*** 子育ち12章 ***
 

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「第 60-04 章」


『子育ちは 嫌な気持ちを 切り替えて』


■子育ち12明暗■

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『子育ち第4明暗』

【嫉妬】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。
 この第60版では,私の育ちの項では良い選択を,私たちの育ちの項では悪い選択を考えてみます。

《嫉妬とは?》
 嫉妬とは,「それまで抱いていた優越感・愛情・独占感が突然他にしのがれるようになったことに気付いたときに感じるねたみの気持ち」と辞書にあります。嫉み,妬み,恨みといった負の感情は人に備わっていますが,呼び起こされる条件があります。それは,自分と対等な他者の存在です。たとえば,子どもにとっての他者としてのヒーローやヒロインは嫉妬を呼び覚ますのではなく,あこがれを呼び覚まします。また,行きずりの自分とはかけ離れた他者は,他者と意識されないので,感情に触れることはありません。

 やっかいなことは,生きていく上で関わる必要のある社会では,自分と対等な他者との協同をしなければなりません。自分の思い通りに物事は進むことはなく,権利には義務が伴うように,順序やルールや約束,法による禁止などが強いられます。公平性や平等性といった指標を納得できるときはいいのですが,少しでも納得できない部分を感じたときに,嫉妬が吹き出してきます。たとえば,兄弟やクラスメート間でのえこひいきが感じられるような場合です。上の子ばかりが叱られるということはありませんか?

 人に備わっている感情は,人に必要であり決して害になるはずはありません。嫉妬という負の感情は,自らを鼓舞するスイッチへの誘いです。それができるように成長しなければなりません。ところが,この自らに向かうはずの嫉妬を他者に向けるとき,誤作動状態に入ったことになります。嫉妬される人には何の責任もないのですから,筋違いなのです。最近,感情を他者に向けてしまう愚かな行為が目立っています。自分だけの好意の感情を相手に押しつけるストーカーも同根です。感情の自己完結をきちんとしつけましょう。



 子どもがいじめられていた二人の母親が,いじめている子どもの母親に止めるようにいってほしいと話に行きました。その後,母親グループから逆に阻害されて,二人の母親は首を吊って自殺したそうです。顛末だけを聞いていると信じられないことが起こっています。いじめるという負の行為の背景には負の感情があり,それを自分ではなく友人に向けて解消しようとする過失が発生しています。我が子がいじめをしないようにするには,親が感情の取り扱いを誤らないようにしてみせるべきです。

★落書き★

 「友達」。達という字はたつと読みます。たとえば,通達と使います。友達の場合のみ特別に「だち」と使いますが,私達とは書かずに私たちと書きます。ところで,私たちは複数ですが,友達は複数ではありません。友たちと言えば,複数です。友達たちということもあるでしょうが,どこか落ち着きがなくなります。達の字は元々は神や高貴な人に限られて複数を表す言葉だったそうです。やがて敬意が薄れて私たちのようにただの複数を,一方で複数の意味が薄れて友より敬意を表す友達にと変わってきたようです。


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