは賢明ではないということです。今の自分は学ぶ時間にいるという情勢を認識し,スマホを切断して学びモードに集中しさえすればいいのです。特別に困難なことではありませんが,今という時間,ここという場所,自分という立場,他者からの期待,そういう情報をバランスよく考える能力を持つことが大切になります。

 賢さの一面に,ずる賢いということがあります。問題の処理の仕方が適切ではない場合です。「ずる」というのは自分だけに都合がいいという形であり,「適切」というのは皆に都合がいいという形です。賢いというのは,世間の皆が価値を認める処理を導き出せることです。普段に暮らしでは,世間で言う丸く収めることができるかということになるでしょう。その積み重ねの経験をしておかないと,いざというときの賢明さを発揮することはできません。

 愚かさというとき,何が欠けているのでしょう。その場限りの対処になるからです。大人であれば飲酒運転をする愚かさ,子どもであれば友達にいじめを仕掛ける愚かさ,その場逃れの嘘をつくという愚かさ,たくさんの愚かさの背景は,先を見越していないということです。賢さは先のことを考えた対処ができるということであり,先には巻き込んでしまう人がいるという洞察ができることです。後先を考えないという情勢変化の無視をすれば,賢明さを失うことになります。道に飛び出さないということからしつけましょう。



 事が思い通りに進まないと,ムシャクシャします。その憤怒が道を外れて,世間に八つ当たりとなり,たまたま近くに居合わせたという人だけが理不尽な状況に巻き込まれます。そういう愚かさを持っている人がいます。今殺人事件の半分以上が,親族間で起こっているということを認識しなければなりません。親子,兄弟,夫婦という最も頼り合うはずの親族が,最も身近に向けた憤怒の場になっているのです。憤怒という厄介な感情の処理を誤らないように育てないと,刃が向けられるかもしれません。

★落書き★

 赤と紅,どちらもアカと読みます。漢字では赤の他にも,紅,朱,緋,丹などと書きます。アカは元々色ではなく「明かし」,光の輝く様子を表す言葉でした。照り輝く色,明るい赤系の色を総称してアカと呼ぶようになりました。紅は鮮やかな赤色,派手な色を表します。朱は黄色がかった色,緋は濃い赤色,丹は赤土色を表しています。紅白饅頭には紅白ですが,中国では紅は呪術的意味で祝い事に用いられ,白は天寿を全うしたというおめでたい意味を持っているそうで,日本でも使うようになったそうです。


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